表題の映画は、1970年代に作られたロードムービー。
  主演にジーン.ハックマン、アル,パチーノという豪華なダブルキャスト。
  話はやたら疑り深く、ケンカっ早いハックマン演じるマックスが6年の刑期を終え出所したところに、自ら道化を演じて場を和ませるパチーノ演じるライオンと偶然に出会い、それぞれの目的地、デトロイトとピッツバーグへの旅を共にするという話。


  最初の出会いがいい。タバコを吸いたいが火のないマックスにライオンが火のを分け与えるシーン。


   これだけのことなのだが、疑ぐり深いマックスはライオンを信用してしまう。

  性格的に正反対の二人、その道中ドタバタしながら、お互いにないものに惹かれてゆく様子が自然に描かれている。なんでかわからんが、この時代あたりから、二人の男の友情を描いたロードムービーが出てきて、この映画もそのうちの一つだと思う。(ってそこまで詳しくはないが)

  ライオンが宇宙服を着ながら、飲み屋で一緒になった連中を引き連れてパレードしたり、俺も人を楽しませることができるんだぜと、マックスが飲み屋でストリップをしたり、途中寄ったマックスの妹の家で出会った彼女の友達フレンチーがやたらセクシーだったり、見所はたくさん。





  あと個人的には下の写真の男は面白いエピソードだと思っているので、紹介を。


  この男、リチャード.リンチという役者の演じるライリーという男。
  マックスが飲み屋でケンカ、ライオンも共犯になってしまい、刑務所へ。
  そこの牢名主で、刑務作業を仕切ってる男である。



  ストレートでケンカっ早いマックスは嫌われてくさい仕事、物事を丸く収めるライオンは好かれて楽な仕事が回る。

  ライオンはそれを恩にきるわけでもなく、ごく普通に付き合っていたが、ライリーは腹に一物持ってたわけで。

  ある晩、ライリーが隠れて調達した酒で大いに盛り上がる二人。

  散々馬鹿っ話をしていたと思うと、急に思い詰めたようなものかなしい顔付きをするライリー。その顔が写真である。

  泣きそうな顔で、わかるだろ?
ライオンは全く思い当たる節がない。

  俺はあと数年ここにいなくてはならない。
  おまえがここにいる間は不自由させない、などと、濡れた瞳で口説きにかかるわけ。

  なんというか、溜まった性欲の処理に困りはてて、子犬のように媚を売る演技がこれほどハマってる役者はほかに知らない。
  それがちょうど写真の顔つきです。
  微妙な期待感と困ってる感が入り混じった。
  本人は困ってるやろうけど、周りはそんなん知らんわみたいな。

  さすがにやばいと思ったライオン、後ずさりしながら、ライリーをなだめようとするものの、酒の勢いも手伝って、暴走してしまい止めようがない。
  自分の股間を何とかライオンに押し付けようとするのだが、それが叶わないと分かると、一転ライオンを殴る、蹴るのやりたい放題。

  なんにしろ、身体の大きさがライリーの方が一回り、ふた回り大きく、殴られっぱなしのライオン。

  ライリーの哀しさと狂気の際立ちが忘れられないそんなシーンであった。


  この後、マックスはライリーを打ちのめし、一か月ほどの刑期を終えて出所する。


  この辺りからマックスとライオンの心のあり方が、逆転する。
  ライオンの子供に会うためデトロイトに出向く二人。  
   今までの道化ぶりから打って変って、妙に緊張の面持ちのライオン。
   ライオンは好きだった女性との間に子供が生まれた後、忽然と船乗りになって、世界を旅していたのだ。
   何故そうしたのかわからない。ただ、子供が生まれることによって生じる様々な拘束から逃れるため、姿を消してしまったようだ。
   なので、どうしても後ろめたい。
   思いを振り絞って電話したところ、女性の前で遊ぶ子供の姿。
  しかし彼女は子供は死んだから来ないでくれと拒絶する。
  それを聞いて気が動転するライオン。
  マックスの手前、子供と会話できたと明るく振る舞い、嘘をつくが、噴水広場で子供達と遊び相手になってる時、彼の心のコップから、悲しさが溢れ出てしまう。
  子供と戯れてるものの、やり切れなさから、噴水に身投げしたり。
  異常に気づいたマックスが止めに入るのだが、ライオンは精神錯乱の、状態に陥り病院へ。

  前半、疑ぐり深いマックスは、ライオンに人を笑わせることを教えてもらっていた。そして、マックスは人とコミュニケーションをとることが大切ということを学んだのだ。
   それに対し、彼が取った行動は。
   カーウオッシュの店をピッツバーグで開くとライオンに夢を語っていたマックス。ライオンを相棒にしたいと言っていた。刑務所時代、開店資金は溜めていた。
   その夢を叶えるため、それ以上にライオンを助けるため、店の開店資金を使い、ピッツバーグにライオンを転院させようと無償の行為を行うマックス。ラストはピッツバーグ行きのバスの切符を購入するところで映画は終わる。
    マックスの行動が妙に清々しく、友情ってなんやろと考えさせる映画でもありました。