Baltic Sea (Thomas Johnson 2008)

受賞歴; HM'10, AM'12

 

年末最後のアイリスがブルー系であることと同様に、

新年最初にご紹介するアイリスも、やっぱり大好きなブルー系にします。

 

このBaltic Seaは、現在世界のアイリス育種農園で最も活発に活動している

Mid-America Gardenの若手育種家であるT.Johnson氏の作出花です。

もともとMid-America Gardenはオクラホマ州にあったPaul Black氏創業の育種農園

ですが、現在はアイリスの聖地・オレゴン州に移転し、世界最大級のアイリス園に

成長しています。T.Johnson氏はこのBlack氏の共同経営者として、それぞれに育種を

行い、品種を発表しています。

育成品種のレベルも年々高くなり、今ではどれを選んでも素晴らしい花が咲く

品種ばかり発表しています。近年は年末にご紹介したB.Blyth氏との交流が深まり、

お互いの未発表実生を親に優れた実生苗を育成し、さらに育種が進んでいます。

T.Johnson氏は2010年にPaul Blackという共同経営者の名前で発表した品種により

ダイクスメダルも受賞しています。

 

品種説明以外が長くなって失礼しました。

 

 

この画像の通り、この品種は着蕾数が多く、同時に3つや4つ開花することも

良くあるので、たいへん華やかな姿を見せてくれます。

強健で花茎も硬いので、群生させると素晴らしい花壇に仕上がります。

もちろん、個々の花も強ラッフルの観賞価値抜群な花ですので、大好きな品種の一つです。

少しだけ残念なのは、遅咲きなことです。

開花が遅い品種は、気温が高い日が続くと花弁がだれてしまってみっともなくなる場合があり、

ハナムグリなどの食害にあいやすいという欠点もあります。

でも、たいへん優良な品種だと思いますよ。 

 

この品種を交配に使いましたが、例によって事情により播種できずに終わりました・・・

種子はちゃんとできますよ。