何年前だろう?
10年くらい前?の話。
山梨にいた頃。
親父から電話があり、生活費を工面して欲しいと言われた。
勤め先からの給料が先月から・・・
と言われた。
なぜ先月の時点で・・・と思ったが、
やはり子供に頼るのは
それなりに勇気がいることかもしれないと思い、
工面することにした。
そしてしばらく経って、
部長待遇で就職が決まりそうだから、
札幌から釧路への実家の引っ越し代も工面してほしいといわれた。
引っ越し代も出した。
でもその話は、その会社の社長さんしか知らず、
いざ会いに行くと
話は流れていた。
それから1カ月ちょいした頃、
不意に、妹からメールが来た。
とにかくキツい。
心が壊れそうだから入院したいと。
大学時代無茶して体調崩したことある妹が、
初めて俺に出したヘルプに、
迷わず助けたいと思った。
でも、
親の威厳があるんじゃ???
俺はそんな余計な気を利かせ、
俺が工面するからOKだけ出してほしいと親に伝え、
妹には、親父に聞いてほしいとざっくりと伝えてしまった。
物理的に遠い地にいる分、
出来ることはこれくらいしか思い浮かばず、
お金だけはなんとか工面しようと思った。
それから約10時間後、
働いている店に、仕事中に電話がかかってきた。
父だという人が早口で喋ってます。
という引き継ぎで電話に出ると、
なんで何回もケータイにかけたのに電話に出ないんだと言われ、
いやいや仕事中は出れないから急用は店にかけてとわざわざ出発の日に言ったよー?
なんて呑気なことを俺が言うと、
妹が救急車で運ばれた
と言われて時が止まったかのように身体が硬直した。
え??
怒りより
寒気と震えがきた。
早く飛行機飛ばないかなという
無茶な願いを切に願った。
親父たちと合流後、
しばらく時間をおいて、
病院に行った。
妹は
歩いているのに
両腕を前後に振らずに
ツーっと
歩いて現れた。
なぜか俯瞰して上から見てるような気分で、
息を呑むとはこのことかと思った。
面会が終わり実家に着くと、
俺は
まくし立てるように
母に大声で言ってしまった。
なんで良いよって言ってあげなかったんだ!!
それ以来、
母の黒い目の光が
弱くなって、
まるで別人の様に
か弱い人になってしまった。
おれは親のプライドという
余計な体裁を考えて
ほぼ同時に
2人の人間の心を壊してしまった。
それ以来、
大切だと思う人と
家族ですら
心の距離を取る
そんな生き方をするようになった。
いつか壊してしまうんじゃないか・・・
大切であれば
大切であるほどに
その人に自分を近づけることが出来なくなった
そして、
処置代や入院費など諸々の費用を工面したあと、
実家の生活費と家賃
妹の生活費と家賃
合わせて月に数十万を振り込み
来月で3ヶ月目かと思った時、
ふと、
貯金残高が大台の100を切ると気付き、
え?
4ヶ月後に家族全員どうなるの?
と
とてつもない量の脂汗が
身体中から吹き出てきた。
それが恐怖からくるものと理解するのに
数分掛かるほどパニックだった。
今思い出しても
人を養う(その時は自分入れて3世帯)
責任って意味に
背筋に冷たい風が通る気がするほど。