こんばんは。

オリンピックがやってきました。
開会式のポール・マッカトニーにしびれました。
なんせ莫大な資金の元行われた開会式の大ラストをぶち壊すつもりで反抗したのですから。
オリンピックのような広大で絶対ミスが許されない会場では音声トラブルを避けるため、ボーカルも含めた演奏を事前録音しておき、バックで流して、実際の音声と重ねることがあります。
ポールはそれを拒否し、本番でわざとズラして「ヘイ・ジュード」を演奏し出したのです。
一瞬、「録音」と「生」の演奏が2つ別々に鳴り、会場が動揺しました。
そこで会場のPAは焦って「録音」の音源を消しました。
曲の終わりはポールはバンドを止め、会場全員の生声で「ヘイ・ジュード」の大サビを合唱しました。
生でしか生み出せない名場面でした。
しかし、今年で70歳の声とは思えない見事な歌声でした。言い方は悪いですが、バケモノじみてました。

僕はオリンピックが来る度に少し嫌な思いをします。
4年に1度というところです。ワールドカップも嫌です。
4年に1度のオリンピックがまた来るのは4年後…4年後には僕は32歳…不安なイメージ以外全く浮かんで来ないのです。
逆に4年前、自分は何をしていたんだ…大して今と収入変わってないじゃないか…。
来る度に不安な気持ちにさせるなんたる悪魔でしょう。
閉会式のThe Whoを楽しみにしています。


去年のCOUNTDOWN JAPAN出演時の映像がこの間、wowowで流れたようです。
こんな名前のバンドがテレビに出れるんだという妙な安心感を持ちました。
深夜の時間帯のほんの数分ですので見た人もわずかだと思いますが。
自分では結構昔のことの様に思い、あの頃の自分の歌声を聞くと恥ずかしい気持ちでいっぱいになります。
YOUTUBEとかでもバンドの動画がありますが、自分の映像に関しては何回も見てしまうとよくない所も「良し」としてしまいがちなので見ないようにしています。
周りの人がどう言おうが、過去は「昔のこと」と割り切るのが一番いいものを常に生み出す稼業の宿命だと思います。


今年中には新譜を皆様にお届け出来るよう、現在音源を作る作業をしています。
色々な人達と話し合い、音楽を聞いてもらい「初の全国流通」というものの重みを少しずつ実感しています。
パンパンの塔をバックアップ、協力してもらっている皆様には本当感謝の日々です。
バックドロップシンデレラのギターであり、韓流セレブレイトのボーカルでもある渉さんにも協力してもらいました。

「ぐあー、だせー!!」
「これは何を狙ってるのかわからない!!」
「下手くそ!!」
「全然駄目だ!!」
「今まで何してたんすか。」


随分ズバズバと駄目出しをしていただきました(笑)
発売すれば名刺代わりとなるデビュー盤。
そのハードルの高さを思い知らされました。
曲の構成からザックリとメスを入れて頂き、ビシッビシッと短時間で的確な教えをもらいました。
本来の楽曲の良さをどう引き出すか、ということにかけて僕らの持ち合わせていなかった視点で色々と気づかせてもらいました。
渉さんは先日終了したバックドロップシンデレラのレコーディング期間で20曲以上も作ったらしく、「発狂しそうになった」と言っていました。
そういう発狂寸前の峠を超えた者の言葉の重みは違いました。



自分はレコーディング期間のこの大事な時期に夏風をひき喉を痛めてしまいました。
体調管理の甘さからでした。
まともに声が出せない期間が1週間ほど続きました。
自分の歌は高いキーが多いのでパンパンの塔の歌は全く歌えませんでした。
なるべく睡眠をとらなくてはならないのですが、やるべきことや、やりたいことが多すぎて居てもたったもいられませんでした。
ベッドの中で色んなアコースティックの音源を何枚か聞きました。
今年出たジェイソン・ムラーズ、マイケル・キワヌカのアルバム。ニール・ヤングそれからジャック・ジョンソン。
「アコースティック・ギターはメロディーも和音も鳴らせれば、リズムも刻めるし、これらを同時に演奏することが出来る小さなオーケストラだ」と誰かが言っていました。
どれも涙が出そうになるほど美しい旋律とリズムでした。
ジャック・ジョンソンの「インオーディブル・メロディーズ」という曲の
「みんなペースをおとせ 動きが速すぎる それじゃフィルムに収まらない そんな風に動いたんじゃね」
という言葉にベッドの中幾度も救われました。
音楽を聞いているのにまるで無声映画の中にいるような、世界と分断されたような、妙に落ち着いた気分になりました。


何日かの熟睡と覚えたての「鼻うがい」が功を奏して、まだ咳は少し出ますが、回復してきました。
久しぶりにアコースティックギターで歌った自分の歌は解放感に満ちていました。
部屋に篭って音楽に浸った時間が非常に大きな経験となりました。
「素晴らしい音楽を作る」そこをブレずにいきたいです。
ベッドの中で何度も聞けるような、世界中で味方はこいつだけだ、と思えるような、そういった「素晴らしいもの」を作りたいです。
変に急がずに、(でも、急いで)作業を進めたいと思います。

皆様、夏風邪にはお気をつけ下さい。
鼻うがい、オススメです。



【パンパンの塔 ライブ】

8月のライブは1本です。
その頃は恐らくレコーディング大詰めの時期だと思います。
僕らの成長具合を見せたいと思います。
いい日にしますのでお待ちしています。

8月28日(火)
新宿Marble「ロックの向こう側vol.36~SP~」
■open18:00/start18:30
■前売2000円(D別)/当日2500円(D別) 高校生学割500円(D別)学生証提示

出演
パンパンの塔
Qomolangma Tomato
ゴールデンローファーズ
SUNDAYS
ircle