THE BROADWAY MUSICAL
誰も知らない、もう一つのオズの物語
2024年9月19日(木)13時30分開演
大阪四季劇場
キャスト:中山理沙、江畑晶彗、若奈まりえ、秋本みな子、カイサー・タティク、緒方隆成、河原信弘、飯野おさみ
アンサンブル:川畑和寛、光山優哉、菊池俊、佐野隼平、前田更紗、古木瞳、新宮友香子、藤野りさほか
日本語版歌詞・台本:浅利慶太、劇団四季文芸部
舞台監督:竹村公秀
友人が行けなくなったと譲ってくださいました。
ちょうど一緒に行ってくださる別の友人もいて、楽しみに出かけました。
ということで、見る予定はなかったのですが、流石な劇団四季、すごく楽しかったし、良い舞台だと思いました。
割と後方でしたが、舞台は見やすくて、世界観に入るには充分でした。
四季劇場ってそういう作りなんだなぁと毎回思います。
ウィキッド(なんか、発音しづらい言葉です…。)は英語の形容詞で、邪悪な、悪質な、不道徳なというような意味だそうです。
この作品はオズの魔法使いに想を得て執筆された小説が原作だとか。
著者はグレゴリー・マグワイアという人。
オズの魔法使いはライマン・フランク・ボーム作のファンタジーで、カンザスに住む少女ドロシーが竜巻に飛ばされて不思議なオズの国に迷い込み、そこで出会った仲間たちと冒険をする物語、らしい。
というのも、私自身は児童書ですら、原作を読んでいないし、アニメや映画や舞台なども一切触れていないため、タイトルと主人公の名前くらいしか知りません…。
現時点でも読んでいないので、もしかしたら原作に親しんでいたら、もっとこの作品を楽しめたのかもしれません。
この舞台の上演後、2025年3月には日本でも映画が公開され、また違った雰囲気のようなのでできれば見たいとも。
物語はオズの国のシズ大学の入学式から始まりました。
緑の肌を持つエルファバはマンチキン国総督の娘ですが足の不自由な妹ばかりを可愛がる父とは良い関係を築けないでいます。
期待に胸を膨らませて入学した大学ですが、肌の色を同級生からからかわれ、とても美しく人気者のグリンダとは特に互いに嫌悪感を持つ状況に。
しかも魔法を習いたいグリンダをしり目に、学長のマダム・モリブルはエルファバの魔法の才能をホンモノと認め、エルファバはいずれオズの魔法使いに会えると言われます。グリンダは憤懣やるかたない…。
そこへウィンキー王国の王子フィエロが転校してきて、グリンダは彼に夢中になります。
エルファバは自分には恋愛は似合わないと諦めています。
何かと衝突していたグリンダとエルファバですが、次第に互いを認め合えるようになり、心を通い合わせ始めます。
そんな中、エルファバのよき理解者であるディラモンド教授が追放されることに。
実は彼は人間の言葉が話せる山羊だったのです。
オズの国では今、同じように人間の言葉を話す動物たちが拘束され始めており、エルファバは危機感を覚えます。
一方でオズの魔法使いに会えることになり、グリンダと共にエメラルドシティに向かったエルファバはオズの魔法使いの本当の姿とその謀略を知ることになり、闘うことを決意します。
謀反を起こした形のエルファバには「悪い魔女」のレッテルが貼られ国民から敵視されるようになってしまいます。
グリンダは魔法使い側に身を置く決意をしますが、二人の気持ちは繋がっていると…。
割と複雑で、すごく理不尽なお話だと思いました。
ってか、悪い魔女って何?って感じです。
エルファバは何も悪くないし、むしろ登場人物の中で一番マトモな人でした。
それが、まずは肌の色で差別され、数の論理で悪者にされ…。
これはもう、マイノリティ排除の構図以外の何物でもないと感じました。
つまり…、現実社会で頻繁に起こっている、むしろ「常識」の世界を描いているように見えました。
ラストは恐らく大団円と言えるんだろうけど、マイノリティ側の私からすると、ちょっと納得いかないというか、違和感があるというか。
それでええの?!と思いました。
どれだけ理不尽なことも、数には負けるし、昨今のSNSでの炎上とかに似ているなぁと思います。
もはや真実なんてどっちでも良くて、叩ける相手がいるなら、関係なくても叩きまくる一定数いる「正義の人」たち。
もちろん、自らの行動は「正しい」と心から信じているので罪悪感はない。
むしろ、悪い奴を叩いているという正義感と満足感。
なんならいじめている意識も、ない。
なんていうか、関りになりたくない相手、です。
でもそれが世間一般になってしまうと、生きていけなくなるんですよね。
冤罪で人生をめちゃくちゃにされた人々の本当に悔しい気持ちや絶望感に繋がる気がする。
それでも一番大切なものを見失わないエルファバは素敵ですよね。
人は見た目が120%だと私自身は思っていますが、見た目で判断しちゃロクなことにならないとも思っています。
グリンダの人となりがつかみにくいけど、まぁ、エルファバにとって良い友人ならそれを信じるかな。
映画も見たかったのですがちょっと無理っぽい。
良い作品でした。
やっぱり四季やね、歌もダンスも素晴らしいと思いました。
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