コロナ禍によって大会の一般公開が自粛されていた青少年の主張発表大会が、今年は滞りなく開催され、小中高の6名の学生の主張に議会の一員として耳を傾けました。かつては、小学生でしたら高学年の生徒一人ずつ発表がありましたが、少子化の影響でしょうか稲取、熱川各小学校で一人の発表者になりました。

町長も言っておられましたが、よい発表はまちづくりとして取り入れたいとのことで、これからの町を背負っていく青年たちの主張を会場全体が真剣な面持ちで聞いていました。そういえば何年前でしたか、男子高校生が河津町との合併を主張したのを思い出しました。

 

今回は小学生が自殺の問題を取り上げたり、職業体験を通じて感じた職場での性差の問題、身近にあった葬儀に見た命の尊さ、ボランティア活動の大切さなど、社会問題に目を向けた発表が聞かれました。また、男子高校生からは柔道の礼儀を通して相手を思いやる気持ちが発表されましたが、私も柔道をかじっていたのでその思いはよくわかりました。

 

なかでも子どもの居場所づくりを訴えた小学生の主張に私は悔いる思いでした。小学1年生の時に横浜から越してきた発表者は、不登校者が増えている現状を踏まえ、誰でも気軽に集えて話ができる居場所が大切だと訴えました。それが彼女にとっては稲取小学校にあった「ミニミニ図書館」だったとのことです。

 

もう4.5年前のことだったと思いますが、「利用者が減った」などの説明を受け、検証することもなくこのミニミニ図書館の閉鎖に賛成してしまった自分を悔いました。この小学生は越してきた当初、そこが唯一の居場所だったのだと。小さな思いをくみ取ることができなかった自分を恥じる思いです。

 

「稲取には子どもの居場所となるような施設がない」ときっぱりと指摘された形ですが、彼女に伝えたいのが、閉鎖した稲取幼稚園をもとにした居場所づくりの案があります。先日議会でプロット図を見せてもらいました。図書館のような本が置いてあるスペースもあり、確かな居場所として確立できればと思います。