先日、事務所の郵便ポストを開けると、私宛の封書が入っていました。
差出人は富山県の方だったのですが、心当たりのないお名前でした。
何だろう…と思いつつ、封書を開けたら、7枚にわたる手書きのお手紙が入っていました。
なんと、先日の富山県の行政書士による横領事件について、事情を良く知る方からのお手紙でした。
私がこのブログで先日書いた記事(コチラ)を読んで、お手紙をくださったのです。
このブログを約1年半書いていますが、読者の方からお手紙をいただいたのは初めてで、しかも事件の関係者の方からでしたので、驚きつつもうれしく感じました。
この富山県の事件についての概要は、下記のとおりです。
成年後見で知的障害男性の預金着服 行政書士に廃業勧告
(富山県の60代の)行政書士は平成27年9月ごろ、同県高岡市に住む当時40代の知的障害がある男性の成年後見人に就任。男性の母親の永代供養に絡み、男性の口座から実費より約12万円多く引き出した疑いがあるという。
北日本新聞⇒コチラ
処分内容⇒コチラ
横領の手口は、金額の記載のない受取書を受領し自ら架空の金額を記入して、差額を横領したということだそうです。
親族による解任申立てにより事件が発覚しました。
このお手紙の一部を引用いたします(差出人の方の了承をいただいています。)。
「2重3重のチェックのためには、収支が親族にも確認できるようにすべきだと思います。そうすればごまかそうという心がおこりにくいと思うのです。人はお金が目の前にあり自由に動かせるとおかしくなっていくのです。(中略)
野村さんの考えの通り親族による監督機能が働いた訳ですが、母親を亡くし一人になった預金が頼りの障害者の大切なお金です。1円だって着服は困ります。(中略)
この事件は行政書士の方々にはダメージかもしれません。でもこの先もある事です。少額でも廃業、懲戒になるのだと戒めておかしな気をおこさないよう。
選ぶ側には何があったのだろう。どう防げばいいのだろうと考えるきっかけになったと思います。」
「被後見人も後見人も守るためには不正の出来ない仕組みを早く作る事。性善説では無理です。法が整うまでは親族も知識をもち、お互いをチェックし合うしかないと思います。」
各士業団体で横領防止のために「倫理研修」を行っているかとは思いますが、どんな研修よりも、横領の被害にあった関係者の声を聞くのが一番効果があるのではないか…このお手紙を読んでそう思いました。
(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
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