以前、テレビの健康情報番組「みんなの家庭の医学」で、認知症予改善と予防にいいと紹介された4種類のアロマが店頭から一斉に消えたことがあります。それはラベンダー、レモン、オレンジ、ローズマリーです。
これらの使い方は、朝はローズマリー2滴とレモン1滴をブレンドして、午前中に2時間以上嗅ぐ。集中力を高め、記憶力を強化する働きがある。夜はラベンダー2滴とオレンジ1滴をブレンドして、就寝1時間前から嗅ぎ始める。心身への鎮静作用があり、リラックスできる。これらのブレンドオイルで嗅神経を刺激すると、海馬の機能が回復して脳が若返ると紹介されました。
スタジオ出演した鳥取大学医学部、浦上克哉教授の研究によると、認知症発症には嗅覚の働きが深く関わっており、前述のアロマによって症状が改善するケースがあるそうです。
この朝晩の香りは、睡眠にいい香りでもあります。朝の香りで覚醒度を上げて、夜の香りでリラックスすれば、ぐっすりと眠れます。
知人のアロマセラピストが高齢者施設の職員の方から、入居者の睡眠について相談を受けたときのことです。夜のラベンダーだけでは睡眠は改善されなかったけれど、日中に覚醒度を上げるローズマリーを使ったら、睡眠中に目覚めることが少なくなったそうです。介護している方は、ぜひ参考にしてみてください。
もともと、睡眠と認知症には深い関わりがあります。日中の活動によって蓄積される脳の老廃物を掃除する役割を睡眠が担っていて、その老廃物のひとつが、認知症と関係しているベータアミロイドというタンパク質。ベータアミロイドが長い年月をかけて脳内に蓄積されていくと、ニューロン(※)の伝達システムが崩壊して、アルツハイマー病の原因になると考えられています。
このベータアミロイドの蓄積を防ぐ手段が、睡眠。つまり、よい睡眠をとることが、認知症予防や進行を防ぐことになるのです。
ご自身も、介護を受ける方も、アロマと睡眠で脳の健康を守りましょう。
※神経系を構成する細胞
(快眠セラピスト/三橋美穂)
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