「午前十時の映画祭」にて上映していた『グリーンマイル』を観てきました。

 

観たことのない映画だと思って観に行ったのに、途中でこの先何が起こるか知っている自分に気づいて、「あ、観たことあったわ…」となりました。

 

観ているのがつらくなるタイプの映画だったので、記憶の中から消してしまっていたのでしょうかね。

 

そのおかげで、観るのがつらい映画をもう一度観るはめになってしまいました。

 

 

もう忘れないように、ストーリーをかいつまんで書いておくことにします。

 

 

★★以下ネタバレしています★★

 

 

 

 

老人ホームに住むおじいさんが、毎朝トースト片手に長い散歩をしている。緑の丘の向こうの、打ち捨てられた小屋に通っているようだ。

 

同じホームに暮らす仲の良いおばあさんに、昔話をして聞かせる。

 

昔、おじいさんは死刑囚を収容する監獄で看守長をしていた。

 

新しい囚人がやってくる。黒い肌で巨体の、だが物静かな男だ。

 

幼い姉妹をレイプし殺害した罪で死刑を宣告されていたが、男が言ったのは「元に戻そうとしたが、間に合わなかった」ということだけ。

 

看守長は当時、尿路感染症を患っており、排尿のたびに激痛に苦しんでいた。ある日、新しく来た囚人に股間を蹴られ悶絶していたところ、くだんの黒人の大男に身体をつかまれる。「ボス、俺が元通りにしてやる」

 

大男が看守長の股間に手を当て、その口に金色の息を吹き込むと、看守長の身体に異変が起きる。看守長から離れると、その身体から“わるいもの”を吸い取ったらしい大男が、黒い煤のようなものを大量に吐き出した。黒い煤は、細かな粒子となって、空気中に溶けこんでいった。そして看守長の激痛は嘘のように消えてなくなり、彼は「元に戻った」。10代の精力を取り戻し、奥さんをたいへん悦ばせた。

 

さらに驚いたことに、大男は看守たちの目の前で、一度死んだネズミをよみがえらせた。大男の「奇跡の力」を目の当たりにした看守長は、仲間たちとある企てを計画する。

 

施設長の奥さんが、重い病気(脳腫瘍)で余命いくばくもない。大男の力でこの病気を癒してもらおうという決死の作戦はうまく運び、施設長の奥さんは健康を取り戻した。が、大男はいつものように黒い煤を吐き出さず、飲みこんでしまった。看守仲間の一人はいう。「電気椅子が怖くて飲み込んだんだ。もって数日の命だろう」

 

飲みこんだ“わるいもの”を、大男は、この後ある目的のために使う。

 

看守長は大男が無罪であることをすでに確信している。それどころか、大男のふしぎな力を通じて、真犯人が誰なのかも知っている。けれどどうすることもできない。「奇跡」を起こす大男の死刑を止めることはできない。

 

大男は真実を知らない大勢の立会人の憎しみと、数人の看守たちの哀しみと親愛の念を感じながら電気椅子にかけられた。

 

おじいさんの回想は終わる。彼は今108歳だ。大男のふしぎな力で心の情景を共有させられたとき、寿命という力も注ぎ込まれていたのだ。おじいさんはこの長い寿命を、神に選ばれた聖人を死刑にかけたことへの罰だと思っている。あの時生き返ったネズミは60年経った今も生きている。自分の寿命はどのくらい続くのだろう。はやく死が訪れることをおじいさんは待ち望んでいる。

 

★★以上です★★

 

 

上映前(9:50)はたくさんあった『キリエのうた』のチラシ、上映後(13:10)に見たらすっかりなくなっていてびっくり。