先日、トレーディングポストのダブルモンクに謎の汚れがついていました。
ラーメンの油でも跳ねたのか、革の表面に乗っかった感じの透明な水玉形状の汚れで、コレがレーダーオイルでもハイシャインクリーナーでも落とせません。
そこで、意を決して丸洗いすることにしました。洗った後の写真がこちら。
謎の汚れはちゃんと落ちていました。
ところで、革靴を丸洗いする方法については多くの靴好きの先達たちが動画などで解説してくれていますので、私もだいたいそれに倣っています。以下のような流れが一般的だと思います。
①靴を水に浸して、しっかり水を染み込ませる
②サドルソープで洗う
③タオルで拭く
④新聞紙を詰めて吸水させながら陰干しする
⑤半乾きになったら新聞紙をシューキーパーに替える
⑥半日に1回くらいアッパー(甲革)にデリケートクリームを塗りこむ
さて、この一連の工程のうち⑥でデリケートクリームを使うのは定石っぽいのですが、その理由がイマイチよく理解しきれていません。
いや、コレをしないと革が固くパリパリになっちゃうらしいということは知っているのです。ただ、それを防ぐために使うのがどうしてデリクリなんだろうと不思議に思うのです。
この工程でデリクリを使うのは水と一緒に抜ける油分を補うためだと説明する方がいらっしゃいますが、だとすると油分をたくさん含んだものを使った方が良い気がするのです。デリクリって、クリームの中でも水分含有量が多いもので、油分補給にはあまり向いていない気が…。
「靴の内側が乾くのには時間がかかる。それに対して外側は早く乾いてしまう。放っておくと外側だけが乾き過ぎてしまう。だから、タイミングを合わせるためにデリクリで潤いを保つ」という説明を聞いたこともあります。こちらの説だと、一見、デリクリを使う理由も何となく納得できる気もします。
ですが、もう少し考えると、乾くタイミングを合わせる必要ってあるのかが謎です。外側がほどよく乾いたタイミングで乳化性クリームで磨いてしまえば良いのでは…?
そんなこんなを考えて、今回はデリクリを使わずに、タピールのレーダーオイルを使ってみました。
靴を洗ったあと、半日後と1日後の計2回、レーダーオイルを染み込ませたネル布でアッパーを拭きました。
そして、その次はもう、中が湿っている状態でしたが気にせずに、乳化性のクリームでアッパーを磨いてしまいました。
その結果が冒頭の写真の状態です。
今のところ、革の状態は悪くなさそうです。