10月4日から6日までの行政視察の研修に行ってきました。3年ぶりの視察でしたが、今回は移住定住をテーマにした視察です。

 

身延山からからの眺め、左奥に富士山、日本三急流の一つ富士川が静岡県に流れ込む

 

4日は山梨県の早川町に伺いました。南アルプスに沿った山あいの町で、平成の大合併に頼らずまちづくりを進めてきた点でいうと東伊豆町に似ているかもしれません。9月現在で人口が933人と「日本で最も人口が少ない町」を自認、逆手に取った町づくりを進め、平成21年には「日本で最も美しい村」連合への加盟や、26には「南アルプスユネスコエコパーク」への登録を果たしています。

 

県産材を利用して造られた庁舎、木の香が心地よい。こちらの講堂が議場にもなる。

 

人口減少による人材不足を解消するための公共の労働者派遣事業(早川地域づくり事業協同組合)について学びました。パート的な雇用を複数組み合わせることにより、組合が正規採用して雇用します。これにより安定的な雇用にすることができます。東伊豆町でも主力の観光業の入り込みが繁忙期によって雇用の偏りが生じたり、農作業に必要な人材を確保するために取り入れるべきと感じます。

 

 

 

5日は長野県の南箕輪村にて先進的な移住推進の取り組みについて学びました。村でありながら人口が1万6千人を超え、年々増え続けています。政策については特に移住に特化したものはなく、定住すれば手厚い子育て支援が得られるという、住民本位の政策に視点をおいた点が特徴です。

 

事業の説明も担当課の女性の課長がイキイキとした視線で説明してくれました。

 

ジェンダー平等時代に男性女性と言いたくないのですが、女性の議会事務局長に案内をされて会議室へ、聞けば管理職13人のうち8人が女性であるということで、町制60年で一人も女性管理職が出ていない東伊豆町との違いがまざまざと出たと感じました。

 

例えば6つある町営の保育園のすべてが午後7時まで預かり保育をしている点。これはまさに働く女性ならではの視点でしょう。それと女性の就業支援策。「再就職をトータルサポート」をキャッチフレーズにすべて無料で相談員が対応します。女性を孤立させない取り組みとしても評価されるでしょう。

 

移住者が7割を占めるという南箕輪村、いろんなところで移住者が活躍しています。

 

また、南箕輪村は精密工業地帯のベットタウンとしての位置づけでありながら農業を主産業とした村で、稲作からソバ、リンゴまで幅広い農業が展開されています。そういった農業重視の視点から「ちょこっと農業塾」を開催し、出前で講座を開いて多くの塾生を東京・名古屋などで誕生させました。実際に塾生を南箕輪村にモニターツアーという形で呼び込み評価を得ています。

 

南箕輪村議会の議場で、議長さんと副村長が一緒に収まってくれました。

 

 

ちなみに南箕輪村の村長さんは、地域おこし協力隊から村議会議員、すぐに村長になった方だそうです。つい最近“村”でありながら人口が1万6千人に達し、私も久しぶりに釣り鐘型の人口ピラミッドを見せてもらいました。今回はくしくも対照的な「町」と「村」の視察になりました。どちらの自治体も課題を政策に変えていると実感しました。

 

 

 

6日は長野県塩尻市のAI活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」(塩尻MaaSプロジェクト)に試乗しました。市内を6つのエリアに分け、AIが乗客を待たせず最短で運行するのが特徴です。マイクロバスタイプの車に5人で乗車しました。AIを活用した運行サービスは今後需要の広がりを見せるでしょう。

 

宿泊したホテルにバス停があり、事前予約によりバスが来てくれました。