ピアノ発表会で緊張しないぞ!子どもも大人も役立つ緊張を遠ざける脳と体の使い方のアドバイス | 【高萩市下手綱・日立市宮田町】まなみピアノリトミック教室

【高萩市下手綱・日立市宮田町】まなみピアノリトミック教室

茨城県日立市宮田町、高萩市下手綱で、ピアノ教室とリトミック教室を開いています。バスティンメソッドやピアノアドベンチャーメソッドに沿った導入時期の丁寧なピアノレッスンを提供します。習いはじめを大切に。

こんにちわ ピアノとリトミック講師の横山慎奈美です。

▲2020.10 高萩松岡教室内 動画撮影発表会の様子から


4月に入り、学校生活が始まりましたね。ご入園ご入学の生徒さんからたくさんの『ピカピカのご入園ご入学』のお写真をいただきました。きっと、みんな初めての場所にドキドキ緊張していたことでしょう。



誰でも日常と違う場での会は、緊張するものです。時には、お腹が痛くなってしまう人、気持ち悪くなってしまう人、顔色が悪くて無口になってしまう人もいらっしゃるかもしれません。それは大人になってもなかなか変わらない感情です。どうにか平常心でいたいですよね。



当教室では、8月に発表会があります。みんなが少しでも緊張しないで弾けるようにサポートしていきます。そこで、緊張がどんな時に起こるのか、それをどうすれば取り除けるのかリサーチしてみました。




1)緊張している時の体
ピアノを人前で演奏する時、または弾く前の段階の時、自分の体や頭の中を冷静に分析する余裕はないものです。でもその緊張がクセになり、人前で演奏するって気持ちいいな🎶となってきたらしめたものです。自分をコントロールできないと、心臓の鼓動が聞こえるくらいドキドキして体温も血圧も急激に上がってきます。(病院で血圧を測ると高く出るのは、ドキドキしている証拠ですね)手から汗もでてきますし、喉も乾きます。手に汗をかいているのに手足が何故か冷たくなります。不思議ですね。

2)交感神経と副交感神経
体の中には、体を活性化させる交感神経と休ませるための副交感神経があります。二つの関係を例えるとしたら「利かん坊」と「温和ちゃん」。交感神経が活発になって闘う状態になったのが緊張です。『テンション高め』という言葉を使いますが、私は嬉しくて楽しくなったときや何かに打ち込んで気持ちが盛り上がって来た時に使います。本来ならば適度な緊張は、集中力や身体機能を向上させている状態で、ポジティブでとてもよい反応なのです。

▲教室でのリハーサルの様子


でも発表会などでピアノを演奏する際には、緊張しすぎて交感神経が活発になりすぎてしまう方もいて、体に悪い影響を及ぼしてしまうんですね。演奏が終わってから「もっと上手に弾けたはずなのになぁ、足が浮いてガクガクしちゃった、思うように弾けなかったな」と愕然とする生徒さんがいます。緊張が強い時、副交感神経はおどおどしていて元気がありません。人間に例えると、元気いっぱいはりきっている人の影に埋もれてしまい、後ろに引っ込んでしまって前に出るに出られなくなってしまっている様子でしょうか。じゃあ、副交感神経を元気づけて引っ張り出してあげれるにはどうすれば良いでしょう。


それは体をリラックスさせること!

▲レッスン撮影中。ママに見てもらえる!という安心感



そんなことわかってますよ。という声が聞こえそうですが、理屈を知ってリラックス法を行うのと理屈を知らずに行うのとでは、理解する脳の動きが違うはずです。プロ野球選手がガムを噛んでいるのは、唾液をたくさん出して緊張をほぐすためのようです。唾液を出すことにより副交感神経がお仕事をしてくれています。唾液と副交感神経の関係の詳細はリサーチしていませんが、どうやら演奏前に喉が乾くのは、唾液が少なくなるからなのではないかと思います。実際に私も試してみましたが、演奏中に音名を歌って弾いてみると喉もカラカラしないですし、フレーズを意識して演奏することができました。ハミングでも歌を意識すれば、呼吸をフレーズごとに「吸う➡︎はく」を繰り返すので効果的です。心唱する時にもブレスを感じることが大切ですね。


3)アドレナリンは演奏する時もでる?
アドレナリンは、ホルモンです。過剰分泌が続くと攻撃的になりますし、感情にも作用します。でも、適度なスパンで発表の場を経験することで脳を覚醒して集中力を上げてくれる働きをしてくれます。ですから演奏する時も出ます。上手にこのホルモンを使えるようになるとよいですね。


4)生徒さんに聞きました!「緊張するとどうなるの?」

●覚えていた音を弾けるか心配
●失敗したらどうしようって思う
●無口になる
●指が動きにくくなって、家で弾いたように弾けない
●耳がぼーっとなる
●オクターブ間違って弾いてしまった

上記の回答は、ほぼ心配ごとが思い浮かび、不安が大きくなっているのがわかります。大人でも、発表するときは気持ちが追いつかなくて、不安に押しつぶされそうになります。高学年になると、この不安や失敗を恐れたり恥ずかしい、という気持ちが強くなり、発表会に出たいのだけれど出られない生徒さんが出てきます。でも緊張するのが怖いから発表会に出られなかったら、もったいない!なぜなら、ステージは自分を高めてくれる素晴らしく成長できる場所だからです。


【まとめ】
発表会前に緊張しないようにするコツは?

①おうちの人に、ぎゅーっとしてもらいましょう。手を握ってもらうだけでもよいですね。
②あがってしまってもいい、失敗しても大丈夫だと言葉に出して言う。
③メロディを歌いながら弾いてみる。
音名を声に出して言うことで、視覚的、聴覚的、感覚的情報がひとつに統合されます。人間の脳内伝達って、稲妻よりも早いらしいです。
④ステージを楽しもう!大きなピアノで弾けるんだ!嬉しい!と感じる。
⑤「人」文字を手のひらに書いてそれを飲み込む暗示をかける。
⑥目を閉じて大きく深呼吸する。体の中の血がめぐります。
⑥そして、本当はここが大事!小脳に任せられるくらいまでとにかく練習をたくさんする。指が勝手に動くまで、感情も注入できるまで自在に弾けるようにする。リハーサルをおうちですることによって自信もつく。その時には、本番に着る服、靴で臨みましょう。「当日できるからいいや!」構えていると緊張に押し潰されてしまう時にコントロールがきかなくなる前に、騙されたと思ってやってみてください。



私の生徒さんには、今年の発表会では緊張が減るように発表会前に、発表会決行会をしてみようと思います。オンラインイベントとして、この題材をテーマに取り上げ、みんなで達成感を得られる楽しい発表会にしたいと思います。


[参考資料]
●慶応大学名誉教授 精神科医 川村光毅先生
「緊張のしくみ、ピアノを弾く時脳はどう働く?」
●「あがり」を克服する 
カトー・ハヴァシュ【著】
今井理瑳、藤本都紀【訳】
●Wikipedia   アドレナリン