「この八百長野郎!!!」
この発言をしたのは、元横綱の北尾光司だ。
プロレス界では「八百長」はタブーであった。
かつて、新日本プロレスの社長兼エースのアントニオ猪木が客席からの「八百長」のヤジに怒り、その観客をつまみ出したのは有名な話。
1980年代半ばには、初代タイガーマスク(佐山聡)が「ケーフェイ」という著作で「プロレスはリアルファイトではない。」と書いていた。
ケーフェイ/佐山 聡
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1990年代になり、髙田延彦が「泣き虫」という本で格闘プロレスは格闘技テイストのエンタメだったことを暴露。
(この本は読んだことがないですが、プロレスを貶めて総合格闘技を賛美していたそうです。)
泣き虫/幻冬舎
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2000年代には元新日本プロレスレフェリーのミスター高橋の「流血の魔術」では、プロレスの勝敗について書いてあります。
この暴露本が、プロレス衰退の一因と言う人がいます。
当時は、格闘系プロレスラーは総合格闘技に駆り出され惨敗続き。
アメリカではエンタメ路線でWWEが独り勝ち。
「プロレス=リアルファイト」の幻想を壊した名著です。
タイミングとしては良かったと思います。
流血の魔術 最強の演技 (講談社プラスアルファ文庫)/講談社
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幻想が壊れたからこそ、自由に何でも出来ます。
特にアントニオ猪木の掲げたストロングスタイルの呪縛からいち早く逃れた新日本プロレス。
一方、格闘プロレスを追い求めるアントニオ猪木は、IGFを旗揚げました。
最近では、全日本プロレスの新オーナーが
「ガチンコ」「セメント」「八百長」って言葉が使い、再びそれらの言葉がクローズアップされてきました。
さて、「プロレスは八百長」ってどうなんでしょう???
そもそも、八百長ってリアルファイトだから起こるんじゃないかな。
サーカスや社交ダンスを観て八百長とは言いません。
「ガチンコプロレス」って言葉もありません。
恋愛映画でリアルなラブシーンをしろと言ってるようなもんです。
そんな話は、プロレス専門誌はもちろん、ファンもみーんな知っています。
全日本プロレスの社長や武藤敬司は新オーナーにプロレスというものを何処まで話しているんでしょうか?
腫れ物に触るような対応のマスコミ。
業界を貶める言動の老舗団体新オーナーに眉を顰める選手。
空気を読めずに、業界を変革したい新オーナー。
全日本プロレスに注目です。