またいつの日かなどと申しましたが、忘れぬうちに続けます。


デビッドさんの渡航のお世話はかなり大変でした。


1、まず飛行機大嫌い

  絶対にダメ。
  日本から本国のイギリスまで飛行機なしで帰りたい。飛行機


そうすると『ナホトカ経由・シベリア鉄道の旅』しかありません。


これは、お値段の手ごろさでバックパッカーたちに人気のヨーロッパ行きのコースですから、豪華という言葉からはちょっと遠いです。


ゴージャスなキャビンをお求めのデビッドさんに分かっていただくのは相当大変でした。



2、次はお顔のペイント


当時彼は『絶対に素顔を見せない謎のミュージシャン』ということになっていました。


日本人でデビッド・ボウイの素顔を見た人はその頃一人もいなかったわけです。

 

しかし・・・・ソ連をはじめ共産圏諸国が人相不明のパスポートの持ち主にビザを発給するわけがありません。


私も上司も領事館と散々交渉しましたが時間の無駄。砂時計


結局デビッドさんは素顔の写真付きパスポートをシブシブ取り直すしか道がありませんでした。



『眞美さん、素顔の写真見たの?』


『見ましたよ。お仕事ですから』


『私にも見せて!』


『ダメ。秘匿義務です』



ワーワーキャーキャービックリマーク


私はデビッド・ボウイの素顔を見た最初の日本人・・・かも。


ご冥福をお祈りいたします。