さてさて、いよいよドラマを作り始めてみたものの膨らんでいくイメージに制作自体が追いつかない。

「台本って何?」

僕たちのドラマ作りはその段階からのスタートだった。

もちろん、監督はドラマに関して膨大な知識がある。

mamochi.filmの監督は数々の地上波ドラマや映画に出演経験のある元俳優で、そこには絶対的な信頼をおいていた。

どちらかといえば、監督と僕を含めたその周りの知識量の差が問題だった。

監督以外はドラマ制作の何たるかを全く知らない。

だから制作はおろか、話についていくことすら難しい。

そんな中、無理やり制作を進めて段々分かってきた。

『1作品目から100%は無理だ』

ある程度見切りをつけて始める。

最初から上手くいかなくても、何なら全然ダメでも、まずは制作過程を経験することから始めることにした。

そこからの展開はわりと早かった。

台本を作って、出演者に声をかけて、台本読み合わせをして撮影の手順。

とりあえず先のことは考えないで、まずはやってみる。

何かを挑戦するという点でとても大切なことだった。

そして順調かと思われていたドラマ制作。

撮影直前の台本読み合わせ前に、とでもない問題が発生した。

もともと関わりのあったカメラマンが突然音信不通に。

当時は「最悪スマホでも動画撮る機能自体はあるし、このまま進めても平気かな」と思っていたけど、これが今考えるとかなりの大問題だった。

いくら演出は監督がいるからと言っても、経験のない僕がスマホのクオリティで撮影なんてことをしたらとんでもない作品が出来上がっていたと思う。

今考えると本当にゾッとするくらい。。

とにもかくにもカメラマンは欲しい。

最悪スマホでも続行するけど、カメラマンは探さないと。

急いで《撮影機材を持っていて、経験もあって、スペックも熱量も高い人》を探した。

残された時間は多くて3日。

3日で天才を探そうとしてる時点で結構無茶してるけど、そんなことも気づかずに過去の連絡先やトーク履歴を遡りあらゆる人脈を探った。

「そんな神様みたいな人見つかるわけないよなぁ。」と思いつつも、心あたりのある方はいた。

でも、めっちゃギター弾いてる。

「絶対カメラじゃない。でもでも、インスタにあげてる投稿の画質綺麗だし、なんか編集も凄そうだし、毎日投稿してるし、スペックも熱量もワンチャン…」

ダメもとで連絡を送ってみた。

『動画撮影の方もやられてましたか?』

『撮影もたまにしてます!』

僕は神様を見つけてしまった。

このタイミングでこの返答は、まだ誘ってもいないのにもう勝った気でいた。(すみません笑)

早速1作目からのカメラマンをお願いすると、協力して頂けることとなった。

話は前後しますが、このカメラマンが前の記事の《できないことを探す方が難しい超優秀カメラマン》です。

これで無事スマホクオリティから脱却し、何ランクも上の撮影ができる。

ホッとしすぎて何の力も入らなくなったあの感覚を半年経った今でも覚えているくらい。

そしてこの出会いは、のちの僕の人生の中でとても大きな意味を持つ出会いとなった。

それはもう少し後で記事にしようかな。

次の記事では、いよいよ撮影本番の話に入っていくよ。

無理矢理にでも進めたドラマ制作。

本番はどうなる??