お題:ふと悲しくなったとき

外着に着替えたときにふと鏡を見たら、そこに坊主、ヒゲのとてもカタギには見えないオッサンが立っていたとき。マンモスコーチで~す!サン、はい、『笑点かよ!』 

と、一人でボケツッコミをしていると余計に悲しくなってくるマンモスコーチです。皆さん、こんにちは。

さて、休校期間も10日を過ぎましたが、予定ではようやく1/3消化です。まだあと20日ほど残ってます。なんかもう数年分くらいは休んだ気がして、曜日感覚も失せてきて、ホントに頭ボケそうです。

まだあと20日も外出自粛が残っているとなると、やはり子どもたちの運動不足とそれによるストレス状態が気になります。勉強は家でもできるし、後で取り返すこともできますが、運動は体や脳の成長期(ゴールデンエイジ)とその後では神経ネットワークの作成効率が全然違ってくるので、その時期に運動できなくなるのは正直痛いところなんですよね…。

 

それで先日「新聞パンチ」を紹介したりもしたのですが、あれはあれで非常に良いトレーニングなのですが、瞬間的な集中力や筋力はかなり使うのですが「これぞ運動」というようなガッツリ体力を使うようなトレーニングではありません。

では、筋力や体力を使うという一般的な意味での「運動」、そうした「運動」として子どもに最も良いトレーニング、最も総合力やコストパフォーマンスに優れたトレーニングは何か?と聞かれたら、私は迷わずこう答えます。

「縄跳びです」と。

まず縄跳びというのは短縄一本あれば他に道具はいりません。場所もほとんどとりません。遠くまで出かける必要がなく、家の庭や玄関前でできます。子どもを一人で走りに行かせたり、暗くなってきてから行かせるのは不安ですが、縄跳びならその点家の前でやるだけなので安心です。唯一物理的に欠点があるとすれば、床と天井高の問題で家の中ではできないことくらいです。

 

そして何より縄跳びをお勧めする理由は、総合的な運動効果が抜群に高いということです。

まず体力面。ランニング30分と縄跳び30分、どちらが疲れるか=体力を使うかを考えれば明白です。ランニングは走りながら慣性が多少なりとも働きますが、縄跳びはそれがないので短時間で相当の体力を消費できます。

次に足腰の筋力鍛錬。軽く長く跳べば持久系筋力が養われるのはもちろんのこと、早く回して駆け足跳びをすれば瞬発系筋力も養うことができます(メッチャ疲れますが)。

更にリズム感。ボクサーがステップワークの練習の一環として縄跳び=ロープワークをするように、縄跳びは普通の「両足跳び」だけでなく「かけ足跳び」や「リズム跳び」を加えたり、縄のスピードそのものを自分で調整することで様々なリズムを作ることができます。足の動きのリズムというのは「足で動く」動作のあるスポーツであればそのすべてで必須となる「足の回転」と「足による体重移動」の感覚に直結します。

もう少し詳しく述べると、「足で動く」というのは「足で地面を蹴ってその反発力で移動する」ということです。この「反発力」の使い方を体に染み込ませるという点で、縄跳びはもってこいのトレーニングです。ゆっくりめのランニングをいくらやっても短距離走は早くなりませんし(使う筋力も使い方も違うので)、サッカーやバスケで必要になるようなフットワークは身に着きませんが、縄跳びなら各種目ごとの技術を支えるのに必要な土台(リズム感的感覚)を養うことができます。

最後に姿勢。上手い子の跳び方を思い浮かべてほしいのですが、必ず姿勢が良いはずです。姿勢が崩れると縄跳びは上手には跳べません。理由は簡単で、次のジャンプが跳べなくなるからです。姿勢が崩れると肩に余計な力が入って腕全体が固まって、縄を回しにくくもなります。だから引っかかってしまう。

どの種目においても「足の動き」や「初速の早さ」というものは皆それなりに注意・注目するのですが、それをスムーズに行うための動く前、動く直前の「姿勢」、これは意外と見落とされがちです。ハッキリ言えば、姿勢の悪い子に運動能力の高い子はいません。逆に伸びる子は姿勢が良いです。姿勢が悪くても体力や筋力の強さ、経験の量でそれを補っている場合もありますが、同じ体力や筋力、経験量であれば姿勢の良い子の方が確実に吸収率や上達率は上になります。

この場合の「姿勢が良い」とは、力んで硬直させた「気をつけの姿勢」ではありません。体の中心線を崩さず、体重を分散させずに重力方向に真っすぐ落とし、肩の力みのない「自然な真っすぐ」の状態を指します。そして縄跳びは、その姿勢を作るのに非常に適しています。縄跳びの上手い子が「姿勢よく楽に跳んでいる」のは、それが最も効率が良いからなのです。

こんな感じで、縄跳びは「安上り・場所とらない・時間かからない・一人でできる・運動消費率大・汎用性大」とコストパフォーマンスとしてはおそらく最強のトレーニングです。

ただ、そんな縄跳びにも二つの問題があります。一つは「飽きやすい」ということ。男子があまり縄跳びやらないのは完全にこれですね(苦笑) 一人でやっている&その場でやり続けるので変化がない、というのが飽きやすい最大の理由です。しかしそれは逆に、飽きっぽい子の精神的持久力や忍耐力を鍛えることができる、ということでもあります。

もう一つの問題は「膝を痛めやすいこと」。実は、これは余程身長に対する体重比が大きくない限り、子どもにはあまり関係ありません。もともと体が軽く筋肉も柔軟なので、膝への負担はそれほど大きくありません。

気を付けなればならないのは青年期以降の大人です。大人は体が重くなっており、筋肉も固くなっています。20代のうちはまだそれなりにできると思いますが、30代以降は運動不足も加わってくるので、やるときは少しずつ、無理をせずにおこなってください。じゃないと本当にケガをします。「お母さん、子どもの頃は得意だったのよ」と子どもの前で2、30年ぶりに急に跳ぶと
いろいろとエライ目にあうので注意してください(苦笑)

とはいえ、少しずつやっていけば大人でもちゃんと体が慣れていきます。何事も「焦らず、少しずつ、確実、段階的に」です。

子どもであれば「飽きる」さえクリアできればメリットは相当大きいです。しんどくなったら止めてすぐ家に戻ればいいだけなので、この外出自粛による運動不足の解消としてやるのはもちろん、休校の間に縄跳びの苦手を克服するためにやるもよし、中高生なら選手としての自主トレとしてガッツリやるもよし、です。

特に部活やクラブで「選手」をやっている子には、ぜひやってほしいです。今はどこも集団での練習を自粛中なので「いかに体を鈍らせないか」を考えてしまいがちですが、選手であるならこの練習自粛中の間も自分で自主トレに励むことで「レベルを落とさない(維持)」ではなく「レベルを上げる(向上)」ことを目指してほしいです。

みんながいるときに一緒に練習するのは当たり前です。でもみんなと同じ練習だけしていても上には行けません。みんなも同じだけ練習してますから。選手としてレギュラーを取りたい、試合に勝ちたいと思うなら、どれだけ一人のときでも自らを律して練習できるかが大事です。

普段の練習で縄跳びをトレーニングに取り入れてるとこっておそらくボクシング業界以外はほとんどないのですが、今回書いたように縄跳びのトレーニング効果は絶大です。部活の朝練(基礎トレ)なんて運動系なら種目問わず普段から時間の半分は縄跳びでいい、とさえ私は思うくらいなので。

実際のメニューとしては選手・非選手問わず、

・前跳び(両足の跳躍や姿勢作り)

・リズム跳び(リズム感や足の動きの向上)

・駆け足跳び(ゆっくりなら持久力、早くなら瞬発力の向上)
だけで十分です。交差跳びや二重跳びなどは「縄跳びの技術そのものの向上」のためなら取り入れればいいですが、基礎運動能力の向上なら上記3つだけで十分です。

慣れないうちは1分同じ跳び方をやって1分休憩で1セット。慣れてきたら跳んでる時間を2分、3分と増やして1分休憩としていけばいいです。自分のレベルや目的によって各跳び方の時間やセット数を調整すればいいでしょう。

 

ちなみに、かくいう私は最近縄跳び跳んでないのですが(苦笑)、剣術稽古を始める前は前跳び3分1セット、リズム3分2セット、駆け足3分2セットの5セットをアップとしてやっていました。もともとは縄跳びあまり得意ではないので(子どもの頃にあまりやらなかったし、キック時代も嫌いでなるべく避けてたので・苦笑)、最初はかなり引っかかってイライラしたりしましたが、やっていくうちに引っかからなくなりますし、慣れてくると縄跳びを跳ぶことでその日の自分の心身の調子や疲労具合が測れるようになります。

 

全身は引き締まるし、体力もつく。足は軽くなるし、上達の達成感も味わえる。他の運動でのフットワークも良くなる。おまけにお金はかからない、場所も取らない、時間も大してかからない。と、コストパフォーマンス抜群であることは自分自身で実証済みです。
 

このコロナによる外出自粛の中でもできるお勧めの運動ですので、膝への負担だけは注意して、お子さんもお父さんお母さんも、ぜひやってみてください。(飽きたら新聞パンチで気分転換してください・笑)

 

あ、あと子どもたちの様子がまったくわからなくなっているので、お暇な時間があればメールで子どもたちの近況報告など送ってくれると嬉しいです。私の友人関係でしたら本人の近況報告とか。人との会話99.99%カット中のせいでとにかく会話に飢えているので(笑)

 

それでは、また♪