小児科便り13号 小児科看護師子育て奮闘記 | 札幌マタニティウイメンズホスピタルのひだまりブログ

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小児科便り13号

 

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皆さんこんにちは!外来看護師です。

たまに産後のお母さんの訴えで「子供が泣き止まなくて〜」と、困っている話を聞く事がある。「泣き止まない」と、言うことはどこか悪いのではないか?お腹が空いているのか?ご近所に迷惑がかかってしまうのではないか?心配で、休めない。同居者が色々言ってくる。原因が解らないから育児不安がつのる、などでしょうか。本当に困ります。

 

そんな時、私が思いだす「泣く」に対してのエピソードを紹介します。20年以上前、私は病棟勤務でお産に立ち合っていました。赤ちゃんをとりあげる人は、助産師。その後ろには、医者が居て分娩介助を見守り切開の縫合などをします。私は看護師なので、ベビーの蘇生器を母の横に準備し赤ちゃんを受け取り、産まれた赤ちゃんをお母さんのお腹の上で面会させた後、蘇生器にうつしバイタル測定、計測、肌着をきせお母さんに抱っこさせる係です。

 

いつも通り準備してお母さんの横で呼吸の誘導などしながら、「赤ちゃんでますよーおめでとうございます」の声かけをした。助産師がチューブで赤ちゃんが飲んだ羊水を吸ったり、臍帯を切ったりしてからお母さんのお腹にのせます。それに合わせて周りの事を済ませ、赤ちゃんを受け取る布を用意するのですが、いつもと何かが違っていた。

 

なかなか赤ちゃんが来ないのです。お母さんに不安を与えぬよう笑顔で間を持たせていたとき「先生!早く渡して!渡して!!」と、助産師の声。ドキッと、しました。「泣いてない!!」その瞬間受け取った赤ちゃんは、体はそれまで見たことが無いほど真っ白、ダラッーと、布から滑り落ちそうなくらい、筋の緊張がなく、呼吸をしていなかった。不謹慎ですが「この赤ちゃんダメかも」と、思いました。それからは心の中では「泣いて!泣いて!泣いて!泣いて!!」と願いながら必死で自分が出来る事、体の水分を拭き取りつつこすって刺激、チューブで口や鼻に入ってる羊水を吸い、酸素マスクを装着するなど行いました。実際にはわずかな時間でしたが凄く長く感じた。

気が付けば、「グヴグヴグヴ¥$&*!%#ーおギャー!!!」

みるみる間に赤ちゃんは手足を動かし、全身はピンク色になりました!

赤ちゃん自体は「わぁービックリしたー」と、言う感じでしょうか?

入院中、その赤ちゃんに会うたび「ちゃんと呼吸するんだよー」と、話かけた。

泣く=呼吸=生きていると、強く思った。

 


 

次は、悪いお母さんの話。

私には16歳の男の子と11歳の女の子がいます。
バブル時代に沢山海外旅行したり、遊んだりして青春時代を過ごし、そろそろ子供がほしいなぁーと思い、結婚し次の年には長男を産むことができました。


私にはずーと、ずーと、ずーと、後ろめたい事があります・・・

それは、喫煙者なのです。

環境のせいか?カッコいいからか?ストレスか?いやぁーストレスと言ったら今の時代の方があるだろう、良い子も悪い子もタバコを吸う時代でした。
私も電車を待ちながらホームでタバコを吸い、飛行機の中でもタバコを吸いながら、海外旅行にいきました。(当時は公共の場所でも喫煙可能な場所が多く、分煙も少ない時代でした)

当時200円で一箱買えましたが、今は3倍近い値段。時代の移り変わりで「もぅやめた!」と言う人が多い中、その波にも乗り遅れ、今でも喫煙者。いっその事、違法薬物にして捕まえて欲しいくらいですが、JT(日本たばこ産業)は、まだ私に高額な税金を払わせるのです。
まぁ、結局意志が弱い私の言い訳です。
 

SIDSって、知っていますか?何の予兆も既往症もないのに突然乳幼児が睡眠中に亡くなるのです。赤ちゃんの未熟のせいだと思いますが、喫煙者の子供は確率が高い!これは、恐い!特に6ヶ月までは、ずーと、寝ずに見ていなければならない。頑張るぞぉーおーと、言う決心が要りました。


長男は、5/14母の日に元気に産まれてきてくれました。

嬉しかったぁー。体重2934㌘ここでも後ろめたさが・・・

当時は、3000㌘代がほとんどの所、私は体が大きいのに・・・そう、タバコのせい・・・

私の母が「ちょっと赤ちゃん小さめねぇー」と、ニコニコ。私はドキッ!「小さく産んで大きく育てるぞぉーおー」と、やはり自分勝手な私。
 

私の育児の半分以上は呼吸管理。添い寝。1人で寝かせると刺激がないから、呼吸止まったら嫌なので私にピッタリ。呼吸音が聞こえる範囲で、呼吸とまっても、私が刺激になるので大丈夫。家事をしていても、目の届く所。
ん?と、思ったらダダダーと、寄って行き確認。面倒だったら、すぐ胸を揺さぶる。その刺激で赤ちゃんは、泣く。
泣く=呼吸している=生きてるなのだ。
 

長男も、うかつに寝れないですね(笑)
ずーと、泣いてる子供を見ていると、笑顔になる。

「なんで泣いているの?人生始まったばかりなのに、そんなに悲しいことあった?」などと言い、顔を近づける。

赤ちゃんの口の臭いをかぐ。「いい匂い」と、言っているうちに近づき過ぎ、鼻を噛まれる。泣き声一瞬止まる。「噛まれちゃったぁー」と、再び今まで以上に泣き声が大きくなる。私も大笑い。

呆れたのか?飽きたのか?ウソ泣きか?こっちを伺っているように眉間にシワをよせる。おっぱいあげる。泣き止む。
 

この赤ちゃんは、今は、私より大きくなり、体は男臭く、至るところに毛が生えてどこ触っても、筋肉でカチカチ。
あのときのふにゃふにゃの体で、おっぱいの臭いさせて、必死に泣いている長男を抱っこしたいと、思う事がたまにある。

 

「泣く」は、以外と悪くない。
この話を聞いて少しでも、お母さん方の育児が楽になれば幸いです。