2023年 NHK
出演:森山未來・佐藤隆太・渡部篤郎・溝端淳平・玉置玲央・前田旺志郎
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李中煥は佐世保の米軍施設に移送され、アメリカは李を大韓民国へ強制送還するという連絡が布施に届く。
1950年(昭和25年)3月30日 佐世保 針尾収容所
布施は李に面会し、李の供述と遺体鑑定書が合致したことと、アメリカに強制送還の延期を依頼したことを告げる。
「死なずに済むよ」
気を良くして、更に細かく下山事件について語り出す。
※延期なのに・・・※
紙とペンで、下山殺害の状況を図で書き出した。
小さい部屋の台の上に服を脱がされ血液を抜かれてる様子だ。
ついに全貌が分ると思った。。。
だが、その翌日の3月31日 東京地検
「李中煥の言ってることは全部嘘だ!」
東京では渡辺修二(前田旺志郎)という男が李の供述を真っ向から覆していた。
渡辺によると、李の話はアメリカの作り話だという。
※どっちにしても国家レベル※
渡辺と李はCICの協力員で諜報活動を行っていた。
そのCICの情報を元に、渡辺・李・井戸沼の3人でソ連がやったいう嘘の筋書きを作り、李はワザと詐欺で逮捕されてその筋書きを語った。
「その筋書き通りに話したかをアメリカは確認したはずだ!」
調書を奪ったのはアメリカか!?
だとしたら、下山暗殺を企てたのは・・・
馬場次席に呼ばれる布施。
次席室にはアメリカ総司令部CIC(アメリカ陸軍対敵諜報部隊)の吉田太郎がいて、
李の捜査は打ち切れと迫る。
「これ以上は混乱を招く」
馬場は「言う通りにしろ」と布施に合図する。
※アメリカは日本の警察機構をナメていたんでしょうね。ここまで真相に近付くとは想定外で焦ったのでしょう※
GHQ
↓
G2
↓
CIC
この縦組織で、G2のトップのウィロビー部長は反共産主義者。
下山総裁がソ連の共産主義者に暗殺されたとなれば、日本の共産主義者に対する反発も強くなる。日本を反共産主義の流れにしたかった思惑だったが、渡辺修二がそれを告発してしまったのだ。
日本はアメリカの占領下。アメリカには逆らえない。
これ以上の深掘りは出来なくなった・・・
4月8日
朝日新聞の矢田が李中煥に会いに行く。
面会室に飛び込んできた李は必死の形相で矢田に助けを求める。
強制送還が決まったのだ。
※そりゃ延期だもん・・・※
「戻ったら俺はアメリカに殺される!」
「今朝、おまえの役目は終わったと言われた!」
生き延びる為、食う為にやった諜報活動だったが、命を懸ける覚悟までは李にはなかったようだ。
李中煥は強制送還後、アメリカの施設に送られ闇に消えた。
※2部で明かされますが、李中煥は元々ソ連のエリートスパイでした。プーチンと同じ様な経歴です。ソ連を裏切った理由は分りませんが、国を裏切った李をアメリカが信用すると思えませんし、ソ連も裏切りを許さないでしょう。李が生き延びることはどっちにしろ厳しかったのではないでしょうか※
李中煥と違い、渡辺修二は命を懸けての告発だった。
布施は渡辺供述にあった井戸沼にも裏を取り、筋書きの確証は掴めたが、
「話せば殺される」と怯えていた井戸沼に対し渡辺は落ち着いている。
「あなたは戦地へ行ったことがありますか?」
ーーー布施は戦地には行ってないーーー
渡辺は戦地で地獄を見てきた。人間が得体の知れない形や塊になるのを・・・
それはまさに地獄絵図だった。
このまま下山暗殺がソ連の仕業になれば、今度はソ連が黙っていない。
全面戦争になれば今度こそ日本は全土が焼け野原になる。
※既にソ連の核実験は成功してました※
渡辺には2度と戦争を起こしたくない決意があったのです。
※渡辺のその後の消息は2部でも明かされませんでした。言わずもがな・・・が推測されますね。ある意味、渡辺の告発が日本を救ったと思わざるを得ません※
下山総裁の死から1年後
墓参りをする布施。
良い報告などありません。
GHQからも正式な打ち切りが要請され、これ以上は踏み込めないのです。
そんな事情も知らず、捜査を打ち切った布施を激しく責める矢田。
「俺は下山の真相を追い続けますよ!」
「国家権力がアメリカの言いなりでいいのか!」
日本はまだ独立していないんだ!!!
これまで大声など出したことない冷静な布施が、ここで初めて叫んだ。
1番悔しいのは布施自身だろう。
1951年(昭和26年)9月8日
サンフランシスコ平和条約に於いて日本の独立が認められた。
終戦から6年後、日本はついに独立国家となった。
時の総理大臣・吉田茂は下山事件の犯人は韓国人だと判明したが、大韓民国に逃亡して捕えられないと発言した。
※これはいけませんね。責任をまだ国力が弱い大韓民国に擦り付けるとは・・・※
事件から10年後
10年という区切りにメディアはこぞって下山事件の真相を追いかける。
著名人では松本清張が「日本の黒い霧」を出版する。
ネタ元は読売新聞の鎗水徹(溝端淳平)だ。
松本は「情報は力」だと力説する。
その出版会見で知り合った矢田が鑓水を喫茶店に誘う。
鎗水は詳しくは言えないとしつつ、下山誘拐の実行犯は【H・O】だと掴んだが、上層部からのタブーで記事にできないと言う。
「またタブーか・・・」
矢田の方には元大阪CICの協力者から、事件前日に誘拐ルートを車で走らされたという情報が入ってた。
10年経って口が緩くなったのか情報は増える。
本来ならば・・・
この年、法務省に飛ばされてた布施が再び地検の刑事部部長職で舞い戻ってきた。
早速矢田は「下山暗殺の首謀者が大阪にいた」と布施に写真を見せる。
「今の検察なら調べられるだろ!」
「なぜ何もしない!」
布施は10年経っても熱が冷めてない矢田に、「その男は既に本国に帰還して、その後は行方不明だ」
「なんだよ!調べてたのか!」
布施は捜査を諦めていなかったのだ。
捜査情報は漏らさない男なので「布施健(ふせたけし)」の名前から「伏せケン」という異名で呼ばれてる布施が矢田に語り始める。
ーーー4ヶ月前ーーー
布施の元にハガキが届く。
元CICの協力者で「宮下」という男からだ。
話を聞くと、CICは宮下のような引揚者に散々汚れ仕事をさせて、必要なくなったら切り捨てた怨恨での暴露らしい。
※消されないだけマシだと思わなかったのかね※
下山事件の首謀者は日系2世のアーサー・フジナミのグループだと写真を見せる。
「そいつが犯人だ」
フジナミはまだ日本にいたので話を聞きに行ったが、その直後に本国へ帰ってしまった。
「話せるのはここまでです」
「伏せケン」がここまで矢田に話したのだ。
矢田に信頼を寄せてる証だろう。
「実行犯のアテがある」
動き出す矢田。鎗水の所だろう。
~~布施は矢田に話さなかった宮下供述の続きを思い返す~~
*
下山を呼び出したのは塩谷好太郎という情報屋。
塩谷は7月5日の朝(下山遺体発見の前日)
ストライキ計画の情報を渡すと言って下山を三越本店に呼び出した。
そこに待ち構えていたアーサー・フジナミたちが言葉巧みに車に乗せて、本郷ハウス(キャノン機関)に連れ去った。
キャノン機関とはG2にあった情報機関で反共政策の秘密工作機関で、その指揮官こそがジャック・Y・キャノンというアメリカ陸軍将校だ。
指揮官はアメリカ人だが実行犯は日本人の元軍人で、陸軍中野学校の出身者などで構成されていた。
※スパイ養成学校ですね※
戦時中の任務を話せない立場故に戦後は生活に困窮し、キャノン機関で暗殺や爆破などの精鋭部隊となっていた。
布施は旧日本軍の特務機関に絞って、この10年間の捜査の全てを洗い直す。
特務機関とは諜報や破壊工作など秘密裡に行う機関で、それを養成したのが陸軍中野学校だ。
キャノン機関に拾われたような生活困窮者は多くいたが、逆に莫大な資金を得て各界で暗躍してる者たちもいた。
※M資金ってやつですかね※
そこから割り出したアメリカとの関係が深い人物
児玉誉士夫
矢板玄
長光捷治
が浮かび上がる。
長光配下の真木一英は下山事件に関するゆすりで逮捕されたが長光が釈放している。
その後、真木の消息は消えている。
この3人は資金を元に政治にも影響を与えてきたが、キャノン機関については一切語らなかった。
「知らない」ではなく「喋らない」だ。
※さすがにこの内容は矢田には話せませんね※
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布施は田畑操車場で線路を見つめている。
呼び出した矢田が来て、「なぜこんな場所に?」
「国鉄のトップを列車に轢かせる。その意味を考えたくてね」
「見せしめでしょ」
布施にはその考えが浮かんでなかったので、なるほどと思った。
※2部で触れてますが、本当に見せしめのようです※
布施は実行犯の情報が欲しいと頼む。前回矢田にはアテがあると言っていたが、
それはやはり鎗水だった。
「自殺したそうです」
実行犯のH・Oは知らない間に誘拐の片棒を担がされてて、後になり自分が犯した罪に怯えて自殺してしまったのだ。
「・・・ちゃんと捕まえてやりたかったな・・・」
布施は自分の無能さを痛感した。
そして、下山事件は追えば消えるの繰り返しであった・・・
「まだ辿れる線はありますよ!俺は替え玉が鍵だと思っている!」
ーーー替え玉???ーーー
③へ続く
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