はい、今日は「お家でできる柔軟体操 その6」をお届けします。


今回の途中から「柔軟体操→準備体操」へと変わっていきます。




まずは「正座ヒザ上げ」です。


名前の通り、正座をしてヒザを上げ、足首を伸ばします。手は横について構いません。


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このときに、足を重ねたり、つま先立ちにならないように注意します。


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これだけですが、以前書いたように足首の柔軟性というのは運動において非常に重要になってきます。


柔軟性自体を高める「柔軟体操」として、しっかりやっておくと良いでしょう。




次に、「アキレス腱伸ばし」です。


正座の姿勢から片膝を上げ、なるべくカカトを上げないようにして、片膝側の足を前に倒します。

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注意点としては、①片膝側のつま先を正座側の足のヒザより後ろに来るようにすることと、


②カカトを上げないことです。


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(悪い例①と②。これだと十分に前に倒せずアキレス腱が伸びない)




なお、当教室では小学生未満の幼児は通常の立ってやるアキレス腱伸ばしをさせています。


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なぜかというと、小学生なら大半がこのタイプなら正しい姿勢でできるのに対し、


逆に幼児はできていない子が多いからです。


できていないポイントとしては主に


①適度な足の開きができない


②後ろ足がつま先立ちになる


③後ろ足のつま先が横を向く


の3つなのですが、これは純粋にバランス感覚の発達具合と(幼児はまだバランスを崩しやすい)、


この準備体操自体をどれだけやったことがあるかという回数の問題だと思います。


なので、その両方を高めるために、幼児ではこのタイプでやらせています。




では逆に、なぜ小学生では正座片膝タイプでやらせるのか。


私の考えでは、正座片膝タイプは「柔軟体操」と「準備体操」の中間と位置づけています。


(柔軟体操と準備体操の違いについては「お家でできる柔軟体操その4」をお読みください)


この姿勢は股関節系の柔軟体操に比べて伸ばしたときの痛みが起きにくい分、


伸ばすべき部位をしっかり伸ばしていることを自分で意識しやすいという利点があります。


それにより、意識的には「静かに、じっくり」やるという柔軟体操的な面を持ちつつ、


痛みや形としての「手軽さ」という点では準備体操的な面を併せ持っています。




幼児ではまだそこまで自己観察をすることは難しいため立ったままのタイプで行い


(幼稚園や小学校の体育で正しく行えるようにするための練習の意味も含めて)、


小学生では徐々に自分の動きの意味や効果を考え、頭で体を意識的に動かすための


練習も兼ねて正座片膝タイプでやらせています。


これが、私が年齢別に内容を分けている意味と目的です。




運動とその習熟というのは、大雑把に述べるなら


①頭と体がバラバラに動いている、またはそれらが一致しない動作を(考えても動かない段階)、


②練習によって頭と体が連動するようにし(考えたら動く段階)、


③深く考えずとも体がイメージ通りに動くようにする(考えずとも動く段階)。


という段階を経ていくものだといえます。




ただ、これは大人のパターンであって、子どもは「頭(意識・思考)」自体がその使い方の練習中であり、


そのため低年齢になればなるほど自己観察や自己分析は難しくなります。


なので、その発達段階に合わせて②の部分を簡易化、場合によってはすっ飛ばす必要があります。


また、これはあくまで大まかな傾向としてのことですが、


習熟度が高い子ほど新しい技ができるようになった経験が豊富であるため「達成感」が高く、


「更に難しい技ができるようになりたい。そのためにそのコツを理解したい」という意欲も高くなります。


逆に習熟度が低い子は達成感が少ないため、上達のコツを理解したいという意欲も低くなります。


そのため、習熟度が高い子には頭で理解させる(自己観察・自己分析をする)割合を高くし、


習熟度が低い子には「楽しいから動いていたら、いつの間にか新しい技ができるようになった」


という経験を積んで達成感を高めることを優先的に考えて練習を組む必要があります。




つまり、脳や体の年齢的発達段階という物理的(ハード的)側面と、


練習や自己理解に対する意欲という心理的(ソフト的)側面の両面を考慮して掛け合わせて、


そこから個々に適切な練習内容や説明の仕方を導き出さねばならないということです。




たぶん、私がこの業界の人間としてはかなり特殊な経歴であるにもかかわらず


自分で独立してまでこの仕事をやり続けているのは、


純粋に子どもたちと接するのが楽しいというのは大前提にしろ、


こういうことを考え、分析し、新たな練習方法や指導法を考え、実行し、検証し、また考え…


というのが好きだからというのは、大いにあると思います(苦笑)


ましてや、それによって子どもたちが楽しんでくれて、上達して、喜んでくれて、


それが未来を担う人間(子どもたち)を育てることへと繋がっていく…


これほど楽しく、やりがいのある仕事はそうはないんじゃないかとさえ思います。




なんか、また柔軟体操の仕方から随分離れた話をしてしまいましたが、


次回はまた柔軟・準備体操の続きを書きたいと思います。


まぁ、また全然関係ない話を書くかもしれませんが(笑)