2019年11月26日にスマホに書き残した下書きより再編してます。
記憶力低下著しく…………まあ、軽い気持ちで読んでくだされ
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サイババが退院し、ようやくこの部屋に平和が訪れるはずだった。
相変わらず、回診後のストーカーLINEはソバージュから毎朝来るけど……
ジャマ・ソバも11/30には退院や!
そしたら、気兼ねなく廊下も歩けるし、ヒルズさんと話せる!
ヒャッホーイ!
最近独り言が多くなってきた羊さん。
サイババが居なくなり、部屋の中での会話も増えて、独り言も治るかな?
プラムさんは朝の自主トレへ。
羊さんも毎朝恒例の、10時の酸素室へ。
私は車検のことでディーラーから電話が入る約束なので、一人部屋に残る。
時計は10:15。
ようやく電話が入る。
1人だけなので、このまま部屋で電話を続ける。
突然スライドドアが激しく開かれ、轟音と共に引越しの荷物が1人分運び込まれる。
介助士さん2人と、患者2人が入って来る。
人が電話していても全く気にせず、衣装ケースやら物入れやら、滑車の力を300%活用して滑り込ませる。
たまらず廊下に飛び出して電話を続ける。
ディーラー車検、アホみたいに高い見積もりにイライラさせられる。
電話を切り部屋に戻ると、2人のうちの1人が挨拶に来る。
「おはようございます。今日からお世話になります!ほれ!挨拶しときなよ!」
と、もう1人のオバハンに向かって指示。
もう1人のちょっとのんびりした感じのおばはんが、のっそりやって来て
「ガー子です……」
荷物を運び込み、ベッドメーキングが完了したら介助士は引き上げる。
残された2人は、荷物の整理を始めた。
どうやら2人は2人部屋仲間だったらしい。
片方がこの大部屋に入ることになり、もう片方が保護者のようについてきた模様。
付き添いをジャイ子と命名します。
ジャイ子、私のベッド脇にやってきて、おもむろにカーテン開き、中の様子を覗き見ては、ガー子のベッドに戻り、
「あの人、こんな風にしてるわ!あないしたら使いやすいわ!」
またまたやってきて、不躾に私のベッド周りをじろじろ見ては、ガー子へあれこれ指示する。
ジャマトとサイババが一緒になったみたいなおばはん!
堪らん!
とりあえず、そろそろ自主トレに下りよ。
カーテン閉める。
そこへ現れたのは、4日前に退院した「サニーさん」
西棟の大部屋で、これまた個性的な珍獣たちを取りまとめていた76歳。
今日は、退院後初めてのリハビリ通院で、
「さっきリハビリ終わったから顔見にきたよ」
と覗いてくれたそう。
ソバージュの部屋にも顔出しに行くとのことで、自主トレに向かう私と一緒に廊下を歩き始める。
たまたま偶然、ソバージュが部屋から出てきた。
大きな声で話したわけでもないのに。
盗聴器でもつけられてるんか?
久しぶり?の再会を大袈裟に喜んでみせるソバージュ。
嫌な予感……的中
「サニーさん時間あるん?お茶行こう!時間あるんやったら色々教えて〜!」
自主トレを理由に断ろうとしたら、ソバージュが
「私もまだ行ってへんから!」
結局押し切られて連れて行かれる。
相変わらず気が弱い私・・・
喫茶店では当然、サニーさんの退院後の生活の様子を事細かに質問。質問。質問。尋問。質問。尋問。尋問。尋問。
電話番号をねだり、ショートメールのやりとりを取り付ける。
ある意味すごいわ・・・・
退院当日の夜ごはんはどうしたか?
娘家族が来てくれたとは、何番目の娘か?
その旦那は何してる人か?
どこ出身で両親は何をしている人か?
サニーさんには前もって伝えている。
ソバージュの、根掘り葉掘りの詮索癖と、私はそれが嫌やから時々意識が違う世界に飛ぶことがあると。
サニーさん笑いながら時々私を見る。
そして私の意識が、どこかへ飛んでいってしまわないように声をかけてくれる。
リハビリが終わったサニーさんと、話が聞きたくて仕方がないソバージュはいいとして、私はそろそろ自主トレに。
そう言い掛けると、サニーさん、察してくれた模様。
サニーさんも立ち上がり、お開きに。
支払い終えて病院の駐車場に向かう途中でまたまた車のディーラーから電話。
サニーさんに手を振り別れた。
ソバージュはサニーさんの車見せてーと、まだサニーさんから離れない。
電話を終えてようやくリハビリ室へ。
ホットパックを肩に乗せてもらい、ベンチへ。
追いかけてきたソバージュが言う
「私、今日は肩がちょっと痛いから、ホットパックだけしたら上がるわな」
別にえーけどな。怒)
私の自主トレメニューは全てこなすと45分かかる。
昼ごはんまで残り20分……
ソレナラワシの自主トレ邪魔シテクレルナヤ。
結局、エアロバイクを断念して部屋に戻る。
部屋では、ガー子がベッドの上で布団に包まりテレビを見て大笑いしている。
イヤホンなので何で笑っているかは不明。
しかしここが大部屋で、他人との共同生活だってことは全くわかっていないような程の笑いっぷり。
昼ごはん食べた後のお茶タイム。
病院が配るお茶は、何のお茶なのか…薄いし、まずいので、自分で用意した玄米茶を淹れる。
羊さんとプラムさんに注いで、ガー子に声をかける。
私
「熱いお茶、飲んでですか?」
ガー子
「あ、はい。じゃあここに」
と、蓋つきのカップを指差す。
中には、配膳前の配茶で入れてもらったお茶が。
「中にお茶あるけど、どうしましょう?」
と聞いてみた。
ガー子
「あ、捨てて」
終始ベッドに寝転んだまま。
マトモナヤツ、オランノカイ!
お茶タイム、特に話が盛り上がることもなく、それぞれが各々のスペースで好きに時間を過ごせばいいので、カーテン軽く閉めてベッドに寝転がり、背中の下にテニスボールを入れて、肩甲骨周辺の凝りを揉み解す。
ああ気持ちいい・・・テニスボール様様!とうっとりしていると
突然カーテンの向こうから
「ガーーー‼︎ゴーーー‼︎
ガーーー‼︎ゴーーー‼︎」
と聞こえる。
新人ガー子、イビキ女子。
私もイビキ女子であるので、文句は言うまい。
いやしかし・・すごいな
午後のシャワーの時間。
火曜日なので、風呂はなくシャワーのみ。
寒くなってきて、シャワーだけに来る人もほとんどない。
誰にも邪魔されずにシャワーを浴びよう。
ソバージュは14時からリハビリのはず。
その間にシャワーを浴びよう!
………………
途中で、西棟の珍獣に捕まる。
サニーさんと同じ部屋だった珍獣ネガティ。
全ての物事を、ネガティブに解釈する62歳のおばちゃん。
そのおばちゃん、シャワーに出る直前の私を捕まえて、
「相談があるんや」
私
「どうしたん?また暗い顔して〜」
ネガティ
「この病院って、治って無いのに退院させられるん?そんな病院ないやんなあ?」
と、また意味のわからないことを言いだす。
なんだかなぁもう……
多分 つづく