パリに3年半滞在した頃、急にロンドンへのスライド話が持ち上がりました。

息子は開成の中学入試に向けて夏休みは日本に帰国し、早稲アカに通って毎日猛勉強していました。
あと数ヶ月で入試なのに、、、
ロンドンにスライドということは、中学受験は諦めなくてはなりません。
聖光や渋幕や渋々など、親の海外赴任に伴って何年でも海外に行ってもいい学校もあります。
しかし、開成をはじめ殆どの学校は海外滞在は一年と決まっています。
そして、殆どの学校が入学後1学期は学校に通ってほしいそう、、、


ロンドンへのスライドが本決まりし、主人と私は大喜び。
しかし、、、
息子はこの事を伝えると自分の部屋に入って涙ぐんでしまいました。
そんなに受験したかったのか、、、

理由を聞くと、パリの友人達と離れたくない。
来年の春まで今の学校でみんなといたい。

9歳で初めてインターに行き全く聞き取ることができなかった英語でしたが、今では外人の友達が沢山できました。
そして、英語でコミュニケーションが取れるようになったことは、息子の大きな自信になりました。
でも、そうなるには相当な挫折や苦労がありました。

そんな苦労を乗り越え、あと数ヶ月で日本で中学受験するから、日本に遊びに来てと友人達に話していました。
それが前倒しになってロンドンにスライドするなんて、また苦労が始まると息子の頭の中は不安と寂しさでいっぱいだったようです。


家庭教師の先生からは、「親の都合で色々な所に行かなければならないなんて可哀想」と、言われました。


ですが、これは息子の将来を考えたらとてもラッキーなこと。
今はまだ英語も流暢と言えないし、12歳の子供が話す幼稚な単語の会話しかできません。
イギリスに行き本番のクィーンズイングリッシュにふれ、もっと英語を伸ばしましょう!

主人と私で良いこと並べて息子を説得しようと試みたところ、15分後にはケロっとした顔でリビングにやってきました。

「ハリーポッターミュージアム行けるよね!」

笑顔で聞いてきた息子に

「好きなだけ連れて行ってあげるぞ」

主人が即答しました。


ロンドンのプライベートスクール編入試験も合格し、暫くは英語を伸ばそう。

開成受験は高校からと家族で決めました。