平成30年12月16日(日)、Yahooトップニュースに成年後見に関する記事が掲載されました。
朝日新聞デジタルの「成年後見取り組み、自治体で差 支援機関設置、半数未定」という記事です。
詳細⇒コチラ
日曜日とはいえ、成年後見に関する記事がYahooトップニュースになるなんて驚きました。
この記事によると、朝日新聞が主要105の自治体(政令指定市・東京23区・中核市・県庁所在市)にアンケートを実施した結果、以下について自治体によって差があることが判明したとのことです。
①中核機関の設置⇒約半数が未定
②市区町村長申立て⇒申し立て件数(17年度)には、実数で年間1件から309件まで開きがあった。
③後見人の報酬助成制度⇒対象を「市区町村長申し立て」の人に限定し、本人や家族による申し立てでは助成されない自治体が3割以上あった。
②・③は、親族・資産の有無にかかわらず、誰でも成年後見制度を利用できるようにするために欠かせないものです。
しかし、残念ながら自治体によって格差があるのが現状です。
③の報酬助成制度については、平成26年にリーガルサポート東京支部が弁護士会・社会福祉士会と東京都内の区市町村議会への請願・陳情活動を実施し、一定の成果を得ています。
詳細⇒報酬助成制度拡充の請願・陳情活動に対する各自治体の取り組み
私が知るある生活困窮者のケースでは、能力的に本人が申立てできない状態だったにもかかわらず、市長ではなく、本人によって申立てがなされました。
その自治体は、後見人の報酬助成の対象は市長申立てだけですので、結果的に後見人は無報酬で後見業務を行うことになります。
本来なら社会で支えるべきであるにもかかわらず、後見人個人に負担を押し付けるというのはいかがなものでしょう。
こういうことがまかり通れば、お金がない人はなかなか後見人の引き受け手が見つからないということにもなりかねません。
この記事によると、厚生労働省が11月から、全市区町村を対象にした初の実態調査に乗り出しているとのことです。
各自治体の市区町村長申立てや報酬助成制度の実態が明らかになり、制度とその運用が改善されることを願っています。
(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
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