今回の題名は、私が敬愛してやまない作家、三浦しをんさんの『秘密の花園』から。
この本は、女子高に通う三人の少女が、「私」とは何なのだろう、どうしたら「私」なのだろう。とそれぞれに秘めごとを宿しながら悩んで、それでも生きていく、といった本。
三浦しをんさんの独特の表現力に圧倒されるのは勿論のこと、女子高育ちの私には、登場人物の心情や考え方など、とても親近感の湧く本である。
その中でもとりわけ私の心を掴んだ一節は、
"果たされた約束と、果たされなかった約束。どちらが多いのだろうと考えて、翠と私をつなぐものなど結局のところ何もないことに気がついた。それはとても悲しいことのように思えた。"
この部分がずっと忘れられなくて、私の心に反芻していて。(この本を読んだのは随分前のこと。)そして、特に、中高を過ごした友達と会うと、余計に…。
今年のクリスマスイブの夜、中高大と青春時代を一緒に過ごした友達と夕食を共にした。
私を含めて人数は三人で、その内一人とは、今でも割と頻繁に会っている。もう一人とは、約二年振りの再会になった。どちらも、私にとって大切な友達なのは変わりない。(今回のお話は、二年振りの友達に焦点を当てて話すけれど。)
久しぶりに会った友達とは、高校一年生の時、一緒のクラスで、本当に飽きる程ずっと一緒にいて、毎日バカばっかりしていた。
学校は三鷹台にあったから、放課後は、ほぼ毎日、渋谷か吉祥寺で遊んでいて。
休みの日は、フリータイムで朝から夕方までぶっ通しでカラオケしたり、当時、塩が本当に大好き過ぎて、遂にはふと入ったラーメン屋さんで枝豆頼んで、お皿に塩をしこたま入れて、枝豆を緑が隠れるくらい塩塗れにして、大爆笑しながらバクバク食べたり(タイムスリップしてその時に戻れるのならば、全力で止めてあげたい…笑)、思い出を詳細に話すときりがないから割愛するけれど、他にも、スタバで何時間も語り合ったり。
彼女はとにかく、よく笑う子で、この子程の笑い上戸は他に見たことないレベル。何でもない事ですぐ笑っちゃうの。
私も、よくいつも笑ってるね、と言われる方だけれど、そうなったのは、きっと彼女の影響もあると思う。
ふとしたなんて事ない事で笑うって、とても幸せな事だと思ったから。
二年振りにあった彼女は全く変わっていなくて。三人でとにかくずっと笑っていたよ。「二年会ってないなんて嘘みたいだねぇ！」なんて言いながら、思い出話に花を咲かせて。時には、本気で語り合い。
そんな夜の帰り道は、高校生の頃、私に彼女が、「これ、まみちゃんと私の事だと思ってるから聞いて。」って言ってカラオケで歌ってくれたのを思い出して、加藤ミリヤさんの『Last Summer』を冬の寒空の中聞いた。
女子同士の友情の歌なのだけれど、その歌詞全てが、まるで本当に友達と私の事のようで、刺さるの。(普段余り聞く音楽の系統じゃないが、これだけは特別。)
特に、
"ねえ覚えてる？夏の夜
どんな景色も
君がいたから美しかった"
という部分が好きで。
あの頃の一緒に過ごした時間は、アホみたいな事たくさんしていたけれど、全て無駄じゃなくて、それどころか、キラキラ輝いていて。
『秘密の花園』の一節の部分に戻るが、確かに、高校生の頃は、友達が凄く好きだけれど、いつ離れるんだろう？と思ったり、繋がっていないと不安になってしまう事もあった。
でも、少し大人になって思ったのは、私と彼女たちをつなぐものなんて何もないのは当然の事で、ましてや、一人とは二年振りに会ったくらいだ。でも、だからといって関係が希薄な訳でもなく、悲しい事とは感じない。
矛盾した言い方で精神論なのだけれど、本当に大事な人とは、繋ぐものがなくても、繋がっているものだと思う。
本の中の登場人物たちも、少し大人になったら、きっとそれに気付く日がくるのだろうな、と願いながらそこの部分を読んだのを覚えている。
『Last Summer』を聞きながら、何があっても、私の大事な友達に何かあればすぐ助けようと、何があっても、見捨てないと一人で勝手に約束した夜だったよ。
(と、かっこつけてますが、実は割と随分前から、心の中でそう誓っていたり…。)
まぁ、基本的に私を含めて、私の友達は、女子のくせに、かっこつけたがりが多いのでね、中々弱ったところは見せてくれないけれど、だからこそね、弱った時は、いの一番に駆け付けたいね。
きっと、生きてて、果たされた約束も果たされなかった約束もどちらも多いと思うけれど、それくらいは果たしたいものですね。約束は果たした方がかっこいい。勝手に誓った約束ですが、他にも何にでも、例えふと軽く交した約束も反故しないように生きれたら、、、いいなぁ！
冬の夜、景色は君達と一緒だったから美しかったです、ありがとう。
…衝動に駆られて、熱く語り過ぎて恥ずかしいから、(特に友達の本人たちには見られたくない！！！笑)次は、くだけた楽しいブログ書きたいな。
音楽聞くとどうもね、熱くなっちゃうのよね。でも、この想いは文章にまとめておかねば！と思って。
またね。(『Last Summer』聞きながら、感極まって泣いちゃったのは、内緒にしてね！)