営業冥利に尽きる一言

「あなたから買いたい」


競合他社ユーザーに営業した時の話。

自分の担当エリアには自社ユーザー以外に

競合他社ユーザーも多数いた。

ひっくり返して自社ユーザーにすることは

ミッションであり大きな評価を得られた。


ある企業で提案の機会を頂いた。

そこは他社の大型機器ユーザーで

何とかひっくり返したいと思っていた企業。

自社ユーザーではないため断られない程度に

時々通って情報提供をしていた。


改めて自社と自己紹介を行ない

提案の機会を頂いたことへの感謝を伝えた。

適度に通って顔も覚えて頂いて、

印象も良かったから声をかけたとのこと。

この時点でも嬉しい。


提案するためには現状を把握する必要がある。

複写機の提案には本体のリース料、

カウンター料金、トナー代、月間印刷枚数

などの基本情報以外に印刷しているもの、

印刷やFax、スキャナー等を何用に

どんなタイミングで誰が使っているか等

業務の中で位置づけを知る必要があった。


実際に使用されている方々に

ヒアリングや状況を見せて頂き

どのような提案が良いのかを練っていった。

意識していたのは現状の課題はもちろん

今後会社をどのようにされようと

しているのかという未来のことを聞く

ことでした。


ヒアリング内容をもとに提案書を作成し、

社長以下関係者へのプレゼンを行った。

結果の連絡は1週間後。ドキドキだ。


プレゼンから3日後に電話があり

オフィスに呼ばれた。


そこには社長や事務系の責任者、

実際に機器を使う部署のリーダーがいた。

事務系責任者の最初の一言

「金額はあれが精一杯ですか?」

既存メーカーが安いことを悟ったが、

うちとしても頑張った金額だったので

「すみません、精一杯の金額です」と。


「そうですか、分かりました」

・・・、少し沈黙があり社長から

「提案ありがとう。あなたから買います。」

と言葉を頂き、驚きと嬉しさが。

「あ、ありがとうございます。」


少し冷静になって聞きました

「どうして私から買って頂けるのですか?」

「確かに金額は若干高いですが、これから

お付合いをしていくのは今の会社の営業

よりあなたの方が良いと社内でなった」と。

とても嬉しい言葉を頂いた。


提案に向けて社員の皆さんと

しっかりとコミュニケーションを

取ったり今後を見据えた提案を

盛込んだりと一所懸命にやっている

姿勢を評価してくれた。


既存の競合他社はヒアリングなどもせず、

金額が安くなるので良いでしょ?という

スタンスで提案をしてきたとのこと。


この時学んだのは、見てる人は

ちゃんと見てる。

ITが発展しても買うのは人だから

人を大事にしなければということ。


この時よりもっとnet社会になっているので

より意識する必要がある。

そこに営業がいる意味がある。