カンガルー日 和 ”我々はとりあえず母親カンガルーを探した。父親カンガルーの方はすぐにわかった。いちばん巨大で、いちばん物静かなのが父親カンガルーだ。彼は才能が枯れ尽きてしまった作曲家のような顔つきで餌箱の中の緑の葉をじっと眺めている。残りの二匹は雌だが、どちらも同じような体つきで、同じような体色で、同じような顔つきである。どちらが母親だとしてもおかしくはない。” 村上春樹 『カンガルー日和』より 著者: 村上 春樹 タイトル: カンガルー日和