『ロビンソンの末裔』を読みました。 | 自転車で大陸を越えるブログ

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学生のとき自転車で日本縦断、オーストラリア横断。一旦は就職したものの、会社を辞めて北米縦断。次に目指すは中南米縦断。このブログを通じて自転車で海外を旅する楽しさが、なるべく多くの人々に伝わればイイなぁ…と思っています。

故開高健さんの『ロビンソンの末裔』を読みました。

2歳年上の兄が開高さんのファンだったのでその影響をモロに受け
代表作と呼ばれる小説の大部分は読んでいたのですが、
この『ロビンソンの末裔』は読み残してていた作品の一つでした。
…とはいっても開高さんの著作は膨大な数なので、
読んでいない作品の方がはるかに多いと思いますが…。
(古本屋に入ると「開高健」の欄を必ずチェックしてます)
最近になってやっと『ロビンソンの末裔』の文庫本を古本屋で見つけ、
「うひひ」と喜びながらチビリチビリと読んでいました。

『ロビンソンの末裔』は太平洋戦争終結の最中に
北海道に入植した開拓者(結局は戦争の被災者)
を取り扱った作品です。とても濃い作品でした。
開高さんにしては珍しく「です・ます」口調で書かれていて、
「開拓者日記」風な小説だったので最初は違和感を覚えましたが、
読むうちに慣れてグイグイと小説の世界に引きずり込まれました。

開高さん独特の皮膚感覚で書かれた小説を読んでいると
僕も北海道の痩せて荒れ果てた原野に降り立ち、
凶暴な熊笹を焼き、水っぽいジャガイモのスイトンを食べ、
ガラスの破片のように皮膚に突き刺さる吹雪を全身に浴び、
"拝み小屋"で必死で生きているような気持ちになりました。

あまり(というかまったく)カタルシスを感じることのない
小説でしたが、北海道の自然の凶暴さと人間の生命力の
凄まじさをひしひしと感じることが出来ました。
やっぱり開高さんの小説にハズレはありませんね。



著者: 開高 健
タイトル: ロビンソンの末裔