昨年の夏に、伊東市宇佐美を舞台に撮影された『あの娘は知らない』の試写会が、伊東市のひぐらし会館でありました。興味があったので妻と久しぶりに里帰りした娘と行ってきました。興味があったのは福地桃子さんの主演ということと、全編ロケを宇佐美を舞台に行ったということです。

 

 

最近、映画にしてもドラマにしても、風光明媚な地方を舞台に撮影されることが多くなっています。“ロケ誘致”と聞けばなるほど!聞いたことある!という人も多いと思います。作品がヒットすれは「聖地巡礼」のようなことにもなって、ロケツーリズムにつながってきます。

 

今回の撮影は「伊東ロケーションサービス」の一環で行われたと市長の挨拶にもありました。これは地元にスタッフが宿泊・滞在することによって、相当なメリットがあると見込んだ政策です。さらに知名度が上がることによって、観光地としての周知や移住先しても選択肢に入るかもしれません。

 

東伊豆町でもロケ支援は活発で、熱海市に追随して進められてきました。役場の職員が付きっきりで対応しなければならない場面もあり、自治体にとってはなかなか大変ですがそれなりの効果も見られます。東伊豆町のロケ支援 https://www.town.higashiizu.shizuoka.jp/bg/town_gov/ent/2577.html

 

さらに、一定の条件のもとに補助金が交付されます。これは、この作品によって町の知名度の向上や誘客、経済効果等、地域の活性化につながると認められることが前提条件です。出来上がった作品は各メディアなどで観ることはできますが、「推し」でもいない限りなかなかそこまで関心を寄せている人は少ないです。

 

それが今回の伊東市の取り組みは、無料で試写会を実施して、出演者と監督の舞台挨拶までやってのけました(185人が視聴と発表)。このことで製作側と受入側の一体感が計られ、市民も映画の宣伝(口コミ)をしたいと思わせる効果があったでしょう。これは自治体が予測できない2次的3次的効果です。

 

時のトレンドがどこを指しているかは読みづらくなっていますが、自治体は単年度思考ではなく、2年先、3年先まで読んで事業を考えていかないといけないとあらためて思いました。予測できない効果をどう生み出すか・・・。今回の作品がヒットすることを願っています。

 


「余白を大きくした」という今回の上映作。カンヌ国際映画祭に日本人最年少で出品した井樫彩監督らしいヨーロピアンテイストの映画でした。

 


今日の伊豆新聞より