4月末
久しぶりの稽古茶事を終え約2週間
使ったお道具を半月ほど乾かしたので
生徒さんに箱にしまうのを手伝ってもらいました。
今日の軸は
仁信智勇厳
ちまき籠にちょうじ草と紫蘭を入れました。
私は片付けをするところまでが茶事だと思っているのです。
片付けながらお金の話をしました。
お金の話ってしにくいですよね
日本人は特にお金の話を嫌います
でも、大事な事です。
私がまだ本当にお茶を習い始めの頃、いつも先に帰る先輩が私の練習が終わるまで待っていて「一緒に帰ろう」と誘ってくれて歩きながらお包みの話をしてくれました。
私はまだ若くなんの先入観もなかったので言われた額を包むのが当たり前と思っていました。
時代は変わりました。
それぞれが1台ずつ車に乗ってきます。
先生がしにくいお金の話をしなくても先輩が指導してくれました。
わからなければ先輩や友人に聞きました。
今は先輩や友人に聞くのではなく、ネットで検索する時代です。
ネットは自分で取りに行かないと情報は出てきません。
茶事の経験のある古参の生徒さんもやめてしまい、指導者が自分で言わなければならない時代になったのです。
言いにくい事も教えないと生徒さんが外で恥をかきます。
最近、大寄せの茶会はあっても茶事はコロナ禍もあり本当になくなりましたから。
例えば案内状に金額は普通は書きません。
結婚式や告別式の様に付き合いによって金額が変わりますから
また、自分がお返しに茶事に呼び返す時も包んで行かなくて良いと言われています。
ただ、普通金額が案内状に書かれてなかったら無料で参加できるという事はないのです。
過去、待合でお詰めさんがお祝いを集めていたら「皆さん、それはなんですか?」と聞かれた方がいました。
今日のお祝いだと言ったら、お土産もお包みも持ってきていない、今日は会費はいらないと思っていたと言って泣きべそをかき帰ると言い始めました。
さすがの正客さんが筆ペンとのし袋、新券を取り出しその場は安堵しました。
昔は師匠が生徒を茶事に連れていき、そこで茶事の客ぶりなどを学ばせてもらいました。
新潟はお茶事は割と安価で1万円程度で参加させてもらえます。
もちろん付き合いによって上限はありません。
でも、その金額を高いと感じられる方もいらっしゃりランチは2000円と言われると、もうそれは人の考え方なので仕方がありません。
正午の茶事であればほぼ半日
普段の稽古では見ることのできないお道具
打ち水された露路などの非日常
友人の先生たちに聞くとやはり、最近茶事はしていないと言い、その原因は高齢化です。
茶事はしたい
だけど茶事は体力がいる
高齢者になると疲れて出来ないと。
また別の友人は自分が習いに行き出した頃、すでに先生は高齢になっていてお客になって茶室の中にいるだけで裏の指導は社中のお姉様方がしていたと言っていました。
高齢になるまでに生徒を育てたのはご立派です。
ただ、今の時代、多様化していて
茶事をできるような茶人になりたいと思う事なく、常のお稽古で十分という方もいて
お金のかかる事なので強要はできません。
ただ私が思うのは私も確実に歳をとります。
茶事のできる生徒も育て日本のお付き合いの文化も伝承して行く必要もあると思います。
諦める事なく、これからは希望者や友人とお茶事をしていきたいと思います。