今日も,ありがとうございます.
以前,
「線型空間は群をなす」
「実数全体の集合Rは群をなす」
ことに触れました. → こちらへ
今後,線型空間や実数を扱っていく機会は多いと思います.
その際,群ゆえに成り立つ性質を,線型空間でも示し,実数でも示し,となると二度手間になってしまいます.
そこで,線型空間,実数は置いておいて,まず,群ゆえに成り立つ性質をさらっておきたいと思います.
ここでさらった性質は,線型空間でも実数でも成り立つことになります.
今回は,「群の公理」を紹介します.
(【参考】「二項演算」の定義は, こちら)
「線型空間は群をなす」
「実数全体の集合Rは群をなす」
ことに触れました. → こちらへ
今後,線型空間や実数を扱っていく機会は多いと思います.
その際,群ゆえに成り立つ性質を,線型空間でも示し,実数でも示し,となると二度手間になってしまいます.
そこで,線型空間,実数は置いておいて,まず,群ゆえに成り立つ性質をさらっておきたいと思います.
ここでさらった性質は,線型空間でも実数でも成り立つことになります.
今回は,「群の公理」を紹介します.
(【参考】「二項演算」の定義は, こちら)
今回は,松坂和夫『代数系入門』(岩波書店) p.045 を参考にしました.
代数系入門/岩波書店
次回は,乗法群に関する極めて簡単な問題を出題します.
今日も,ありがとうございました.
【TeX source text】以下は読まなくても結構です.
\documentclass[a4paper,12pt]{jsarticle}
\pagestyle{empty}
%%%%%% TEXT START %%%%%%
\begin{document}
\noindent
\textgt{【群の公理】}
$G$ を空でない集合,$*$ を $G$ の二項演算とする.
次の \textbf{G1},\textbf{G2},\textbf{G3} が成り立つとき,
$(G,*)$ を \textgt{群}(group)とよぶ.
\begin{itemize}
\item[\textbf{G1}]
$*$ に関する \textgt{結合法則} が成り立つ.
\medskip
すなわち,任意の $a,b,c\in G$ に対して,
\[
(a*b)*c=a*(b*c).
\]
\item[\textbf{G2}]
\textgt{単位元} $e\in G$ が存在する.
\medskip
すなわち,次をみたす $e\in G$ が存在する:
\begin{quote}
任意の $a\in G$ に対して,
\[
e*a=a*e=a.
\]
\end{quote}
\item[\textbf{G3}]
任意の $a\in G$ に対して,その \textgt{逆元} $a^{-1}\in G$ が存在する.
\medskip
すなわち,任意の $a\in G$ に対して,次をみたす $a^{-1}\in G$ が存在する:
\[
a^{-1}*a=a*a^{-1}=e.
\]
\end{itemize}
\bigskip
\noindent
\textgt{【注意】}
\begin{itemize}
\item
通常は,特に必要がない限り,群 $(G,*)$ を単に $G$ と略記する.
\item
$a,b\in G$ に対して $a*b$ を $ab$ を書く場合,群 $G$ は \textgt{乗法群} とよばれる.
今後の一般論においては,記法を簡単にするため,乗法群を取り扱うことにする.
\end{itemize}
\end{document}