前にもこのネタに触れましたけど、森IOC日本委員会委員長辞任しましたね。引責辞任するはずの彼が後任を打診する、打診された川淵氏がまだ正式な決定前にマスコミに情報ダダ漏れするという二重の「フライング」を経て、やっと透明性高い形で改めて後任決めるという民主主義社会としては あたりまえ の方向に向かったようです。

 

しかし、この一連の出来事で、日本社会の実態が改めてあぶり出された気がするのです。

 

女性を最初から下に見ることが当然視される日本社会のゆがみが改めて可視化されました。森さんの「女性の多い理事は...」発言自体も問題を孕みます。彼はおそらく人間的には悪い人ではなく、この発言も悪気がなかったのだろうと思います。ただそのことがより事態の深刻さを物語っています。さらに、その発言に笑いが起こり、そこで止める人がいなかった、ということも深刻です。

 

ただ、こうした日本社会の抱える、とても多様性に対処しているとは思えない位一面を一気に「見える化」したという点で、この出来事は良かったとも思うのです。


他方、この出来事は、日本社会の新たな波、未来への希望も「見える化」した気がします。

 

今回この発言に対しては若い世代や中堅世代を中心に、NO!という声がかなり上がったこと。これは日本社会の抱える深刻なジェネレーションギャップも示しているのですが、新しい世代は古い世代とは違う価値観や認識を持つ層が育っているんだなあと実感しました。よりfair(公正や平等)およびfree(自由)に敏感な世代がそだっているなと。豆タヌキ的には未来に希望が持てました。

 

若い世代は日本の長期低迷の中で育っているがゆえに、この社会の問題に最初から正面切って対峙しなければならず、問題点をいやというほど感じ、批判精神を養っているから、なのかもしれませんが...しかし、この閉塞した日本社会にも新しい波が来ているんだな、とも思います。

 

日本社会を動かす新しい波を感じ、未来への希望に気づかせてくれたことは、このもりもり失言騒動の効用だったと思います。

 

そして、だからこそ、私も含む今の現役世代が若い世代のために地ならしをしないといけないんだなあと改めて思ったのでした。

 

以上、本件に対する備忘録。

 

by 豆タヌキ