1月下旬。僕は前職の芸能事務所を辞め、貯金を切り崩す生活が始まった。


サッカーを辞めた僕にとって芸能は第二の人生そのものだった。


父も母もその上もそのまた上もみんな芸能に携わってきた人間。


言わば芸能一家に生まれた僕は芸能に興味が出るのもなんの不思議もなかった。


僕はよく夢を描く。


こんな風になりたい、あんなことしたいと。


そんなことを周りに言ってみると、年齢を重ねていくごとに笑われるようになった。


気づけば周りには夢を語れない挑戦者で溢れていた。


芸能事務所ではそんな役者や歌手を救いたかった。


それでも結局立ちはだかるのは大人の力。


この作品に出すには、あのイベントに出すには、全てお金か権力が働いていた。


このまま芸能事務所にいても救える挑戦者の数には限りがある。


そう思って芸能事務所から離れることにした。


離れたは良いものの、次の当てがあるわけでもなかった。


貯金を切り崩して月一で遠出をするという自由な生活をしていた。


それと同時に自分で事業も開始。


最初は動画編集代行から始まった。


果たしてこれで多くの挑戦者を救えているのか。


甚だ疑問だった。


貯金も底をつき始め、引越しの派遣バイトでその日暮らしのような生活が始まった。


1ヶ月前まで「世の中の挑戦者を救う」と豪語していた男がこのザマだ。


情けなかった。


そんな僕にいつも勇気を与えてくれたのがドラマだった。


『これだ。』


ドラマが視聴者の人生を大きく変えることは多々ある。


出演者の役者たちにとってはたった一作品で人生逆転することもある。


主題歌を歌った歌手のSNSフォロワーが異常な増加を見せた例など数えきれない。


ドラマは挑戦者もその周りの人も巻き込む。


沢山の人の人生を変えるコンテンツだと知った。


夢を叶えていく人や、一歩前進する人が沢山出るようなドラマを作る。

出演する役者や主題歌を歌う歌手だけでなく、撮影スタッフや視聴者まで。

みんなで夢を追う団体を作る。


今までは芸能事務所として役者や歌手を《使ってもらう側》だったけど、これからは《使う側》になると決めた。


質が高く、多くの人に見て頂けるドラマを僕たちが作れば、出演する役者や主題歌を歌う歌手にとってはこの上ない実績だ。


そしてそこには夢を追っている役者や歌手を起用する。


ゆくゆくは有名な役者たちと同時に起用なんてのもアリだ。


そうすれば多くの挑戦者を救える。


思いついたその日からすぐにドラマ作りを開始した。


まずは動画編集代行でやっていくと決めた仲間たちにわずか1ヶ月程で「今日からウチはドラマ作りをします!」と言い放った。


正気の沙汰じゃない。


でもやりたくなっちゃったんだから仕方ない。


ドラマ作りといっても僕は初心者も初心者。


だからドラマをスマホで撮ろうなんていう奇行にも走った。


何もわからない。撮り方も、作り方も。


とりあえず仲間を集めることにした。


一生ついて来てくれるような仲間。


僕には無い知識や技術を持った仲間。


そんなこんなで、数々のドラマや映画に出演していた元俳優の監督と、できないことを探す方が難しい超優秀なカメラマンと、出演者として知名度のあるインフルエンサーに夢を語った。


『夢を語れる世の中を創りたい』

『地上波とNetflixに並ぶドラマを作って、そこに夢を追う役者を出演させる』

『みんなで一緒に夢を追いたい』


いきなり強力な仲間が集まった。


その他にもキャスティングをしてくれる方や撮影現場の提供してくれる方、撮影スタッフなど沢山の協力者が集まってくれた。


『ドラマを作る!』と馬鹿げたことを抜かした1ヶ月後、総勢40名のドラマ制作団体が出来上がった。


意外と夢って語ってみるもんでしょ?


次の記事からは、いよいよ制作に入っていくよ。


mamochi.film

代表 奥田


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