Studio LIfe 「WHITE」観劇記 長文です。 | 気まぐれで気ままなつぶやき・・・。

気まぐれで気ままなつぶやき・・・。

好きなお芝居や音楽、映画について綴りつつ、日々の感じた事などを
語れればと。


次世代を担う演劇人育成公演。

作・監修  倉田淳
演出 平河 夏

以心 伝心 と2チームのダブルキャストです。

         以心      伝心

正治      板倉武志     堀川剛史
岩波           平居 正行
坊       織田和晃     工藤 陸
マドンナ         鈴木 智久
三角 草太郎  神野 明人    松村泰一郎          

ハクション/用務員    牧島進一
ティンク/教頭     原田洋二郎                              ウィンディ/向井     緒方和也 
バオバブ/桜子      奥田 努

校長、不良少女 プレイボーイやらの脇役を以心では伝心が
伝心では以心チームのダブル役の俳優さん達が演じます。

学校が舞台。授業で立たされていた3人組の男の子たち
(正治、岩波、坊)がマドンナを追いかけて図書館に行くと、
そこには周りに対して心を閉ざしていた三角くんがいた。しかし、
坊が見つけてきたなぞなぞの本だと思った本が実は魔界の書
(そこに専用のペンで書き込めば、何でも願いが叶うという)
「WHITE」で、そこから、ハクションや、ティンクや、
ウィンディが次から次へと現れて、大騒動~~~!
そしてそれをきっかけに時空へと飛んでいき、
「走れメロス」「森は生きている」「星の王子さま」の
世界などに紛れ込んでしまう……。

ちょっと思い込み激しい、おちゃらけてて、お調子者
でも憎めない正治、正ちゃん。でもみんなのリーダー的存在。

一番真面目そうで読書家みたいだけど、読んでいる本は
「女の気持ち、男の気持ち」なんていうハウーツー物(笑)
頭でっかちな岩波君。

ちょっと、いやかなりの天然(笑)坊君
この3人が前半の主役のようです。

坊君がなぞなぞの本だと思いもってきた「WHITE」を
きっかけに次から次へと出てくる、ハクション魔王の
見習いとか、本の妖精ティンク、破壊魔王 ウィンディー
達と大騒ぎ~~~!

バタバタの中、図書館にやってくる不良少女、
マドンナとプレイボーイ。

前半、じたばたと爆笑大騒動なのですが、ここはリズムと
テンポと呼吸が物を言う所ですね!

フレッシュさん達やら役者さん達は楽しそうにはしゃぎ
演じてらっしゃるけれど、このリズム感でのお芝居に
なるまで、さぞかしお稽古された事だろうと・・・。

セットの転換が面白いのです。
キツネのお面をつけた役者さん達がいつもの学校から
図書室、物語の世界へとセットを動かしていくのです。

そして暗転時に使われる曲「美・チャンス」(ZABADAK)
この曲が効果的に使用されていてとても良いのです。
とても素敵な曲ですねぇ~~♪

美・チャンス-妖しい輪舞- - ZABADAK

そして、舞台は動から静へと移っていきます。

後半の主役は三角君。


逆さテーブルの舟に乗った正ちゃん、岩波くん、坊くん、
三角くん、ハクション、ウィンディ、ティンクの七人は、
「走れメロス」の世界に迷い込む。

真っ白な頭巾をすっぽりとかぶらされたセリヌンティウス
が連れてこられ、王になっているバオバブ。

頭巾を取るとセリヌンティウスは姫(マドンナ)。

メロスを待っている。メロスはこないと王(バオバブ)

処刑されそうになる姫を救うために、まず正ちゃんが
「俺がメロスだぁ~~」とメロスになりきり
次から次へと船を降りてその物語の世界へと
飛びこんでいく。

でもメロスではないことがすぐにばれてしまい
その時の3人の兵隊さんが正ちゃんたちの顔みて
「メロスはこんな老けた顔してなかった」
とか、「メロスはほくろがこんなになかった」とか
其々のことを言う場面が爆笑ものです(これは
堀川さんの正ちゃんに対するコメント・笑)

結局三角くんとハクションだけが舟に残る。

この様子を見ていた三角君は「メロス、こなくても
いいよ」と。
自分の命以外に大切なものなどないはずだからと。
メロスが戻ってきたのが疑問だった。

正ちゃんたちは物語の世界の中へ入り込み
舟に残ったのはハクションと三角君だけ。

場面は変わり、凍てつくような冬のよう。
これは「森は生きている」らしいのですが
未読ゆえわかりませんでした(お恥ずかしい)

真っ白なショールをはおった少女(姫)が
現れて蝶々を探している。
命より大切な蝶々・・・この場面での姫の台詞
を語る、鈴木君が素晴らしいかったです。
本当に女性に見えて、しっとりと女性らしく
素敵でした!

この真っ白なショールが「WHITE」の姿変えたもの。

森の精となった正ちゃんたちが
楽しげなダンスをしながら登場です。
この場面のダンスは弾けてます!

そこへ火の精となったバオバブも
一緒にダンスをするのですが、このダンスシーン
滅茶苦茶かっこいい~~~!
奥田さん扮するバオバブがかっこいいのです!

火の精から火をわけてもらうため、少女からショールを
奪うことになった森の精たち。

季節を春に変え、蝶々を呼んであげることで、それと
引き換えに少女からショールを奪おうとする。

春になり空を舞うたくさんの蝶。でもその中に、
少女の探すたった一羽の蝶はいなかった。
「いないわ」という。
バオバブは一羽、一羽の見分けなんてあるはずがないと。

その物語を見つめる三角くんには、どの蝶もすべて
同じにしか見えない。
違いがわからないなだ。

少女から無理矢理奪われたショールは
結局引き裂かれてしまう。


そしていつのまにか「銀河鉄道の夜」車掌はバオバブ。

乗客になった正ちゃんたち。

一枚ずつ、紙切れを拾い上げ切符のように車掌の
バオバブに切ってもらう。

三角君、いつの間にかジョバンニに。
切符のない三角君。

そしていつしかカムパネルラになっている姫。

沢山の紙切れの中から自分だけの切符を選らば
なければいけないのに、それが出来ない三角君。

切符がなければ銀河鉄道には乗れない。
乗り遅れたら置いていかれて、死ぬしかない。

三角君が死んでしまったら、もう次の物語はない。

だってこれは三角君の作りだした物語の世界。

三角君はみんなに「助けてくれ」と叫ぶ。

でもみんなは助けられない。
助け方がわからないという。

何も語ろうとせず、傷つくのが怖くて人と関わろうと
せず、殻に閉じ籠っていたから。

いつしか物語は「星の王子さま」に。

王子様や、キツネになって、正ちゃんたちは
淡々と物語を進めていく。

この朗読の場面は圧巻で、そして感動的です。
ここから私は涙、涙なのです・・・・。

「ぼくと遊ばないか?ぼく、本当にかなしいんだから」

「俺、あんたと遊ばないよ!飼いならされていないんだから」

「飼いならすって、それなんなんだ!」

「仲良くなるっていうことさ」

「たくさんの中の、たった一人の人
たった一人の人を選ぶこと。
飼いならすこと、飼いならされること。仲良くなること」

カムパネルラ(姫)が「あんたが、おれを飼いならすと
おれは、もうお互いに離れちゃいられなくなる」

あんたは、俺にとってこの世でたった一人の人になるし
俺はあんたにとってかけがえのないものになるんだよ」

涙ながらに三角君に訴えるカムパネルラ(姫)
今まで静かに佇むような姫が初めて、感情を露わに
して叫ぶ場面は心に沁みます。

でもバオバブは一言「負担だな」と。
この言葉が胸に突き刺さりました。

人と関わることは傷つくことかもしれない。
怖いことかもしれない。

誰かを飼いならす、そうしなければ、
たった一人のかけがえのない人は
得られない。

三角君にたくさんの紙切れの中から
一枚の切符を選んで欲しい。

三角君はやっと舟を少しづつ階段を下りて
一枚の自分だけの切符を選ぶ。

三角君はその時

「ぼくは痛い ぼくは辛い ばくは淋しい 
   ぼくはここにいる・・・・。」

真に迫る、この終盤での言葉。

涙が零れおちそうになりました。

三角君はついにバオバブからペンを奪うのです。

WHITEに正ちゃんたちの名前を書いて
元の世界に戻してもらうために。

そして、白い本に自分のことを書いて
正ちゃんたちに自分を読んでもらうため。

正ちゃんたちのWHITEを自分も読むために。

バオバブにペンを突き立てるのです。

場面は元の世界の図書館へと。

姫を探して図書館にやってきた3人。

そこへやってきた三角君。

でも以前のような殻に閉じこもる三角君では
なく、明るく自分の言葉で話せる三角君です。

WHITEという真っ白な本を求めて、自分探しの
旅を通じて、少しずつ心を開いていき、
最後のぼくはいたという心の叫び・・・。

松村君の三角君、迫真の演技で、彼の心の絶叫が
私の心を揺り動かして琴線に触れたのです。
(勿論神野さんも素晴らしかったのですが)

年を重ね、すれてしまったかのような私の心が
浄化されていくような気がしました。

三角君を惑わす、悪の化身のようなバオバブ。

清らかな純粋な心を象徴するかのような姫。

この二つは三角君の中に存在するものだと。

トーマの心臓の「自分の心の中の良い種、悪い種」

これと相通じるものを感じてしまいました。

この作品は倉田さんの22年前のオリジナル作品とか。

勿論古く、べたな所はあるのかもしれませんが、

現代にも通じる大切なものがそこにがあると。

自分の殻に閉じこもり、なんとかそれを抜け出したいと

もがき苦しむ内面の揺れを描かれる倉田さんならではの

優しく、温かいお話かと。

本当に素敵な舞台でした!

感動をありがとうございました!

私が拝見した回のゲストは坂本岳大さんでしたが、
ほんとプレイボーイ、決まってました!(笑)

坂本さんが最後のご挨拶で、「こういう新人公演が
する劇団Studio Lifeって素晴らしいです」と
仰ってましたが、本当にそうですよね!

プレイボーイか不良少女役で先輩役者さん達が
ゲスト出演されるのですが、

別の回では岩崎大さんでしたが、不良少女役というか
麻呂というお馴染みのキャラらしいのですが、
もう本当に白塗りの御顔で可笑しいのなんのって!
笑わせて頂きました!
大さんもお茶目な方なんですね!

新人さんたち、本当に健闘されてました!
前にも述べたように、松村君の三角君に
ただ、ただ、感動です!

この三角草太郎という役は良い役ですね!
本当の主役は三角くんという感じでしょうか!

工藤君の坊は天然そのもので可笑しく可愛いし

織田君の坊は可愛いし、でも不良少女役が
様になっていて上手~~!

平井君の岩波役も本当に真面目で頭でっかちな
不器用な感じが凄く出てて良い味です。

板倉君の正治役も元気が良くて弾けてて
凄く頑張ってるなって!

そして今回の注目は鈴木君です!
マドンナという女性を本当にしっとりと
演じてらして、こういう女性いるなぁ~と
自然な感じで素敵なマドンナそのものでした!

堀川さんの正治役は、もう正治そのものでした(笑)

もうダンスの切れもいいし、正ちゃん!素敵!
ダンスシーンでは堀川さんしか見てない私です(爆)

登場シーンでも側転も決まっていてかっこいい~~♪

もう贔屓目と言われても仕方ないほどかっこいい!
これが言いたくて長文書いたようなものかも(爆)

脇を固める先輩方も本当に素敵です!

牧島さんのハクションはチャーミング!
大きな体で踊るサンバはなかなか素敵!
それにいつも牧島さんって愛を感じるのです。

以前、青木さんもハクションを演じられたよう
ですが、それ見たかったかもぉ~~!

原田さんのティンクも知識の妖精の可愛い感じが
出てるし、原田さんの弾けっぷりも凄いです!
じゃじゃ馬の時の未亡人も素敵でしたが、
色々な役が出来る方だなと。

ウィンディーの緒方さんも何だか凄みに
かける破壊魔王?
「泡だった、煮えたった」と目隠しして
歌われる場面はほんとにキュートなのです!

神野さんの三角君はおどおどとした三角君の
不器用さが上手く出ていて良かったのですが、
何気に校長先生がよかったです(笑)

そして何といっても、バオバブと桜子の
奥田さん!
もう桜子は、ちょっとどじでヒステリックな
女教師って感じでいいですし、
バオバブの登場シーンでは思わず

「いやぁ~~ん!奥田さん、かっこ良すぎぃ~」
と胸キュンとなりましたです、おばちゃんは(爆)

ちょっとお笑いを入れるのは奥田さんらしいけれど
マトリックスのようにかっこ良い悪役でした!
悪役だけど、本当は良い人なのかしら?バオバブ?

Studio Lifeは本当に素敵な役者さんが多く
いらして、目移りしてしまいます(爆)

本公演とは又趣きの違う新人公演は、歌あり、踊りあり
笑いあり、涙ありと面白さてんこ盛りでした!

リズム感、躍動感、心がうきうきする感じ。

そして何より、大切なものについて考えという宿題を
頂いたような気がしてます。

ちょっと、じっくり考えてみようかと。