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自転車で大陸を越えるブログ

学生のとき自転車で日本縦断、オーストラリア横断。一旦は就職したものの、会社を辞めて北米縦断。次に目指すは中南米縦断。このブログを通じて自転車で海外を旅する楽しさが、なるべく多くの人々に伝わればイイなぁ…と思っています。






フローレスから約250km南の街、コバンに、昨日ようやくたどり着いた。フローレスを出発して5日目だ。長い5日間だった。

フローレスの標高は200m、コバンの標高は1320m、なので標高差は1000mちょっと。アメリカのセコイア国立公園で海抜0mから2000mまで、荷物を満載にした自転車で登り切った自負もあった。サクっとコバンについてひと休みしよう、とフローレスでは考えていた。

その時はカテゴリー超級の山岳ルートが目の前に横たわっていることを知らなかったのだ。

チャリダー友達のGoonaiが『(フローレスとコバン間は)自転車南北アメリカ大陸縦断で五本の指に入るしんどいルートでした』とmixiの日記にコメントをくれていた。そのコメントをコバンに着いてから読んで、なるほどそーだったのか、と納得した。南米の道は知らないけど、そうもありなん、と思ったのだ。

それぐらいハードなルートだった。

なにがそんなにハードだったのか?『勾配』が尋常ではないのだ。ほぼ全ての上り坂の勾配が目測で10%を超えている。一番軽いギアで立ちコギしないと登れない。重い重い自転車が怨めしくなる。しかも1km登るとすぐに1km下る。正弦波のようなアップダウンが続き、標高がほとんど上がらない。あのしんどい登りはなんだったんだ、、、?と思いながら激坂を下り、また目の前に壁のような上り坂がそびえ立つのだ。体力と精神力をコリコリと削られる音が聞こえてきそうなルートだった。

とはいえ、永遠に続く峠はない。1日の平均時速が8km、という最低記録をマークしつつ、難ルートを無事に越えることができた(何度か足を付いてしまったのが屈辱だけど)。これで新たな自負が出来そうだ。あの激坂を上り切ったのだから、と。こうやって先人達も地足(体力)をつけながら南米へと下っていったのだろう。ゆるんでいた気持ちに、新しい火がともった気がする。やっぱり峠はイイ。

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ちょっと文が長くなっちゃったけど、とにかく元気にしとります。コバンは涼しくて、飯が安くて旨くて、いい街です。今、この次にサンペドロに行くか、アンティグアに行くか考えてます。丸2日完全休養して決めたいと思ってます。

ではではっ!!!


マモルです。元気にしています。ベリーズを抜け、6カ国目のガテマラに突入し、ティカル遺跡を経て、一昨日、フローレスにたどり着きました。湖に囲まれた、のんびりとしたいい町です。雰囲気の良い安宿(Los Amigos 25Q/dia)を見つけたのでそこで2日間完全休養していました。明日、250km南のコバンに向けて出発します。


カリブ海に面したメキシコのトゥルム遺跡や、ベリーズの風景、洞窟探検、そしてガテマラのティカル遺跡など、アップしたい記事が満載です。時間をかけて一つ一つアップしていきたいと思ってます。


ではではっ!!











アラスカのアンカレッジから旅を始めて、ゆらゆらと、たくさんの時間が僕を通り抜けたのですが、1年と8ヶ月目にしてようやく、総走行距離が2万キロを突破しました。地球半周分の轍を北中米大陸に刻んだことになります。


真っすぐ南下していれば、すでに南米に着いていても良い距離なのですが(時間的にもそうです)、へそ曲がりなぼくは、これからもあちこち寄り道をしながら、旅を続けると思います。


これからもよろしくお願いしますっ。



ベリーズのサンイグナシオで3泊した『J&R Gest House』。一泊BZ$20(US$10)。サンイグナシオでは、僕が見て回った限り最安でキレイな宿。しかも朝食(パン、バター・ジャムとコーヒー)つき。場所は少しわかりにくいけど、ロンリープラネットの宿一覧の一番最初に載っている。そして、この宿の魅力はなんと言ってもジョンおじさん。



話好きで、同じ話を何度も聞かされるのには閉口しちゃうけど、人のいい世話好きなおっちゃん。母語はおそらくスペイン語で、英語には黒人系のベリーズ人とは別の独特な訛りがある。ベストキッドの「みやじ(みやぎ)」に似てる、のがちょっと自慢らしい(笑)。生粋のベリーズ人らしいのだけれど、ハワイ出身、中国出身、日本出身、…etc、とにかくいろいろな国の人に見られるらしく、(だから)われわれの祖先はモンゴルから来ていて、みんな親戚みたいなもんだ、と言うのが口癖だった。



自慢の庭(ハチドリが来るのだ!)を新客に説明するジョンおじさん。僕が初日に来た時に話した内容と一字一句ほぼ同じことを話しているので少し笑ってしまった。



建物は古いのだけれど、部屋は最近改装したらしく、清潔でキレイだった。



共有スペース。ここで朝食を食べる。すごくいい空間。そしてこの宿には世界を旅するサイクリストが引き寄せられるように泊まっているらしい。ジョンおじさんが見せてくれたスクラップブックには十数名のサイクリストの名前があった。僕は日本人の最初のサイクリストらしく、すごく喜んでいた。写真をEメールじゃなくて封書で送る約束をする。



庭の眺め。昼間でも涼しい風が吹く。ここでのんびりするのが好きだった。




毎日飛んでくるハチドリ。アメリカでチラッとは見たことがあったのだけれど、これほどまじまじと見たのは初めてだった。空中でホバリングしながら蜜を吸うその姿と動きは、妖精とかそんな類の空想上の生き物みたいに美しい。


こんなカンジの素敵な宿です。サンイグナシオに行く機会があればぜひぜひ。ATMツアーの予約も出来ます。



ベリーズのビールBELIKINとLIGHT HOUSE。味は両方とも苦味がかなり強いヘビーな飲み味。LIGHT HOUSEには地ビールのような独特のクセがあった。暑い国ではもっとドライなビールが受けるのかと思っていたけれど、そうでもないらしい。イギリスの植民地支配を受けた影響かもしれない。とはいえ、道端で売ってる豆ご飯とから揚げの弁当によく合った。


両方ともBZ$3(US$1.5)で、メキシコに比べると恐ろしく高い(メキシコだと同じ値段で1リットル買えるのだ)のが、ベリーズでの唯一の悩みだった。

ベリーズのサンイグナシオで洞窟探検ツアーに出かけた。トゥルムの「カサデルソル」といういい雰囲気の安宿で知り合ったカナダ人のカップルから「ベリーズに行くなら絶対に行ったほうがいい」と教わっていたのだ。



サンイグナシオから4WDで1時間ほど山の中へ入り、さらに車を降りてジャングルを1時間ほど歩く。



そしてようやく洞窟の入り口にたどり着く。澄んだ水がコンコンと湧き出している。入り口は深くなっていて、ヘッドライトのついたヘルメットをかぶったまま泳いで中へ入る。とうぜん洞窟の中は電燈も鎖も何もない。ところどころ梯子がかけてあるぐらいで、ほとんど人の手が入っていない。ヘッドライトの明かりを頼りに腰まで水につかりながら奥へ進む。


(カメラはガイドのドライバックに入っていたので、残念ながら洞窟の奥の祭壇までの写真はない…)


洞窟の内部はどこを見上げても不思議な形をした鍾乳石が垂れ下がっていた。水の浸食によってほぼ真円の穴が天井にいくつも開いていたり、ミネラル分が結晶化した幾何学的…というよりも内臓のヒダような模様の岩もある。洞窟内のミネラルや鉱石がヘッドライトの光にキラキラと反射する。


洞窟の内部のすべてがどこか有機的で『大地の体内に入って行っている…』という気がしてくる。これに比べるとオアハカで見たウルトラゴシック調のサントドミンゴ教会のデコレーション なんかはカワイイものかもしれない。マヤの人々にとって陸上のピラミッドが『陽』の聖地ならば、この洞窟は『陰』の聖地だったのかもしらん、とも思う。自然の造形に圧倒される。



1時間ほどじゃぼじゃぼと水を掻き分けつつ歩き、ようやく洞窟の奥にたどり着く。そこにはマヤ人がかつて生贄の儀式に使っていた広い空間がある。ここからは水はないのでカメラを渡され、もろい石化質の地面を保護するために靴を脱いでさらに奥に進む。





大小たくさんの土器が並んでいる。どうやら意味のある配置になっているらしいのだけれど、その内容はまだわかってないらしい。堆積した石灰でほぼ土器が埋まっているのが生々しい。



そして生贄。洞窟の奥の広間のいたるところに生贄のが転がっている。ガイドが言っていた生贄の人数を忘れてしまったけど十数人分の人骨が確認されているらしい。この洞窟が使われていたのが200年あまりらしく、そのわりに生贄の数が少ないので、まだどこかに人骨が埋まっているに違いない、と考えられているらしい。



天井の鍾乳石。写真ではわかりにくいけどすごくデカイ…。



高校の体育館ぐらいの大きさの広い空間が広がっている。ここに生贄やら土器やらが埋もれているのをガイドが演出をつけながら(ライトを消してコッチに来い、、、とガイドが言いい、言われたとおりに行くと、パッとライトをつけて、そこに生贄の人骨が横たわっていたりする…)説明してくれる。


途中で明かりを完全に消す、というアトラクションもあった。ガイド曰く、あまりに長い時間暗闇の中にいると上下左右の感覚すらなくなって発狂してしまうらしい、、、のだけれど、その話を聞きながら、まさにその暗闇の中に自分たちは居るのだ。そこには目を閉じても開けても同じ限りなく深い闇が広がっていて、ガイドの声がどこか遠のくようにも聞こえて、押し迫るような『闇』の怖さを胃の辺りでずーんと感じた。











なんだかんだで、洞窟の中に3時間以上いた。ジャングルの空気がやたらと濃く、新鮮に感じた。洞窟を出てから一休みをして、一時間歩いて車の置いてある場所まで戻るとナチョスと新鮮なカットフルーツの盛り合わせが用意されていた。ナチョスの塩気とフルーツの甘みがやたらおいしく感じる。やっぱり人間は洞窟にはすめないな、と思った。


祭壇までの水をじゃぼじゃぼ掻き分ける写真がないのが残念だったけど(カメラの防水ケースが必要…)、洞窟の奥にたどり着くまでの探検気分といい、博物館(それもその現場の!)のような広い祭壇といい、カナダ人カップルが言っていたとおり、すばらしいツアーだった。


今手元に資料がなくて、そのツアーの詳しい内容を伝えられないのだけれど、A.T.Mツアー(A.T.Mはその洞窟の名前で「生贄の洞窟」的な意味のマヤ語?の頭文字)という名前だったと思う。サンイグナシオのツアー会社で聞けばすぐにわかる。一人US$70。少々高いですが、かなりお勧めです。興味のある方はぜひぜひ。