発表会まであと1週間。

休み時間にラジカセをみんなで聴いていたら、男子がチャチャを入れてきた。


「あのさ、外人の曲聴いて面白い?」

「は?!ガイジン?!あのね、あんたたちが聴いてるその、布袋の、曲。こっちがオリジナルだから!」

「えっ?!」 


男子のひとり、ヤマグチがラジカセの前に座りこんで真剣に耳を傾けてた

「ホントだ、、これ、誰?」

「エディ・コクラン!」


布袋の曲だと思ってたんだ??

ビックリ!


「あいつら、ほんっとに音楽知らないから!」

たっちんが呆れたように言った。

たっちんは同じ軽音部なんだ。

彼らはボウイのコピーバンドをやってるらしい。

ルーツには興味がないのかな?


私も音楽好きだし楽器もやるけど軽音部じゃない。部活やる時間あったらバイトしてLIVE行きたいレコード欲しい。


寝る前に、、

教室の片隅のラジカセの前で

真剣に エディコクランを聴いてたヤマグチの姿を思い出した。


100%ロカビリーバンドだったヒルビリーは、デビュー前の野音のイベントで

一緒に出演していた BOOWYを観て、意識が変わったと言ってた。


そして、、

メジャーデビューして田舎に住んでる私のところにもヒルビリーのサウンドが届いて


私がヒルビリーのファンになってヒルビリーにエディコクランを教えてもらって


今日BOOWYのコピーバンドをやってるヤマグチに私がエディコクランを教えた


「なんか、、1周した気がする」


次の日学校へ行ったらヤマグチが声をかけてきた。

ヤマグチはボウイ以外の音楽をほとんど聴かないらしい。

「BOOWYの曲を聴いてコピーして、の繰り返し。いい曲いっぱいあるし」

だからエディコクラン聴いてビックリしたと。そうなんだ、、



音楽って、無限にあるよね、、

レコード店さんに行く度に、あの膨大なレコードの数に、自分の無知を思い知らされる気がしてる。レコードって、すごい。

そんな中で、ビックリするような、ワクワクするような音楽に出会えるのって、本当に奇跡なんだよね!


ヤマグチの家は電気屋さんで、レンタルレコードもしているらしい。


「ええ!それって私が中学の時にヒルビリーの全シングルレンタルした店じゃん!」


世界がせまい(^^;)

田舎ならではの摩訶不思議なのか?


やっぱり、音楽ってやっぱりつながってるんだぁ