今回は「親なら子どもの世界を広げよう」というテーマで話をしていきます。

 

例えば、休みの日に家族でお出かけする時、子どもに「何をしたい?どこに行きたい?」と聞く親御さんもいると思います。

一見すると、子どもの意思・意欲を尊重していて、とても良いことのように思えます。実際、我々家族も妻や私が娘にそんなことを聞いています。

 

もちろん、意思・意欲を尊重するためです。しかし、これでは子どもの世界が広がらないという問題もあると考えています。

 

「何をしたい?どこに行きたい?」と聞かれた子どもは、過去の経験から「あれが良かった、これが良かった」と選んでしまいます。

 

例えば、うちの娘ならショッピングモールに行きたいとか、スタバを飲みたいとか、31アイスを食べたいとか、家の近くの公園で鉄棒をしたいとか言います。これも望ましいのですが、世界が広がらないのです。

 

私が学習塾で勤めていると、子どもの多くの悩みが「将来やりたいことがない」というものです。学校の勉強と部活しかしていない子に将来やりたいことが見つかるわけがないのです。体験の母数があまりにも少ないのです。

 

親御さんはやりたいことを見つけろと言いますが、見つかるわけがありません。やりたいことなんてやってみないと分からないのです。

 

子どもの世界を広げるためには、いろんな体験をさせることが重要です。これにはお金をかける必要はありません。例えば、美術館に行く、絵を描く、料理を一緒にするなど、身近にできることで十分です。

 

行ったことのない場所に行くのも良いでしょう。お金をかけることなく、やったことのないことを一緒にやる、やらせることが大切です。

 

初めてのことは誰しも不安で、やりたがらないこともあります。私の娘も新しい場所に行く時や体操教室を始める時に抵抗を示しました。

 

しかし、まずやってみないと自分に合っているかどうか、好きになれるかどうか分からないのです。ですから、時には強制的にでもやらせてみることが大事です。半年、1年やってみて、やっぱり面白くないと感じたらやめるのも一つの選択肢です。

 

やったことがないものを試さないで、やめさせるのは違うと思います。3年5年続けてみてもう嫌だと言うならやめさせるのはありですが、やったこともないのにやめさせるのは違います。

 

子どもの意思・意欲を尊重することはとても大事です。学習塾で接する親御さんの中には、子どもの意思・意欲を尊重できていないため、親子関係がうまくいっていないケースがあります。親子共々やつれていくケースをいくつも見てきました。

 

良い親子関係を築くためには、意思・意欲を尊重することが大事ですが、それだけではなく、子どもの世界を広げるために、抵抗があっても一緒にやる、やらせてみることも重要だと考えています。

 

偉そうなことを言いながら、私が父親として娘にそれをできているかと言われると、完璧ではありません。ですが、娘の世界を広げることが父親としての務めの一つだと考えています。

 

参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。それでは良い一日をお過ごしください。