31回目を迎えた河津町と東伊豆町の議員交流会が開催されました。両町持ち回りで開催され、時節に合ったテーマで勉強会を行います。昨年は河津町に建設中の伊豆縦貫道を見学させてもらいました。今年は東伊豆町において、両町が進めている議会改革をテーマに講師をお呼びしてお話を伺いました。

 

 

河津町議会では定数と報酬の問題に取り組み、議員報酬がアップしました。しかし、ただ上がったのではなく議員定数を削減するという身を切る改革も行った結果です。東伊豆町でも長く議会改革に取り組んでいますが、この部分が聖域となっていてなかなか進みません。

 


伊豆新聞より(2023.4.22)

 


伊豆新聞より(2023.9.21)

 

定数と報酬の問題はみな口には出しませんが、自分に降りかかる問題とあって考えがまとまらないと感じています。かくいう私も定数削減に消極的で、こなしている仕事量から考えて減らして大丈夫かな?と思っていました。

 

そんな感じですが、今回は早稲田大学マニフェスト研究所の研究員で、前大津市議会事務局長の清水克士様をお迎えし、「議会を改革すべき本質とは何か?」をテーマにお話しいただきました。大津市といえば全国市町村国際文化研究所(JIAM)が立地することで知られています。

 

清水さんはそのJIAMの講師も務められていたということですが、私も以前、JIAMの防災の研修に参加したことがあり、大津市議会議員と交流を持ったので、後でそんな話もさせてもらいました。

 

さて、今回の講義ですが大きく2つのポイントがあったように思っています。1つは 議長選挙の見える化ということです。 もちろん地方議会の議長も選挙によって選ばれるわけですが、町民が1票を投じて決めるわけではなく、議員の互選によります。

 

したがって、一般市民から見てどうなっているのかわからない面もあるように思います。東伊豆町においてもそのことが当てはまると私は思います。それは良いにつけ悪いにつけ多数決の原理に基づく民主主義による決定なのです。

 

かのウィンストン・チャーチルは、「民主主義は悪い政治制度である。しかしこれ以上の制度は他にない。」と言って民主主義の限界を唱えていました。国政でもそうなんでしょうから、ここ地方においてもローカルデモクラシーとも言うべき“田舎の民主主義”の暗黙の了解による決定には、町民の皆さんも嫌気がさすでしょう。

 

つまり、多数派が票を固めて自分たちの都合のいい人を議長にするということですが、私のような窓際議員には議会にいても何しているのか全く分からない。こちらから議長選について先輩議員に聞いても口をふさぐといった有様です。

 

大切なのはきちんと立候補制によって、その議長副議長が何をなすためにその職に就きたいのかということを市民に対して発しているかということです。以前、東伊豆町議会でもその形式で一度やったことがありましたが、外部とは遮断され密室で行われました。これでは意味がありません。

 

立候補制によって主義主張を戦わせ、それを町民にオープンにして投票を行うという、まさにここが議会改革の根本ではないかと思うのです。今回の東伊豆町議会の議長選においては、その立候補制が取り入れられませんでした。つまり町民不在の選挙で議長副議長が決まったということです。

 

そのことが清水先生の言う2点目にも通じているように感じています。つまり、誰のための改革なのか。議員のためではなく、市民のための改革であるということです。

 

そのことを理解できればおのずから議員定数と報酬の問題は解決してくるように思うのです。今回はこの2点に絞って書きましたが、機会があれば続きを書きたいと思います。