さて、今回は慢性疲労持ちの青柳桜子(33歳独身)の症例を例に取って考えていきたいと思う。
なかなかの美人だ。高嶺の花で警戒されて逆に中々彼氏ができないパターンだろう。
さて、それは置いておいて桜子のライフスタイルはこんな感じだ。
朝飯 7:30 パン・牛乳
昼飯 13:30 サンドウィッチ・お茶
夜 19:30 ご飯・焼き魚・サラダ
日中の間食 コーヒー3杯以上・飴玉
サプリ 高濃度ビタミンC点滴
桜子はどうやら食欲がなく、基本的にお腹が空かないらしい。ポケットにはいつもアメちゃんが入っている。
裏情報だと失恋したばかりらしい。
いつも疲れていて、定期的に高濃度ビタミンC点滴を受けている。
カウンセリングの結果
・冷え ・疲れ ・月経不順 ・食欲がない
・口内炎 ・悪夢を見る ・不眠 ・集中力がでない ・肩こり ・頭痛
桜子の身体は限界だった。ズタボロである。目にはうっすら涙すら見た。
血液検査の結果を見ると、赤血球の数値には問題が無いものの、かなり貧血が進んでいる状態であった。失恋は多分関係ねぇ。
そう、鉄欠乏性貧血の可能性がある。
ヘモグロビンは酸素を運ぶタンパク質であり、ヘモグロビンを作り出す為にはタンパク質や鉄を摂らなければならない。
鉄というミネラルは代謝に関係する甲状腺ホルモンを作る時に非常に重要に関わってくる。なので、鉄不足がある人ってのは代謝機能が低下して甲状腺機能が低下しやすい。
月経がある女性や成長期の子供なんかは特に鉄が欠乏しやすいのだ。
貧血が進んでいると言うことは当然血流も悪くなっているので冷え症も疑おう。
そして桜子は少食かつ見た目も華奢な筈なのに総コレステロール値が高かった。年齢的にも閉経が近いとかそういうのもない。*過去ブログ参照https://ameblo.jp/mamekichi1989/entry-12733279955.html
なのに何故コレステロール値が高いのか、、、
食べてないのにコレステロール値が高いってのは代謝が低下していて甲状腺の機能が低下しているのでは?と推測ができる。
桜子の食事データを見ても食事をしっかりと摂ってもらうってことが1番良いのかなとも思うが、普段食べないライフスタイルの人に「明日から肉ガッツリ食べてください」ってのは現実的では無い。のび太にジャイアン殴れって言っているようなもんだ。
徐々に桜子の消化力に合わせて食べるものをチョイスする方がいいだろう。
桜子は食事がなく食事量も少ないので、消化酵素を取り入れながらタンパク質の摂取や欠食をしない、小まめに補食しましょうとアドバイスをして桜子は去っていった。
4ヶ月後〜
桜子の血液検査データの数値を見るとある程度の改善は見られたがある一定の所で頭打ちになっていた。
そう、胃腸の状態に問題があったのだ。
ピロリ菌に感染していたり、胃に炎症が起きていたり、胃酸抑制剤を飲んでいたりすると胃酸分泌が上手くいかず、鉄や亜鉛などのミネラルの吸収が悪くなる。
桜子は胃腸科に行き、胃腸の状態を改善すると徐々に頭打ちだった貧血の数値が改善していった。
つまり、胃や腸などの消化吸収の機能が低下していると、いくら食事や栄養を改善しようがサプリメントを取り入れようが効果が薄くなってしまい、結果が出ない、改善されないとう事態に陥ってしまう。
では何故桜子は食事を疎かにし、コントロールすることができないのか考えてみよう。
・貧血
・甲状腺機能低下による代謝低下
・低血糖.....etc
そう。一つはエネルギー不足だ。
エネルギー状態が少ない状態だと、どうしても身体(脳)はエネルギー源の糖を欲してしまい、甘いものを非常に食べたい、炭水化物を山盛りで食べたいなどの欲求に駆られるのだ。
ダイエットをしたいみたいな決意表明をしたのにも関わらず、エネルギー不足によって理性で甘いものを食べたい欲求をコントロールできないっていう人が大勢いるのはコレだ。
エネルギー不足が問題にある一方、消化吸収にも問題がある場合も多い。
桜子の例に戻ると、しっかりと桜子に見合った食事を3食食べられていない。食べてしまうと桜子は胃もたれしたり、お腹の調子が悪くなったりすると「欠食」などの行動を起こしエネルギー不足に繋がるっていたのだ。
そう、食事のコントロール以前にしっかりと消化吸収できるようなチカラもとても重要なのだ。
こうして食事・消化にアプローチし、貧血が改善されしっかりと食事が取れるようになった桜子は高濃度ビタミンC点滴やサプリメントに頼らずに生き生きと婚活パーティーに向かったのであった。
完。