6月24日、賀茂郡の町職員研修会に石川県副知事の西垣淳子氏をお迎えし、「能登半島地震に直面して」と題した講演があると案内されたので参加させてもらいました。賀茂郡の町職員はじめ県の職員、これに各町の町議会議員も参加し、100名ほどが現場の陣頭指揮を執った副知事の話に耳を傾けました。

 

そもそもなぜ石川県の副知事が東伊豆町に。ということですが、西垣さんが経産省の職員当時に、参議院議員だった岩井町長と旧知の仲だったとのことで、今回の研修会になりました。ちなみに西垣さんは2022年7月に副知事に就任しています。

 

やはり能登半島と伊豆半島は似ているという観点からお話をいただき、「ふだん直面していないことに対する対応力を養うことが大切」と力を入れました。発災直後の1週間は人命救助との戦いで、自衛隊や警察、消防等が活動するための導線をどうつくっていくかが大変だったようです。

 

そして、私たちも何度も映像で見ましたが、集落が孤立し情報が遮断するなか1次避難所以外に避難している車中泊やビニールハウスで暖を取る方たちの状況をどうキャッチするのか、そこが大変だったそうです。また、被災者の方たちの関連死を食い止めるための広域避難の確保も心を砕いたところだったようです。

 

今回の能登半島地震でも自衛隊の活動は顕著で、発災直後に知事から陸自へ災害派遣が要請されると、人命救助から物資輸送、避難支援、道路啓開、生活支援等、様々な場面でオペレーションが展開されました。特に道路啓開では、ホバークラフトに重機を乗せ接岸したという話はたいへん臨場感があり、伊豆半島ではどういう展開になるのか関心を持ちました。

 

さらに、これら自衛隊の活動に加えて“ミニ霞が関”といわれる官邸機能が県庁に置かれ、能登の3市3町にスピード感を持った対応が実施されたといいます。ただ、ばらばら情報収集が制度を欠くこともあり、データベース化にはやはりマイナカードが必須で、それにより的確な被災者支援が行われるとの見解でした。

 

被災から間もなく半年が経過しますが、依然輪島市や珠洲市では断水が続いていて復興の過程にあります。しかし、現地では「震災遺構をジオパークに」といった前向きな目標を掲げ、「創造的復興」という標語も掲げられているようです。これは、能登ブランドを一層高め、将来への課題も解決する方向で復興を進めるということです。

 

復旧復興は当然のことながら行政主導で進められていくわけですが、ややもすれば頭でっかちになります。東日本大震災や熊本地震が教訓としてメモライズされているので、被災者最優先で進めてもらいたいと思いました。そして、あらためて伊豆半島のアクセス、特に道路網の整備については、災害に強い高規格道路を造っていかなくてはならないと改めて感じました。