おはようございます!

 

本日は、クレーン・建設車両系の安全管理に関する法令問題です。

最も、出題率が高い法令問題なのでしっかりと学習しましょう。

 

H16年度出題

土木工事の施工において、移動式クレーンの配置・据付にあたっての留意点を三つ解答欄に簡潔に記述しなさい。

この問題は一番スタンダードな出題です。

近年は5つの回答を求められますので、5つ以上を暗記してください。

 

(1)  作業範囲内に障害物がないことを確認する。

(2)  転倒する恐れのある場所では、移動式クレーンを用いて作業をしない。

(3)  地盤の支持力が不足する場合は、転倒しないよう地盤の改良、鉄板等により補強する。

(4)  アウトリガーの張り出し幅に応じた定格荷重を確認する。

(5)  アウトリガーは最大限に張り出す。

(6)  旋回範囲の制限を遵守する。

(7)  運転開始からしばらくの時間経過後、アウトリガーの状態を点検し、異常があれば修正する。

 

 

H18年度の出題は、据え付け、設置に対する条件が付けられた問題です。

次の2つの作業条件における、移動式クレーン作業の安全措置について、それぞれ解答

欄に簡潔に記述しなさい。

 

① アウトリガーを設置する地盤の支持力が不足する場合

 

アウトリガーを設置する地盤の支持力が不足する場合は、敷鉄板・枕木等などを敷設し、地盤反力を確保する。

 

② 作業範囲内に架空電線の障害物がある場合

 

作業範囲内に架空電線などの障害物がある場合は、安全な離隔距離を確保するか、感電事故防止のため、電線に絶縁用防護具を設置する。

 

 

H20年度の出題はイラスト入りの車両系建設機械の問題です。

イラストを見て、重要度が高いものを書く事が高得点の秘訣です。

 

油圧ショベルの掘削,積込み作業時における潜在している危険又は有害要因を2つあげ、その防止対策をそれぞれ解答欄に簡潔に記述しなさい。

 

(1)  油圧ショベルのバケット旋回範囲内にトラックの運転席があり接触の危険因子がある

運転席上部をバケットが通過しないようにする。

 

(1)  地山が掘削で緩み油圧ショベルの転落の危険因子がある

掘削面から出来るだけ遠くに油圧ショベルを配置し、転落防止に努める。

配置が困難な場合、掘削面に対してクローラーを直角に配置することで崩落対しに対応しやすい。

 

H21年度は移動式クレーンに関する穴埋め問題が出題されています。法令問題は、複数回答が存在しませんので正しい語句を覚えて下さい。

 

移動式クレーンの作業に関する、次の文章の(イ)~(ホ)に当てはまる適切な語句を解答欄に記入しなさい。

 

(1)  移動式クレーンの選定の際は、作業半径、つり上げ荷重・フック重量を設定し、(イ)図で能力を確認し、十分な能力をもった機種を選定する。

(2)  送配電線類の近くで作業する場合は、移動式クレーンの接触による感電災害を防止するため、送配電線類に対して安全な(ロ)距離を保ち作業を行う。

(3)  移動式クレーンを設置する地盤の状態を確認し、地盤の支持力が不足する場合は、移動式クレーンが転倒しないよう地盤の改良、鉄板等によりつり荷重に相当する(ハ)が確保できるまで補強した後でなければ移動式クレーンの作業を行わない。

(4)  移動式クレーンの機体は水平に設置し、(ニ)は、最大限に張り出して作業することを 原則とする。

(5)  玉掛け作業を行う場合は、移動式クレーンのフックをつり荷の(ホ)に誘導し、2本4点半掛けつりでは、つり角度は原則として60度以内とする。

 

 

(イ)

(ロ)

(ハ)

(ニ)

(ホ)

性能曲線

離隔

地盤反力

アウトリガー

重心

 

H22年度は移動式クレーンの据え付けに関する問題ですが、条件を求められた設問です。

18年度より少し難易度が上がってます。

 

労働安全衛生法上、事業者が移動式クレーンの転倒を防止するため、移動式クレーンの据付け時に現場で考慮すべき項目とその対策を各々2つ解答欄に記述しなさい。

ただし、移動式クレーンの作業前点検項目を除く。

 

項目:地盤の支持力対策        

障害物を取り除き、設置面を水平に整地して敷鉄板の設置をしてアウトリガーを、最大限に張り出して作業をする。

 

項目:定格荷重・クレーン能力

定格荷重表を確認して、ジブの長さ、作業半径、吊荷の重量を確認後に作業を行う。また、リミッター機能付の機体の場合は、リミッター装置の警告ランプが点滅しない事を確認しながら作業を行う。

 

 

H23年度の設問は、車両系建設機械に関する災害を防止問題です。

 

車両系建設機械による接触・挟まれ・巻き込まれ災害を防止するため、労働安全衛生法に基づき事業者が実施すべき事項を5つ解答欄に記述しなさい。

 

(1)  あらかじめ作業に応じた適正な制限速度を定め作業を行わせる。

(2)  事前に運行経路を定め、路肩の崩壊を防止する等の措置を講ずる。

(3)  転倒又は転落による危険が生ずる恐れの時は、誘導者を配置し、その者に建設機械を誘導させる。

(4)  誘導、作業時の合図を統一して定めておく。

(5)  建設機械に接触する危険が生ずる恐れのある箇所には、作業区画を設け関係者以外の立入禁止の措置をとる。

(6)  その日の作業を開始する前に、ブレーキ及びクラッチ等の機能について点検を行う。

(7)  運転席を離れる場合、原動機を止め、ブレーキ、旋回等のロックを必ず掛けておくこと。

(8)  機械の主たる用途以外の作業で使用しないこと。

 

 

H25年度は、車両系建設機械とは書いてはありませんが、ここで抑えておきましょう。

下記の現場条件で工事をする場合、(1)、(2)のいずれかを選びその施工時の安全上の留意点を2つ解答欄に記述しなさい。

 

近年の出題から5つ抑えておいて下さい。

(1)  地下埋設物に近接する箇所で施工する場合

(ア) 埋設物の補強、移設、防護、埋戻方法等について発注者、及び埋設物管理者と事前協議をする。

(イ) 施工に先立ち、埋設物台帳と設計図を照らし合わせて、確認の上で試掘を行い、埋設物を埋設物管理者と共に目視にて確認する。

(ウ) 地下埋設物の近接作業方法について作業員に周知する。

(エ) 地下埋設物の破損や作業員に危険の恐れがある時は、手掘りにて掘削する。

(オ) 試掘により確認した埋設物の位置や地質状況は、道路管理者及び注文者へ報告する。

 

(1)  架空線に近接する箇所で施工する場合

(ア) 架空線等上空施設については、現地調査を実施し、種類、位置等を管理者に確認する。

(イ) 架空線等上空施設に近接して工事を行う場合は、防護を行い、その管理者に施工方法の確認や立会いを求める。

(ウ) 建設機械等のブーム、ダンプトラックのダンプアップ等により、接触・切断の危険性がある場合は、必要に応じて立入禁止措置を講じる。

(エ) 架空線等上空施設に近接した工事の施工にあたっては、架空線等と機械、工具材料等について安全な離隔を確保する。

 

 

H26年度は穴埋め問題です。

こちらも複数回答は存在しないので正確に語句を覚えて下さい。

 

労働安全衛生法令に定められた車両系建設機械を用いた作業に関する次の文章の(イ)~(ホ)に当てはまる適切な語句を解答欄に記入しなさい。

(1)  事業者は、車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、車両系建設機械の(イ)又は転落による労働者の危険を防止するため、当該車両系建設機械の運行経路について路肩の(ロ)を防止すること、地盤の(ハ)を防止すること、必要な(ニ)を保持すること等必要な措置を講じなければならない。

(2)  事業者は、路肩、傾斜地等で車両系建設機械を用いて作業を行なう場合において、当該車両系建設機械の(イ)又は転落により労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、(ホ)を配置し、その者に当該車両系建設機械を誘導させなければならない。

 

 

(イ)

(ロ)

(ハ)

(ニ)

(ホ)

転倒

崩壊

不同沈下

幅員

誘導員

 

 

H27年度はイラスト入りの問題です。

イラストから判断される優先順位が高いものを選んで書く事が高得点の条件と言えるでしょう。

土工で学習した設問ですがもう一度お浚いしましょう。

 

油圧ショベルで地山の掘削作業を行っている現場状況である。

この現場において予想される労働災害とその防止対策について、労働安全衛生規則に定められた事項をそれぞれ2つ解答欄に記述しなさい。

 

予想される労働災害 = 油圧ショベルの転落

(1)  非常の際に対応できるようにクローラーの向きを法面に対し直行方向とする

(2)  法面の浮石は取り除く

(3)  前照灯を取り付ける

(4)  湧水の対策を取るまで作業を中止する

 

予想される労働災害 = 油圧ショベルバッケットとの接触

(1)  適切位置に誘導員を配置し作業を行う

(2)  バケットの旋回範囲内に点検者等を立ち入らせない。

 

予想される労働災害 = 作業員の転落災害

(1)  昇降設備の整備

(2)  掘削法面への囲い手摺等の設置

 

H28年度のイラスト入りの問題です。

イラストから判断される優先順位が高いものを選んで書く事が高得点の条件と言えるでしょう。

こちらも土工で学習した設問ですがもう一度お浚いしましょう。

 

下図は,移動式クレーンで仮設材の撤去作業を行っている現場状況である。この現場において安全管理上必要な労働災害防止対策に関して,「労働安全衛生規則」又は「クレーン等安全規則」に定められている措置の内容について2つ解答欄に記述しなさい。

 

5つの回答を求められる場合があるため5つ抑えましょう。

 

(1)  運転者及び玉掛者が定格荷重を常時知ることができるよう、表示を行う。

(2)  転倒を防止するため、転倒防止強度を有する鉄板を敷設し、その上に移動式クレーンを設置する。

(3)  アウトリガーを最大限に張り出し、作業を行うこと。

(4)  一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせる。

(5)  強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、作業を中止する。

 

H29年度の車両系建設機械に関する穴埋め問題です。

車両系建設機械による労働者の災害防止のため、労働安全衛生規則の定めにより、事業者が実施すべき安全対策に関する次の文章の(イ)~(ホ)に当てはまる適切な語句を解答欄に記述しなさい。

 

(1)  車両系建設機械の転落、地山の崩壊等による労働者の危険を防止するため、あらかじめ,当該作業に係る場所について地形、(イ)の状態を調査し、その結果を(ロ)しておかなければならない。

(2)  岩石の落下等により労働者に危険が生ずるおそれのある場所で、ブルドーザやトラクターショベル、パワーショベル等を使用するときは、その車両系建設機械に堅固な(ハ)を備えていなければならない。

(3)  車両系建設機械の運転者が運転位置から離れるときは、バケット、ジッパー等の作業装置を(ニ)こと、また原動機を止め走行ブレーキをかける等の措置を講ずること。

(4)  車両系建設機械の転倒やブーム、アーム等の作業装置の破壊による労働者の危険を防止するため、構造上定められた安定度、(ホ)荷重等を守らなければならない。

 

下記の回答以外は不正解となる可能性が高いので正確に覚えて下さい。

 

(イ)

(ロ)

(ハ)

(ニ)

(ホ)

地質

記録

ヘッドガード

地上に下す

最大使用

 

 

R元年の車両系建設機械に関する穴埋め問題です。

 

車両系建設機械による労働者の災害防止のため、労働安全衛生規則の定めにより、事業者が実施すべき安全対策に関する文章の(イ)~(ホ)の当てはまる適切な語句を解答欄に記述しなさい。

 

1. 車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、運転中の車両系建設機械に(イ)することにより労働者に危険が生じるおそれのある箇所に、原則として労働者を立ち入らせてはならない。

 

2. 車両系建設機械を用いて作業を行なうときは、車両系建設機械の転倒又は転落による労働者の危険を防止するため、当該車両系建設機械の(ロ)について路肩の崩壊を防止すること、地盤の(ハ)を防止すること、必要な幅員を確保すること等、必要な措置を講じなければならない。

 

3. 車両系建設機械の運転者が運転位置を離れるときは、バケット、ジッパー等の作業装置を地上に下ろさせるとともに、(ニ)を止め、かつ、走行ブレーキをかける等の車両系建設機械の逸走を防止する措置を講じさせなければならない。

 

4. 車両系建設機械を、パワーショベルによる荷の吊上げ、クラムシェルによる労働者の昇降等当該車両系建設機械の主たる(ホ)以外の(ホ)に原則として使用してはならない。

 

 

(イ)

(ロ)

(ハ)

(ニ)

(ホ)

接触

運行経路

不同沈下

原動機

用途

 

R01年度出題

移動式クレーンで土止め支保工に用いるH型鋼の現場搬入作業を行っている状況である。

この現場において安全管理上必要な労働災害防止対策に関して「クレーン等安全規則」に定められている措置の内容について2つ解答欄に記述しなさい。

 

基本的に設問は他の年度と同様なので下記を5つ抑えましょう。

また、イラストにそぐわないものは書かない事。

R3年も類似の設問なので同様の回答で正解できます。

 

(1)  運転者及び玉掛者が定格荷重を常時知ることができるよう、表示を行う。

(2)  転倒を防止するため、転倒防止強度を有する鉄板を敷設し、その上に移動式クレーンを設置する。

(3)  アウトリガーを最大限に張り出し、作業を行うこと。

(4)  一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせる。

(5)  強風、大雨、大雪等の悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、作業を中止する。

 

R02年度出題

建設工事現場における機械掘削及び積込み作業中の事故防止対策として、労働安全衛生規則の定めにより、事業者が実施すべき事項を5つ解答欄に記述しなさい。

 

下記から5つ記載

(1)  あらかじめ作業に応じた適正な制限速度を定め作業を行わせる。

(2)  事前に運行経路を定め、路肩の崩壊を防止する等の措置を講ずる。

(3)  転倒又は転落による危険が生ずる恐れの時は、誘導者を配置し、その者に誘導させる。

(4)  誘導、作業時の合図を統一し定めておく。

(5)  運転席を離れる場合、原動機を止め、走行ブレーキを掛け、歯止めを掛ける等の逸走を防止する措置をとる。

(6)  建設機械に接触する危険が生ずる恐れのある箇所には、作業区画を設けその中へ関係者以外の立入りを禁止する措置をとる。

(7)  機械の主たる用途以外の作業で使用しないこと。

(8)  機械を用いて作業を行う場合は、定められた最大使用荷重以上の負荷を掛けてはならない。

 

一応これだけ抑えれば移動式クレーン・車両系建設機械の設問は大丈夫だと思います。

 

では、次回は掘削等に関する法令問題を学習しましょう。