2020年4月1日、アメリカの高級食材店「DEAN & DELUCA」は経営が悪化したため、米連邦破産法11条の適用を申請したと、多くのメディアが一斉に報じました。
負債総額は約5億ドル(約540億円)と言われています。



エイプリルフールにしては笑えないニュース、やはり事実のようです。






DEAN & DELUCAとは…


1973年、当時歴史教師をしていたジョルジオ・デルーカがニューヨークのソーホー地区で小さなチーズ店を開いたことが始まり。

1977年、ジョエル・ディーンと共に「DEAN & DELUCA」をオープン。
生鮮食品やお惣菜、パン、ケーキ、アイスクリーム、コーヒー、ワインなど…2人が世界各国を旅して発見した多彩な食材を取り扱い、セレブ御用達の高級食材店兼デリとして人気になりました。

2003年には海外第1号店として、東京の丸の内に初出店。
ロゴをプリントしたトートバッグが若い女性の間で流行しました。




そう!
何を隠そう、私もDEAN & DELUCAのトートバッグが大好きです♡

ハワイやバンコクの限定バッグとチャリティーバッグを主に集めています。
数えてみたら、全部で9個!

丈夫な上に使い勝手が良くて、何よりデザインがシンプルで可愛い!
ずっと大事に使っています。







さて、2019年7月にニューヨークを旅行した際、DEAN & DELUCAの本店である「ソーホー旗艦店」に行って来ました。


今思えば、この時すでに経営状態は最悪だったのでしょう。
店舗賃料や業者、従業員の給料などの支払い遅滞・未払いが相次ぎ、あちこちで訴訟が発生していました。
この3ヵ月後、2019年10月には北米本土にある店舗すべてが閉店。
最後の最後まで営業し続けたのが、このソーホー旗艦店だったのです。



お店に入ると、お客さんが誰もいない…
店員は10名以上いましたが、全く繁盛しているお店には思えませんでした。
お惣菜や生鮮食品のショーケースの中はガラガラ、朝なのにコーヒーの香りもせず、ただ広いフロアが静まり返っていました。







ストライプ柄のエプロンです。


白地と黒地の2種類あります。
着用していた店員さんがいましたが、スタイリッシュで良い感じ!



マグカップとトートバッグです。



"NEW YORK"って入ってないのが残念…
お目当ての折りたたみエコバッグはありませんでした。



チョコレートバーです。


種類も多く、ばら撒き土産にぴったり!
ニューヨーク土産?
…日本でも買えます。







滞在時間たったの10分。
あんなに行きたかったお店だったのに、何も買わず、急いで出て来てしまいました。


ニューヨーク限定品を購入したくて今回来店しましたが、残念ながらありませんでした。
DEAN & DELUCAのロゴの下に"NEW YORK"って入っているだけで、買う人がいたのに…


ハワイのロイヤルハワイアン店で販売されているハイビスカス柄の限定トートバッグは、その売り上げだけで高いテナント料が支払える程と言われています。
もはや、トートバッグ店です。
「今しか買えない」や「ここでしか買えない」というのは消費者の心理を上手く掴んでいると思います。

そういったグッズがあれば良かったのに…






なお、日本国内での営業権や商標権などにおけるすべてのライセンスは、運営会社である「ウェルカム」が事実上100%取得しているため、日本国内での事業運営には影響はないそうです。

また、日本人観光客に大人気のハワイ店も日本同様、「DEAN & DELUCA HAWAII」として独立運営されています。








ニューヨークで最初にエキストラバージンオリーブオイルやバルサミコ酢を販売したのがDEAN & DELUCAです。
「食のセレクトショップ」として、一躍ニューヨーカーの心を掴みました。



あれから40年、かつて入手困難だった高級食材はイータリーやアマゾンでも簡単に入手出来るようになりました。
DEAN & DELUCAの看板商品である高級デリも、ホールフーズに行けば、もっとリーズナブルな価格で購入することが出来ます。


時代の流れと共に、私たちのライフスタイルも変わりました。
画一的なブランドはあまり求められていません。
「オーガニック」や「地産地消」、「体験価値」、「サスティナビリティ」などの付加価値が重要視されつつあります。

食を取り巻く環境は大きく変化しています。
ブランドとしての品格を守るだけでなく、何か新しいプラスαが必要だったのかもしれません。





「DEAN & DELUCA」はニューヨークの代名詞で、私たち日本人にとっては憧れのお店です。
そんなお店がニューヨークから消えてしまうなんて、心底残念です。