さて。
書きます。
ここ最近、もどかしいというか何というか、わかりやすく言えば腹が立つ出来事が重なり、こんな話もめずらしいですが、毎日毎日ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる→ひつこい
失礼致しました。
ぐるぐると色んなことが頭をめぐり、腑に落ちたり落ちなかったり、納得できたりできなかったりしながらやっぱりそうだよな…と、何度回ってもどこに行っても着地する場所がありました。
やっぱり美容師は、お客様と共に成長していく、していける、そういう仕事なんだということ。
ありがたいことに私はこれまでそれを見て感じてきたし、教えてもらってきたし、育ててもらってきました。
感謝。本当に感謝。
世の中に様々な価値観が存在するように、美容の世界にも様々な価値観があり、様々な価値観の美容師がいて、様々な価値観のお客様がいて、美容業界も色んな力が加わりながら様々な変化を遂げてきて今があり、今はこうだとか昔はこうだとかもあって、古いだの新しいだの色々あって。
そんな中win winだとかよく聞くけれど、お互いが得する関係って何かって、そこの価値観も本当に人それぞれ。
で、私にとってのwin winて何かと言えば、目先の得や利益ではなく、生涯の財産となるような関係性のことなんだと。そういう関係を築くことなんだと。で、私が考えるそれは、絶対に誇りの中でしか生まれないし、そこに古いも新しいもないんじゃないか…と。
先日ご来店下さったお客様、5年程担当させていただいているお客様に、顔を合わせて早々こう言われました。
「前回のヘアスタイル、評判がよくなかったです。前の方がよかったとみんなに言われてしまって。」
苦笑しながらそう伝えて下さったことに感謝しつつも、これはもうどうしようもなく悔しいし申し訳ないしで闘志メラメラ、さてどうするかと。
シャンプー後、カットを始めると今度はお客様がはにかみ笑顔でこう言いました。
「なんかね、欲が出てきちゃって…すいません。」
そう言われて私、大袈裟じゃなく本当に涙が出そうだった。
この5年間、その方が最初にご来店下さった時の言葉を、いつも頭の片隅に置いて髪を触らせてもらってきたから。
「私、髪のこととか大体諦めているんで、とりあえず扱いやすくキレイにしてもらえれば大丈夫です。」
髪質に大きなコンプレックスを抱えたその方の正直な言葉。
で私、いったん深呼吸して気持ちを落ち着けた後、そんなことはもう絶対に言わせないと誓って、自分のちっぽけなアイデンティティーは捨て、彼女の中に入り込むくらいの気持ちで彼女の髪について考え、気持ちを想像し、髪に触れてきました。
で、この間のあの言葉。
「欲が出てきちゃって…」って、こんなに嬉しいことが他にありますかと。
前の方がよかったと言われているようじゃダメなんですけどね…すみません、もっと上手くならないと。だけどそう伝えて下さった裏側には、ヘアスタイルを楽しむ気持ちが芽生え、成長し、花開いていたという事実がそこにはあり。
これこれ。
例えばこれが、私が思うwin win。
たくさんお話しさせてもらうお客様もいらっしゃれば、何年も通って下さっているのに、未だに職業すらよく知らないお客様もいらっしゃいますが…笑
そういうことはすっ飛び越えて、お客様って本当に最高だなって思うし、美容師って最高だなって言わせたいし、自分もそう言いながら生きたい。
私が何かに負けたり力が及ばなかったりすれば、お客様は違う場所へと向かわれる。それは当然のこと。
だけど誇りをもってすれば、そこにさえ気づきは存在し、それが上手くなるきっかけにもなる。
だから私は毎日やる。感謝と誇りをもってやる。本当にそれだけです。
皆さま、いつも本当にありがとうございます。
全ての物事は、何かの上に成り立っているんだってことも忘れないように、感謝と誇りを持って。
ということで、長くなりましたがこれにておしまい。
っていうか…書き出しから何日たっただろうかこの記事…w
ふぅ～～～。
では！