20歳の時、私達家族は高層の団地に住んでいました
私は、大学座学授業終わってから(だいたい午後3時)夜8時まで毎日バイト
芸術学部でしたから講義授業の後は提出課題作成があります
でも私は、実家では食事の用意がなかったので、バイトできる年齢の16歳から食べるためにバイトを始めていました
そもそも芸術学部、その中でも特殊技術を学ぶ学科を選んだ時点で大失敗
(自宅で課題制作が不可)
時間もお金も莫大かかるとは思ってなかったし…
致し方なく、課題は、寝るのを削って、バイト終わってから夜中に先生からカギをもらい、実技教室で作成したりしていました
こんなんじゃ大学続くわけがない
さて私の日常
バイト後帰宅時間は9時でした
当時団地玄関エントランス消灯は9時
エレベーター前は真っ暗でした
いつもひとりだと
『また過ぎた、暗くてやだなぁ』
その夜もひとりで、エレベーターを押し入り、自宅階のボタンを押したら…『え?』
突然エレベーターの陰から若い男が入ってきて私を奥へ突き飛ばしました
あたまを壁にぶつけ一瞬クラッとはなりましたが、意識はっきりあり、男の顔と洋服を無意識に凝視しました
男は私に襲い掛かりました
私はトレーナーを着ていたのですが、男はそれを脱がそうとしました
私は必死で抵抗
叫ぶより抵抗に必死
とっくみあいです
ドアは無情にも男の背後で閉まり、私が押した階まで上がります(3階に住んでいました)
必死に抵抗はしていましたが…
ところがなぜかあたまは冷静になる
すぐあたまに浮かんだのは
『 そうだ‼️
9時過ぎだからエレベーターは各階止まりだ‼️
とにかく2階まで頑張って抵抗してドアが開いたら叫んで助けを求めよう!
ドアも閉まらないようにからだをエレベーターから少しでも出せばいいんだ!』
その考えがあたまをグルグル周り長い長い抵抗の中、エレベーターは2階に着き、思った通りにドアが開き、私は実行に移しました
圧し殺していた声を全開
男は私の足をひっぱりエレベーターの奥へ戻そうとするのを必死で抵抗
寝転びながら叫びながら、とにかくからだをドアに挟み、何回かドアがからだに当たるも、閉まるのをからだで防ぎながら叫び続けました
「助けて‼️」
お願い!誰か助けにきて!
私には長い長い時間に感じられました
すると少し離れた場所の住まいのドアが開き男性が叫びました
「どした‼️」
他にもいくつかの部屋のドアが開く音がしました
私をエレベーターの中へ引きずり入れようとした男はあきらめ、ドアに挟まれ続ける私を踏みつけ逃げました
出てきてくれた男性は「待てー!」と叫びながら非常階段をかけ下りる男を追ってくれましたが、犯人は自転車で逃走
逃げて行く犯人と階段を下りて追っている男性を見ていた記憶はあるので、エレベーターから非常階段まで立って歩いたのだと思います
男性の自宅が非常階段の横だったのですね
そして、男性の奥様が私にしばらく寄り添ってくれ、連絡してくれた警察がきました
はっきりした人数は覚えていませんが、3人以上だったと思います
私が意識もしっかりしていて、男の顔と洋服をしっかり覚えているからと言うとすぐパトカーで近所を回りました
赤いチェックのネルの長袖のシャツに
整った綺麗な顔をした男でした
20代か…
団地に残ったおまわりさんには、父親が在宅だと伝えました
助けてくれた男性やその奥さんに様子を聞いていたりしたようです
私はパトカーに乗せられ、しばらく近所を巡回後、手がかりなく、団地に戻ってきたら、おまわりさんから「何回もピンポン鳴らしたけど、お宅にはご両親はいないようだったから、付き添われる方いないと今夜は事情聴取できない
申し訳ないけど、明日必ず親御さんに連れ添ってもらい警察に来てね」と言われました
おまわりさんと別れ、自宅に戻ると…
なんと…ドアが開いている!
父親、居留守使ったのですよ!
居留守‼️
居留守‼️
いつもの逃げではありますが…
これにはびっくりしました
父は、部屋であたまから布団をかぶり、狸寝入り
もちろん私はそばに行き、事の顛末を話しました
布団ゆすったかな…覚えていません
私はすぐ母の洋裁店に電話し
「お願いだから、とにかく早く帰ってきてちょうだい!」と懇願
もちろん母は
また
無視
私は、怖くて怖くて、母に何度も何度も電話しました
『男がナイフでも持っていたら刺されてたかもしれない…こんな酷い目にあわされたんだ』細やかな期待で『もしかしたらもう自宅に向かっているのかもしれない』と思い、最後電話をかけ続け疲れ、私は、布団に倒れました
そして
気が付き目覚めたのは、玄関のドアの閉まる音でした…父は音も立てず、逃げるように家を出たのです
もちろん…結局母は帰宅していませんでした
もう涙も出ません
ひとりで警察に行け、ということですよ
私はたったひとりで警察に行きました
テレビドラマによく出てくる廊下の長椅子
あの冷たい感触、今でも忘れません
更にびっくりだったのは…
警察から出るとすぐ私は母のお店に行きました
縫子さん達数人が店にいましたが、母はいない
どこにいたと思います?
美容院ですよ、美容院
髪をセットしにもらいに行っていたのです
もちろん私、行きました
開口一番
「どうせまた狂言でしょ?
だろうから帰らなかっただけよ」
「タクシー代ないから帰れないと言ったのは嘘?(美容院来れるお金あるんだから)」
「だってそう言わないと帰らなきゃならないでしょ?」
いつもの事ですが、会話にならない
そして私は20歳で感じました
エピソード②で書いた、16歳で感じた事⬇️
(この人達は)私の大切なものを取り上げるだけでなく、私が苦しんでいても助けてくれない人達
これに加えて