男性で睡眠の途中で目が覚めて困っている人の場合、お酒が原因のことが多々あります。女性でも介護のストレスをお酒で発散したり、不規則な生活が続くと眠りたいときに眠れなくなるため、お酒に頼る人もいらっしゃるでしょう。
お酒で中途覚醒が起こるのは、アルコールが分解されると交感神経の働きが活発になって、目が覚めてしまからです。日本人男性の40%に寝酒の習慣があるという報告もありますが、実はお酒は睡眠にいいことは一つもありません。
お酒を飲むと筋肉がゆるむので、イビキや睡眠時無呼吸症候群になりやすいことがわかっています。気道が狭くなって酸欠状態になるので、アルコール摂取量が多いほど、昼間に強い眠気が起こったり、疲労感が強くなって、日中のパフォーマンスが低下します。
少量ならよいのかといえば、寝つきが悪くなり、睡眠時間が長くなる傾向があります。
お酒が睡眠の質を下げる一方、ノンアルコールビールは快眠をもたらします。ビールの主成分であるアミノ酸の一種GABAは、神経を落ち着かせる働きがあるうえ、ノンアルコールビールには、アルコールのデメリットがないからです。
スペインの研究グループによる実験では、寝つくまでの時間が短縮され、昼間の不安感も低減されたという結果が出ています。
お酒は休日に楽しみ、平日はノンアルコールビールにしてみませんか。ただしビールは体を冷やすので、適量を心がけましょう。
(快眠セラピスト/三橋美穂)
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