借りもの。

時のむこうに

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249〜6,778円

８/10

”「日本は、この戦争に負けます」この言葉には、さすがにおどろいた顔をした。けれど、だんなさんだけが「やっぱり負けるか」と、こぶしをにぎりしめた。「たしか、五月十四日には、名古屋もやられます。そして八月六日、「原子爆弾」という、想像もつかないような強烈な爆弾が落とされ、広島が壊滅します。さらに九日には長崎に。そして八月十五日に、天皇陛下がラジオの玉音放送で日本の敗北を告げ、この戦争がおわるんです」”

”「たしかに戦争はつらいし、生活はきびしいよ。だけど、他人の力や学歴なんかじゃなくて、自分の力で生きてるって感じがするんだ」”

◇◆◇◆

娘からの借り物なので学校図書館においてある内容なんだろうな、と思いながら読了。現代を生きる小学生が、とつぜんに戦争の時代にタイムスリップをするお話。日本が戦争に勝つと思って、必死に生きていた時代。みんなが支えながら生きる人もいれば、もしくは抜け駆けして手段を選ばない大人がいたり…子どもが子どもとして生きる上でも、現代と戦争時代ではぜんぜん違う世界。絶句しながらも、生きる道を捜すのです。

戦争のお話って授業で聞いたり、当時の人に聞いたりするけど、実際にタイムスリップして自分が体験するのとでは全然違いますからね。リアルに自分がそうなっちゃった…という戸惑いを主人公と一緒に物語を読み進めていけます。とくに二転三転したりすることはなくて、話しはとてもシンプル。子どもが読んでも、大人が読んでも、こういうことって忘れちゃいけない。そう思わせてくれるわかりやすくて心のに残る本です。

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～時のむこうに～忘れちゃいけない歴史。