川上弘美
好きな作家のひとり。
たまに、散歩がてらふらりと行く近くの図書館に
川上弘美の本がたくさん並んでいるのを発見。
感激して、全部読んでやろう!と
ハイペースで通うことを決意した今日この頃。
大学生のころ、この著者の作品を何冊か読んでいたのだけれど、
初期の作品ののんびりした、不思議感漂う恋愛物語にあまり共感できなかった。
でも古めかしい文体は好きで
ずっと気にはかけていた。
そんな彼女の07年芸術選奨文部科学大臣賞受賞作品でもある
「真鶴」を読んで、深く読み手を引きずり込む作品となっていたことに
感動し、改めて今までの作品を読んでみようと思ったのであります。
「センセイの鞄」は、01年の谷崎賞受賞作。
実は、「パレード」という、センセイの鞄の後編にあたる作品を
先に見つけ、立ち読みし、
センセイとツキコさんがそうめんをゆでている
最初のシーンに引き込まれ、
即座に「パレード」のハードカバーを
勢いよくパタリと閉じ
先の作品を読むことにしたのであります。
居酒屋でたまたま再開した
高校の国語の先生だったセンセイと
その頃の生徒だったツキコさん。
もうおじいさんのセンセイと40代になるツキコさんが
まったりとした、やわらかい、何とも言えない空気に包まれながら
テンポのいい会話を軸に物語がすすんでいく。
40とはいえ子供のようなあどけなさの残るツキコさんと
世を悟ったようなセンセイ。
ちぐはぐなようで、なぜかしっかり噛み合う会話。
え、好きになっちゃったのかな??
え、つきあっちゃうのかな!!
えっ、センセイなかなかやるなぁ
なんて、後半はどきどきして、むずがゆくて。
知らないうちに、猛スピードでページをめくっている自分がいたのだけれど
いやいや、こんな面白い小説はなかなか出会えないのだから・・・
と自分に言い聞かせ、
ゆっくりと一言一言をかみしめるように
一ページ一ページ大切にめくりながら読んでいった。
センセイが、古物市に行ったときにアロハシャツをきていたり
おしゃれそうな帽子をかぶっていたりする人物表現も
私好みでした。
読み終わった後も
もっともっと2人のことが知りたくなってしまったのでした。
