〈わたしの人生ストーリー〉

 

【音楽を通して出逢った大切な人との別れ】

 

 

22歳の頃、

友人のバンド仲間と付き合っていました。

フリーランスで働いていて、

7つ年上だったことから人生経験も豊富で

人間関係や、社会で役立つこと、

楽器の機材やミュージシャンの裏話など

色んな事を教えてもらっていました。

 

彼の言葉や考え方から学ばせてもらったことは

今のわたしの土台にもなっています。

 

ライブハウスと近かったわたしの家で、

彼の音楽活動の合間、

たくさんの時間を一緒に過ごしました。

だんだん彼の私物が増えていき、

楽器倉庫のような状態に。

 

ギタリストの彼はオリジナル曲の作曲もしていて

彼の音楽に対する姿勢、妥協しない生き方は、

親に文句を言われないようにと

公務員を選んだわたしにとっては

”かっこいい、憧れる、うらやましい”

そんな存在でした。

 



 

その彼がライブ出演に出掛けたある夜、

突然倒れ即入院し意識不明の状態になりました。

志半ば、やりたいこともまだまだあった彼。

 

”本当にやりたいことをやる人生の大切さ”を

彼から感じさせてもらいました。

 

バンド仲間から救急車で運ばれたと連絡があり、

病院に駆けつけてから3日目に見送りました。

 

病院まで行く車で一瞬涙がでそうになりましたが、

こういう時はなぜか冷静で

付き添いの間はいつ目を覚ますかと気を張り

亡くなってみればお葬式のこと、

遺品整理に追われているうちに

すっかり泣くことを忘れていました。

 

自分の感情と向き合うことも

無意識のうちに避けていたそんな状況でした。

 

彼のことがひと段落してふと

『両親も、もう後期高齢者かぁ』と

家族で過ごす残り時間が多くないことに気づき

アパートを引き払って実家に戻りました。

 

古くなった家の修理をしたり、

仕事もいっぱいいっぱいな状況の中、

毎日休む暇なく動いていました。

 

そして、実家に戻ってから

7年目に父を見送りました。

 

 

2人の大切な人との別れを経験し、

明日に悔いを残さない生き方、

人とのかかわり方を強く意識するように

なっていきました。

 

 

・・・明日は、第二の人生の始まりです・・・