◇ 代表メッセージ ◇
■□ いじめには加害者がいるんだ □■
各地で梅雨明け宣言がなされています。ここ関東地方でもまもなく
さて、先週、先々週と続けて2校の小学校に行ってきました。
ただ、講演ではなくいじめ被害者の保護者に同行しての学校訪問で
2件共に解決に向かいましたが、キーマンとなったのは「教育委員
そのうちの1件は、いじめ相談員をしてくださっている方のところ
小学生男子のいじめです。
体の大きな男子からいじめを受けて、不登校になっているというも
もともとは仲が良かったのですが、
ある日の被害者の子のテストの点がよかったことがきっかけに
いじめられるようになってしまったというのです。
しかし、問題はここからです。
本人から担任に訴え、さらに母親からも担任に相談すると、
「その子に悪気はないから」
「じゃれ合っているようなものですよ」
それだけではありません。
母親は管理職に相談しようとしたのですが、教頭からは面談を断ら
児童支援コーディネーターを紹介されました。
「話を聞く気はない」という意思表示に見えます。
やや期待はしてたのですが、コーディネーターはとんでもない方だ
家庭の責任、子育ての責任を言い立ててきたというのです。
曰く、
「親が笑っていれば、子供はすぐに元気になるものですよ」
「(子育てにおいて)理想と現実のギャップがあるのではないです
「ご家庭の中に悩みがおありではないでしょうか」
こんな言動を繰り返すばかりで、肝心のいじめについては、
担任もコーディネーターも全く対処しようとしないのです。
「馬鹿なことを言ってんじゃないよ」と言いたくなります。
このメルマガで何度も言ってますが、
「いじめには加害者がいる。
加害者を止めない限り、いじめは止まらない」。
この当たり前のことを認識していない教員にあたってしまったので
こんな状態の中で、お母さんは校長との面談のアポをとりました。
いじめについて相談したいと言っても拒否されるだろうからと、
「息子の不登校について、どのようにしたら学校に復帰できるかご
という体裁で面談の約束をされたのです。
悔しかったことだと思います。
校長先生とお電話をしていて、お母さんが気付いたことは、
「校長先生は、うちの子がいじめられていることを全く知らないん
担任からも教頭からも報告が上がっていないという「隠蔽体質」に
私たちは、このまま面談してもいじめがスルーされることを懸念し
また、第三者である私たちの同席も拒否されるだろうと予測されま
教育委員会に電話を入れることにしました。
ちなみにお母さんからは、教育委員会への相談は検討はしたけれど
教育委員会においてこの小学校を担当している指導主事の先生を電
「このお母さんからご相談をいただいたのですが、少し確認させて
といじめに対しての姿勢について、まずお話を伺いました。
「お子さんが心身に異常を訴えている状態では、重大事態に近いの
「いじめについて加害者を指導しない、叱らないという指導方法を
教育委員会は教師に勧めているのでしょうか」等々、
「いじめ防止対策推進法」やいじめの対処方法について確認をしな
「実は、このようなご相談をいただいておりまして、明日、面談の
お母さんから同行の依頼を受けているのですが、伺ってもよろしい
と教育委員会に申し入れをいたしました。
学校には、当日の朝、再度お母さんから
「いじめから子供を守ろうネットワークの人に付き添いをお願いし
大丈夫ですか」と確認を入れていただいて同行の運びとなりました
お母さんからの報告によりますと、
「了解はいただいたのですが、学校は大慌てしているような雰囲気
教育委員会に電話をいれていただいたのが良かったように思います
当日は、すぐに校長室に案内され
担任、児童支援コーディネーターも同席の上で面談が始まりました
私たち被害者側から学校に伝えたことは
・「いじめには加害者がいる。加害者のいないいじめは絶対に起き
この当たり前のことを認識していますか。
・加害者がいじめをやめようと思わなければいじめは止まらない。
ですから、加害者に自覚を促し、指導していただきたい。
・加害者は叱られていないから、いじめを繰り返す。加害者の保護
家庭ぐるみで、いじめすることは悪いことだと教える環境を整えて
・その上で加害者から被害者に対してしっかりと謝罪させて欲しい
・ただし、「話し合い」をして加害者の言い訳を正当化させるよう
・本人が相談しても放置されたわけですから、本人が登校できるよ
「いじめられない」という確信と、「先生が守ってくれる」という
ですから、担任からも「絶対に守る」という決意と、本人への謝罪
・「家庭の問題」だとか言い出すのは論外の対応であり、責務を果
・また校長がいじめが起きていることを知らなかったのは、
組織としての風通しが悪いことを意味している。
その場合、一つは校長が「悪い情報」を嫌っていると知り、教員が
担当教員が自己保身のためにそうしているという場合が多い。
校長先生には、組織風土を変える決意をお願いしたい。
これに対して、校長先生は
「全くおっしゃるとおりです。全ては私の責任です。
必ず学校に来ていただけるように、私からも息子さんに謝罪させて
と話してくれました。
話をしてみると校長先生の考え方はごくごく真っ当な方で、
いじめの対処方法についても、しっかりとした認識を持っておられ
ただ、外部から人が来ていたり、
教育委員会から指導が入ったことが影響していると思われるので、
もしかしたら取り繕っていただけなのかもしれませんが。
その翌日には、加害者のお子さんと保護者の方からの謝罪がありま
また、担任、教頭、校長先生がそれぞれ息子さんにあやまってくれ
息子さんは安心した様子でしたが、その次の日は疲れ切って寝てい
「現在はまだ保健室登校ですが、休み時間には友達と遊んでいる」
まもなく夏休みに入ります。
コロナ禍の中でオリンピック・パラリンピックもテレビでの観戦と
出かける機会も減っておりますが、
その中でも子どもたちの心が元気になるような夏休みをつくってあ
子どもたち同志が直接に会う機会は減るのですが、
インターネット、SNSのトラブルは気にかかるところです。
何か気になるようなことがありましたら、早めにご相談いただけれ
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワー
代表 井澤一明
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◇ 代表メッセージ ◇
■□ 保護者もGIGAスクール対応を □■
6月にはいりました。
沖縄は梅雨明けが早まりそうですが、こちらではまだ梅雨入りして
緊急事態宣言がでている都道府県もかなりある状況の中で、
私たちの所に入ってくるいじめの相談は例年よりは少なく感じてい
先日、東京の小学校で、高学年の子供たちに向けて、いじめについ
新型コロナの対策のため、大きな体育館の中をいっぱいに使って、
密にならないように座っている子供たちの姿。
学校に通えていることが本当に素晴らしいことなんだと感じます。
この学校では、校長先生自らが、しっかりといじめや不登校の子を
人数も全国平均をはるかに下回っていました。
その校長先生が心配していたのは、中学生になった後のことでした
「幸いにして、この学校ではいじめも少ないのですし、
まじめで先生の言うことをよく聞く子たちが育っているのですが、
中学では人数も増えますし、他の小学校からも集まってきます。
スマホデビューする子も多いので、いじめやトラブルも起きると思
そこを乗り越えられるかと心配になってしまいます」
その心配もわかります。
昨今のニュースでは、中学生がスマホを介してトラブルに見舞われ
小学生、中学生は、まだまだ素直ですので、だまされやすいとも言
GIGAスクールについてこのようなニュースがありました。
名古屋市で、
小中学生に配布したタブレットを一時使用中止にするという内容で
東海テレビによりますと、
使用を中止する理由は、「操作履歴が記録され、個人情報保護の問
市議会の議員から「児童や生徒に目的を明らかにしないまま操作履
市の個人情報保護条例に違反する」との指摘を受けたためというの
ただ、本来、授業に用いるタブレットであり、個人の所有ではあり
個人情報を理由にするだけの根拠にはならないと思います。
間違った操作や、授業を理解しているかどうかを把握するためには
操作記録は大きな役割を担うことになります。
また、授業という本来の目的を忘れて、
YouTube やTicTok にはまってしまったり、
LINE や Twitter などのコミュニケーションツールで
問題が起きたりするなどの危ない使い方になっていないかというこ
操作履歴から確認することもできるでしょう。
親側から見れば、LINEやTwitterの内容までもとってお
学校ではノートや生活の記録など教師に提出して、ハンコやコメン
連絡帳にコメントを書くことは先生としての大切な仕事です。
このノートや連絡帳がタブレットになっただけのことであり、
「個人情報」などと目くじらを立てるほどのことではないように思
世の中は、本当に良くなっているのか、進んでいるのか、やや疑問
「転ばぬ先の杖」とも言いますし、
まだまだ未熟な子供たちを守るための手段の一つとして必要なこと
タブレットの貸与をするにあたり、同意書や注意書きなどの記述も
その中に文章を追加しておけばよいだけだと思うのです。
子供たちを守る方向で、しっかりと検討し、早急に対策をしてほし
いずれにしても一人一台端末が配布されるGIGAスクールは、始
考えてもみなかった問題点や、長所もこれから出てくると考えてお
子供たちの未来に本当に役に立つのか、
あるいは子供たちの成長に貢献できるシステムにするにはどうすれ
全国の先生方の実践事例がたまってきてから、
真価が問われることとなると思います。
保護者としては、子供たちが何をやっているのかを理解したいと思
ですから、欲張りすぎかもしれませんが、
できればタブレットの使い方やアプリについても、アドバイスでき
先ほど、いじめ相談が例年より少ないと述べました。
しかし、相談がゼロというわけでも、いじめがなくなったというこ
例年ですと、いじめが多くなる季節ですので、
子供たちの言葉や行動を優しく見守っていただきたいと思います。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
◇ 代表メッセージ ◇
■□ 教師の責任を問わない日本の闇 □■
今年のゴールデンウィークは、コロナ自粛の環境の中、自宅の近く
子供たちも4月から新学年になり、慣れない環境の中で過ごしてき
五月連休で気分転換できたのではないでしょうか。
オリエンテーションの期間が終わり、学校の授業も本格化してまい
ただ、連休中に残念な事件が起きてしまいました。
5月6日、兵庫県丹波市の林道で女子中学生の遺体が発見されたと
亡くなっていたのは、捜索願が出ていた中2の女子生徒で、
警察は、通報者の23歳の男を死体遺棄容疑で逮捕しています。
「SNSで知り合い、2人で自殺しようと車の中で練炭をたいたが
と供述しているといいます。
「今年度は、一人一台、タブレットなどの端末が配布されるGIG
4月のメルマガ「入学式の春 GIGAスクールが始まる」でお伝えしましたが、
このような事件に接すると、GIGAスクールの運用や生徒指導の
小学低学年からスマホを所有し、学校へのスマホの持込みも認めら
いかに「危ない大人たちからの誘いを断ち切るか」ということが大
したがって、ネットやSNSの情報リテラシー教育は、保護者が積
他にも、スマホやネットの危険性を考えなければならない大きな事
先週のメルマガ「職責と愛情」の中で、清川先生がとりあげていら
事件を取り上げた文春オンライン(https://bunshu
母親の「イジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい
本当にやりきれない事件です。
いじめというよりも明確な「犯罪」です。
文春が取り上げなければ、全国的に知られることもなく「隠蔽」の
先週、今週とこの事件に関連したテレビ局から取材が2件ほど入り
再掲になりますが、被害者と加害者グループが「スマホゲーム」を
エスカレートしていった事件と言えますので、改めて取り上げたい
ここに日本の教育の「闇」が顔をのぞかせいるようにも思います。
文春オンラインを中心に、地元誌「月刊メディアあさひかわ」の記
時系列で事件の経過を下記に示します。
------------
2019年4月 A中学入学。加害者の一人の中3女子と知り合う。その後、中3男
2019年5月初め 母親に「ママ、死にたい……」
2019年4月~6月 母親が担任に4月に1回、5月に2回、6月に1回いじめ相談。と
2019年6月3日 B中学の男子生徒が「裸の動画送って 写真でもいい」等と強要。その後画像がLINEで拡散。
2019年6月15日 加害者グループと近くにいた小学生らに囲まれ多目的トイレで自慰
2019年6月22日 10人以上にいじめを受け、目の前で川へ飛び込む自殺未遂。これ
この後、長期入院、PTSD。
日付不明
加害者の一人を触法少年として厳重注意処分、他の生徒は証拠不十
学校は母親に「わいせつ画像の拡散は、校内で起きたことではない
「加害生徒にも未来がある」と告げた。
日付不明
教頭は、「写真を撮らせてください。すべて調査します」と自身の
その後、「いじめは無い」と連絡。
地元メディアによると、「校長」は警察からの画像削除要請を無視
加害者、被害者双方からの謝罪の場の要求も無視し、
家族や教育委員会に対し「いじめの事実はなかった」「男子生徒ら
市教委からの対応要請も放置し続けた。
警察の捜査後、加害者の所有していた画像は、いったんは削除され
三ヶ月後、
2019年8月29日 B中学校での「謝罪の会」。「私たちは見ていただけ」と。
2019年9月 引っ越し、転校。PTSDで転校先に通うことも出来ず。
2019年9月11日 A中学校での「謝罪の会」。加害者に反省の色なし。
復元された画像の拡散が続く。
2019年9月 地元情報誌に事件が掲載。
2021年2月13日 失踪。
2021年3月23日 遺体で発見
2021年4月15日 文春オンラインが掲載。
2021年4月22日 市長がいじめ調査を指示。
2021年4月26日 国会の決算委員会にて質問、文科大臣答弁
2021年4月27日 市教育委員会が「重大事態」に当たると認定、第三者委員会による
------------
この時系列を読まれて気分を害された方もいらっしゃると思います
申し訳ございません。しかし、ひどすぎる内容なのです。
「写真なんか送らずに、つきあうのをやめて逃げればよかったのに
いじめにより、短期間のうちに、洗脳状態に追い込まれ、
逃げ出すことができないところまで来ていたと考えるべきだと思い
ここまで来てしまっていたら大人でも自力で離脱することはそう簡
母親からの相談に対して、「学校」が真摯に取り組めば、
このような悲惨な結果ならずに解決することはできたはずです。
学校の姿勢を問うべき事件です。
いじめを放置された結果、自殺未遂事件が起き、警察が捜査に乗り
学校は「いじめではない」との姿勢を貫くなど、あり得ない判断を
この強権ともいえる校長の姿勢ですが、
一つの要因として当時の校長が定年を目前に控えていたということ
さらに、推測ですが、市教委はこの校長を指導する力が持たなかっ
教育委員会の担当者よりも高い地位や役職を経験していた場合など
しかも、関わった教師の責任が全く問われていないのです。
ここにも「隠蔽の構造」、つまり日本の教育界の闇の部分が隠され
上記の経過にあるように、2019年夏には、学校側は最終的に、
「わいせつ画像の拡散は、校内で起きたことではないので、当校と
「加害生徒にも未来がある」などと答え、いじめを否定したとのこ
しかし、いじめではないというなら、何だと言うのでしょうか。
一般的には「犯罪」です。
しかも「いじめ防止対策推進法」の第三条は、
「いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての児童等に関係す
児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、
学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨と
定めています。
このように、明確に「学校の内外は問わず」と明記されています。
「学校の外で起きたこと」と言えば反論できないだろうという考え
そもそも「いじめ防止対策推進法」、そのものを読んだこともない
2017年2月に「那覇市でいじめ認知件数が13倍」という報道
この前後から、公立の学校においては、教師、教育関係者が持って
「いじめは隠蔽し、いじめゼロを維持する」という考え方が否定さ
「隠蔽という考えは古い。いじめは、いつでも、どの学校でも、ど
いじめはしっかりと対処する」という考え方が教師の常識になりま
私たちの相談でも、学校に連絡すると解決してもらえる、という事
しかし、この旭川市はいまだに、
「いじめ隠蔽は当然のこと。教師の正しい行動だ」
という認識が通用しているようです。
何が正しくて、何が間違っているのかという善悪の判断を誤ってい
それを恥じない校長、教師が存在すること自体に、力不足、さらに
「教師が隠蔽しても、罰せられない」ことが背景にあり、これが大
「罰せられない」から、「隠蔽する」、しかも教師の逃げに対して
マスコミに出て初めて問題視される。
日本の教育界における信念、モラル、そして何よりも「善悪を判断
これらの大事なことが「闇」に浸食されて、腐ってしまっていると
「教育界の闇」は教師の側にあると言えます。
この「闇」を払拭するためには、「逃げ場」を封鎖することです。
「いじめ防止対策推進法」に、隠蔽する教師への処罰を明確化すべ
そこに時間がかかるのであれば、
まずは、各自治体の教育委員会において「教師の懲戒処分規定」に
いくつかの自治体においては明文化されておりますが、明文化して
あるいは「大阪市いじめ対策基本方針」は、
「本市職員による隠蔽行為に対しては、非違行為として厳正に対処
このように宣言することも一つの方法です。
もし、このメルマガをお読みの方の中に、政治家の方がいらっしゃ
どうかご自身の地元において
「隠蔽する教師は処分する」ということを実現していただけると、
多くの子供たちが助かるはずだと思います。
何とぞ、お力をお貸しいただければ幸いです。
例年ですと、この連休明けから、いじめの相談が増えてまいります
学校に慣れ、学友に慣れてきてたために、遠慮が消え、
思ったことをそのまま口にしてしまったり、乱暴な行動に走ったり
さらに今年からはネットや、SNSが絡んだいじめが多くなりそう
お子さんに「おやっ」と感じたら、保護者の皆様は、お子さんのお
話すだけでも心は軽くなりますし、「守ってもらえるんだ」という
ただ、いじめには加害者がいます。
いじめを止めるには「加害者」を止めなくてはなりません。
このアプローチなくして「いじめ」を解決するのは難しいというこ
ぜひ頭の片隅においておいていただきたいと思います。
何か、気になることがありましたら、早めにご相談いただけました
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
◇ 代表メッセージ ◇
■□ 入学式の春 GIGAスクールが始まる □■
昨日の電車、駅は入学式に向かう親子連れで賑わっていました。
そこはかとない緊張感も伝わってきますが、何よりも希望が溢れて
さて、コロナ禍2年目の新学期を迎えました。
残念ながら、変異ウイルスも蔓延し、おさまる気配をみせません。
保護者の皆様も大変に心配していることと存じます。
また今年度は、公立の小中学校を中心にGIGAスクール元年と言
このGIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクールとは、
「高速大容量の通信ネットワークを整備」して「児童生徒に1人に
教育に取り入れようという文科省の構想です。
新型コロナの影響で、計画が3年も前倒しになったのです。
情報化時代の教育改革ということなんだろうと思います。
やや表現が硬くなりますが、下記に文科省の資料を引用しました。
---------
●児童生徒1人1台コンピュータを実現することで、これまでの我
最先端のICTとのベストミックスを図り、教師・児童生徒の力を
●災害や感染症の発生等による学校の臨時休業等の緊急時における
学びの保障の観点からも、ICTを効果的にフル活用することが重
●ハード面の整備だけでなく、ソフト・指導体制を一体とした改革
---------
とあります。ちなみに、
ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術のことです。
2021年3月に文科省は「GIGAスクール構想の実現に向けた
全国で97.6 %、1,769自治体が2020年度内に納品を完了するとしてい
ということですので、もうすでにタブレットやパソコンという端末
今年度、端末という「物」は与えられます。
しかし、どのように使って、目標とすべき成果はどうあるべきでし
本当に子供たちは良くなるのかについては、手探り状態でしかない
新型コロナの影響で、いきなり前倒しされた「1人1台」です。
教師自身が使いこなせていないのが現状です。
「日進月歩の中で何年間使えるのか」、「充電は?」、「通信でき
「アプリを消してしまったらどうする」、「落として液晶が割れた
全てを先生が対応することになります。なんか怖いですね。
ましてや授業でどのように応用していくか、お手上げ状態の先生も
インターネット、特にSNS系のラインやツイッター、インスタグ
毎日のように報告されています。
誘拐や性犯罪、ときには死亡事故、その背後にネットが関係してい
いじめにおいても、パソコンやスマホ等による、
誹謗・中傷、写真や動画の拡散などなどのいわゆる"ネットいじめ
前年度よりも1,590 件増えて1万7,924 件を数え、過去最多と報告されております。
このタブレット、あるいはパソコンという「道具」が小学一年であ
保護者としてはどのように受け止め、対応すべきか、考えなければ
ネットは24時間、口を開けて何かのアクションを待ち続けていま
ツールとしては便利ではありますが、別の意味では「罠」と捉えて
ネット対策の基本は「自分の身は自分で守る」ことです。
ですから、このネットの罠にはまらないようにするには本人と家族
確かに、教師や学校、さらには警察という外部の力もありますが、
このような組織を頼ることも必要なことも出てくるでしょう。
しかし、あくまでも基本は「自分」と「家族」です。
今回のメルマガでは気にしておくべき点を4点ほどお伝えしておき
1点目は、子供に情報教育を教えられるか、質問に答えられるかと
教師にばかり任せるわけには行かないはずです。
宿題であったり、復習や予習など子供たちは保護者に質問してくる
ですから、子供たちがと一緒に学ぶ必要性が出てくるかもしれませ
保護者としては、端末の使用方法はもちろん、ネット上のコンテン
そして2点目としては子供たちが危険にさらされる可能性は高くな
保護者が高校まではスマホを持たせないと頑張っていても、
「学校」が強制的に配布してしまうのです。
端末の中だけで完結するような使い方は少ないはずです。
インターネットに接続し、動画を見たり、情報を集めたり、
ネット経由で話し合いをしたりするでしょう。
学校だけでなく家でも欲しくなります。当然ですよね。
となれば、子供たちがどのように使うかとか、どのような危険に身
したがって、ネットやSNSを使用することによる危険性や罠につ
子供たちを守るための対策を立てておくことが必要だと思います。
「フィルタリングしておけば良い」というだけでは抜け穴が生まれ
さらに、3点目としては、万が一、子供がトラブルに見舞われた場
情報を収集しておいてください。
どの対応ができて、どの対応はできないのか、知っておくことです
特に「デジタルタトゥー」と呼ばれるように、
一度流れ出てしまった情報の中には、消すことが「不可能」と思わ
そして4点目、一番大切になるのが、使い方についてお子さんと共
一般的ではありますが、使い方のルールを決めておくことから始ま
危険性の認知や、単に被害者なる可能性だけでなく、
加害者になる危険性もあることについての教えること、
さらには、過干渉になりすぎずに子供たちを成長させるにはどうす
本人がSOSを出さないと見つけられにくいということもネットの
トラブルになっても初期のものであれば大事にはなりにくいもので
日頃から「困ったら相談してね。内緒にしなくていいから」という
理解させておくことを心がけていただきたいと思います。
蛇足になるかもしれませんが、もう一点、付け加えておきたい点が
ネットで情報収集は便利です。
短時間で情報が集まってきます。
しかし、その情報が事実、真実であるかどうかの判定が難しいので
特に教育で使用される場合、すぐに発表なり提出が求められること
したがって集めた情報を検証する機会はほとんどないでしょう。
それらの情報は子供たちの体験、経験にまで昇華することもほとん
それゆえ、GIGA教育で知恵が生まれる機会もそう多くはないは
したがって、「よく考える」という時間を創り出し、
「本物とは何か」を見る目を養ってあげることも保護者として気に
GIGA教育、これで「教育」は良くなるのでしょうか。
いじめは減るのでしょうか。道徳心はあがるのでしょうか。
知力も体力もあがるのでしょうか。
新たな「何か」が生まれてこないと
教師も保護者も大変になるだけ、子供たちもネットが使えるように
明治維新の「松下村塾」に負けないような教育が生まれるのでしょ
考えなければなりません。
なお、ネットの安全な使い方を文科省が提示しています。
動画もありますので、一度チェックしておくと良いと思います。
アドレスは、
https://www.mext.go.jp/a_menu/
さあ、新学期が始まりました。
早々に起きるいじめは少ないはずですが、何が起きるかわかりませ
なんらかの兆候や不安がございましたら、ご相談いただければ幸い
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
◇ 代表メッセージ ◇
■□ 一部では、悪質さを増す「いじめ隠蔽」 □■
うぐいすが鳴く朝を迎えるようになりました。
早咲きの桜もちらほら目にするようにもなり、春を感じられる季節
2021年2月13日の産経新聞のネットニュースに、
保育園児が「いじめ防止対策推進法」を盾にとっていじめの調査を
「大津市の市立保育園に通う6歳の園児が約1年半、ほかの園児か
市や園側も認めたにもかかわらず、
いじめ防止対策推進法の対象に園児が含まれていないことから、
十分な調査が行われない事態が続いている」という内容です。
園児は体は「男の子」だが、心は「女の子」という性自認を持ち、
こうした行動をきっかけにほかの園児から「おとこおんな」「うそ
一昨年の5月ごろから毎日のように暴言や暴力をふるわれるように
母親は園長や担任に相談したが、園は加害園児について
「成長過程で、今学んでいるところ。じゃれあいだ」
「『もやもやしているから』など暴力にも理由がある」と繰り返し
本人が直接いじめ被害を訴えても対応しないどころか、
「対応しないことは正しい」と主張していたものです。
先般、「学校の対応が変わってきた。いじめに対処することが当然
保育園には、善悪を明確にせずに、隠蔽する、逃げるという闇が残
いまだに私たちのところに寄せられる相談でも、解決しにくい組織
昨年の9月には、大津市のいじめ対策推進室は「いじめである」と
その際には、市幼児政策課に助言をしたようですが、残念なことに
いじめ防止対策推進法の対象が小学生以上であることを主張し、
調査や報告もせずに、行為について「いじめには当たらず、園の対
とんでもない主張をしていたと報道されています。
自分たちの管轄以外には「口を出すな」というセクショナリズムが
大津市を覆っているようです。
「眼の前で苦しんで助けを求める子」を放置することが、「何一つ
大人として、教育者として「恥だ」と感じないのでしょうか。
大津いじめ自殺事件を起こした大津市であるがゆえに
全国を率いて、お手本となるべきであろうと思うのは私達だけでし
もうすでに、2011年の事件を風化させようとしているようにも
大津市は、外面だけを整えて「やってるふり」をしていると言われ
何故かはわかりませんが、昨年11月に、突然、
市や園は、いじめを認め、対応について謝罪したとも伝わっていま
園が独自にまとめた報告書について、母親は
「子供が危険な状態になってから認めても…失われた時間は取り戻
と語っているとのことです。
このニュースを読むと、「隠し通せなくなった」ので認めたという
情けない限りです。しっかりと丁寧に調査をし、市としての対応を
別の事件ですが、2月18日の文春オンラインによりますと、
2016年9月の兵庫県加古川市の中2の女子生徒のいじめ自殺事
2月10日、神戸地裁姫路支部で初めての口頭弁論が開かれました
この事件で、加古川市の学校や教育委員会が
「法的責任はない」と言い張っているという報道がありました。
本人や友人が再三にわたって教師にいじめを訴えていたにもかかわ
学校側は「ただの生徒間のトラブル」と無視していただけでなく、
事件後、生徒たちが書いたいじめのメモをシュレッダーし、報告も
さらに今年1月、メモのシュレッダー廃棄が明るみになった後も
学校側は「廃棄したかは答えられない」と事実を伏せたままです。
加えて、第三者委員会の生徒への調査に対し、
学校側は調査を受けた生徒を呼び出し、何をしゃべったかを聞き回
子どもたちに「恐ろしい」と感じさせる行動です。
しかも、文春オンライン編集部が加古川市教育委員会に質問状を送
教育委員会は隠蔽と圧力を否定し、
「メモは副顧問が廃棄したが、話し合いでAさんと他の部員との関
いじめを隠蔽しようとしたものとは認められません。
第三者委員会の調査について生徒に聞き回ったという事実自体、市
学校関係者からの聞き取りであり、圧力という表現は極めて心外で
これを隠蔽行為ではないと言い切れるこの姿勢に呆れ返ってしまい
さらに、裁判に際して、市教委は
「調査から得られた事実や過去の裁判例などに照らせば、市側に法
岡田康裕市長も、
メモの廃棄を「理解できないことではない。紛失も廃棄も大差ない
と隠蔽行為を問題視しない姿勢を見せているとのことです。
2件のニュースを見てきました。
いじめを許さない学校が増えてきている反面、
いじめ隠蔽する学校では、学校のみならず自治体、教委ぐるみで隠
現代の学校に必要なものは「善悪のけじめ」をつける姿勢です。
それは何よりも「教師」に求められているのです。
教員同士の庇い合い、傷の舐め合いではなく、武士道にも似た責任
教師が、組織の論理に振り回されず、善悪を明確できる人であって
児童生徒から信頼される「師」であり「先生」となれるのだと思い
私たち保護者も学校における「善悪」が全うされているかどうかを
まもなく春休みです。
卒業式、入学式、希望あふれる新学期。
コロナ禍におりますが、子どもたちには素晴らしい学校生活を送っ
新しい学年の始まりにあたって、気になることがありましたら、ご
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明