マイナーリーグ1A以下では審判は二人制

2A3Aで三人制

メジャーでやっと四人制になります。

メジャリーグ審判に挑戦している

サムライ審判さんが

一人制審判を体験されたそうです。。。。

審判は奥が深い。。。。。。。


~~~以下ブログより~~~


Spokaneでの最終戦で、球審のLewisが退場し一人で審判を行わなければいけないと
いう事態に陥りました。

事の発端は5回裏、打者がバックネット側へ鋭いファールボール(ファール・チップ
ではありません)を打ちました。キャッチャーが辛そうにしている姿を見て、僕は最
初『キャッチャーのマスクに当たったのかな?』と思いました。その後Lewisが自分
のマスクを外し、変形等がないか確認しているのを見てLewisにも当たっていたとい
うことは分かりましたが、その場では特に何事もなく試合が続けられました。

5回裏終了後にLewisがホームチームのダグアウトに向かって歩いて行き、トレー
ナーと話を始めたので『ひょっとして、さっきのファールボールか?』と思い駆け
寄ると、案の定脳震盪のような症状があるということでした。

僕が『大丈夫?無理せず交代したほうが良いんじゃない?』と言うと、Lewisは『と
りあえず、もう半イニング様子を見てみる。今は脳震盪よりもお腹の調子が良くな
いから、それが収まれば大丈夫だと思うんだけど・・・』という答えだったので、
『わかった。でも無理するなよ!ちょっとでも様子がおかしかったらいつでも代わ
るから!』と言って6回表に入りました。

しかしながら状況は変わらず、結局6回表を終えた時点で試合を続けることが出来な
くなりました。

この場合、当然ながら代わりは僕しかいません。

以前はマウンドの後ろからそのままストライク・ボールをコールしたり(先輩の藤原
さんはマイナーでこの経験があるそうです!)ということも可能だったようです
が、現在マイナーリーグではこの方法を禁止しています。そもそもフェア・ファー
ルが全く見えませんからね。
また、各チームからコーチを一人ずつ出させて3人で審判をするといったやり方も
あったようですが、現在は残された審判のみで試合を続けなければいけません。

とにかく控室へ直行し、急いで球審の道具を装着してグラウンドに戻りました。控
室を出る際、Lewisは何度も『マサ、申し訳ない・・・』と謝っていました。これは
彼のせいではありませんし、彼を責めるつもりなど全くありません。むしろ、よく
決断してくれたと思っています。無理に試合を続けては症状が悪化することにも繋
がりますし、最悪の場合は命にかかわる次第に発展することも考えられます。皆さ
んに分かっていただきたいのは、試合途中で身を引くというのは物凄く勇気のいる
ことなのです。僕が逆の立場だったら、果たして同じような決断が出来たかどう
か・・・それを考えれば、彼を責めることなど到底出来ません。


準備を終えてグラウンドに戻ると、約6,500人の観客が大きな拍手で出迎えてくれま
した。ちょうど投手交代があったので眼馴らしに数球見た後プレイをコールし、よ
うやく試合再開です。控室のドアが開くまでに時間がかかったりということがあ
り、約10分間試合が中断してしまいました。

今シーズンここまで何十試合も球審を務めてきましたが、物凄く不思議な感覚での
球審です。ナイトゲームと言ってもいつもはだいたい夕方の明るい時間から試合が
スタートして徐々に暗くなってくるので、ライトに燦々と照らされている状況から
のスタートというのはまるで異次元にいるような感覚でした。

試合の続きはというと、ダブルプレー等の際どいコールが何度かありました。やは
り本塁周辺からコールをするのでは説得力がありません。しかしながら両チームの
監督共に我々の仕事をとても理解してくれており、試合も大差がついていたので特
に抗議等はありませんでした。


ただひとつ納得がいかなかったのが、2アウトランナー1・2塁 3ボール・2ストライ
クからのハーフスイングを僕が『スイング』とコールした際のことです。

打者は最初若干不満そうな表情を浮かべた後に突如笑い初め、一塁方向を指差して
『塁審に聞いてくれる?』と言ったのです。もちろんそこに塁審はいませんし、彼
はそれをわかっていてそのような態度をとったのです。

僕は頭にきたので『バカにしてるのか!?こっちは真剣にやってるんだ!!』と言
い返しました。それでも打者は笑いながら『塁審に聞いてくれよー』と続けたので
『お前ふざけるなよ!いい加減にしろ!!』と言い放ちました。直ぐに監督が3塁
コーチボックスから近づいてきて『ちょっとふざけただけだよ。俺の位置から見て
もスイングの判定は合ってたから気にしなくていいから』と言いましたが、当然な
がら僕の気持ちが晴れることはありませんでした。

これが二人で審判をしていて、本気で打者が不満で文句を言ってきたというのであ
れば話は別です。むしろそちらの方が何十倍もマシです!もちろんハーフスイング
の判定に対して抗議は出来ませんし、数日前の試合で僕はハーフスイングの判定を
巡って打者を退場処分にしました。ただそれは警告を与えた後も抗議を続けたから
ルールに則って退場処分にしたまでで、個人的に腹が立ったからとかそういった理
由ではありません。

もちろん今回の僕の対応が審判として適切かと言えば、そうではないと思いま
す。常に冷静でいるのが審判としてあるべき姿なのかもしれませんし、相手にせず
無視してほおっておくことも出来ました。ただ、今回に限ってはそれが出来る状況
ではありませんでした。

そんなモヤモヤを抱かえながらもなんとか試合が終了し、グラウンドから去る際に
多くの観客の方が『ブルー(審判の俗語)!良い仕事だったよ!』と声をかけてくれ
ました。この声のおかげで、少しだけ僕の気持ちは晴れることが出来たのかもしれ
ません。

とにもかくにも、5連戦が終了しました。Lewisはいつ復帰出来るのかまだわかりま
せん。ここに来て正念場を迎えていますが、しっかりとシーズンを締めくくりたい
と思います!