私の母は精神を病んでいる

祖父と祖母はいとこ同士

近親者結婚である。

その結果、生まれてきた

私の母を含む四人とも

精神を病んでいる

もしくは身体が虚弱体質。


私の母は

若い頃から

躁うつ病だったと思う。

病院受診をするという

知識もなく

自分がどうして普通のヒトと

違うのか

教えてくれるヒトも

いなかったんだと思う。


私は実家が苦しくて

高校卒業と同時に

家を出た。


それなりに

母と父は実家で暮らしていた

たまに帰るとか

理解のある娘のふりをするのが

疲れた。

永遠に一人で話し続け、

泣きわめく母に

精神科の受診を

勧めようかと思うが

やめている

本人が納得しないと

また感情的になるからだ。


父は

自宅に寄り付かず

どこかに行って

夜帰って来る生活を

続けていた


ある日

「声が聞きたくて」と

母から電話がきた。

70歳になる母からの

電話は苦手だ。

自分のことを

永遠と話し続ける。 

そして泣きわめく。

苦痛でしかない。


たぶん、

彼女はこのまま生きていくのが

幸せなんだろう。

父が亡くなり、

同居していた弟夫婦も

追い出し

退職金すべてを

台所のリフォームに使い

自己流の料理で満足している


ときどき送ってくる梅干しは

いつも捨てているが

言っていない


年老いるとは

どういうことなのか

そのまま静かに

暮らしていくことではないのか

誰かに頼るなら

それなりの気遣いは

必要なのではないか

そう感じる春の陽