ビジネスシーンの装いをちゃんとすることを目指し始めた私は、ふさわしい腕時計を購入しようと考え始め、「どうやらドレスウォッチというのがいるらしい」、「機械式かクォーツか…クォーツにしようかな」、という思考過程を経て年差クォーツというものを知りました。
そして、年差クォーツについてネットでちょこっとだけ調べた時点で私の脳内では、どうやら年差クォーツの最高峰といえばグランドセイコーとザ・シチズンらしい、ということになりました。
そんなこんなで、このザシチ(和紙モデル)を買いました。
このとき、私はてっきり、1988年に発売したグランドセイコーと、1995年に発売したザ・シチズンが、それぞれの史上初の最高精度を達成したのだと思っていました。
つまり、1988年より前に年差±10秒の腕時計はなかったし、1995年より前に年差±5秒の腕時計はなかった、と思い込んでいたのです。
ところが、某フリマサイトでたまたま検索に引っかかったオールドクォーツを眺めながら、それは全くの間違いであったことに気づきました。
少なくともなんと1975年の時点で、シチズンが年差±3秒の精度を誇る腕時計「クリストロン メガ」を販売していたそうですね。
クリストロン メガ:歴代モデル:シチズンのキセキ [CITIZEN-シチズン]
当時の価格でお値段450万円というこの時計は一般向けに販売されていたとしてよいかは微妙な気がしますが、これに続くオールドクォーツの名機たちの中にも年差±10秒程度の精度を備えていたものがあったようです。
そのあたりを少し調べてみようとネットで情報を探していたとき、年差クォーツの仕組みについて書かれた読み応えのある記事群を発見したので、備忘のためにここに書き留めておこうと思います。
本当は2022年7月~10月の記事を最初に発見したのですが、芋づる式にどんどん興味深い記事が見つかってしまいました。
●シチズン 前人未踏の年差±1秒の精度を実現したCaliber 0100 開発者インタビュー
第一回【水晶振動子編】 (2021年11月26日)
第二回【半導体・システム構成編】 (2021年11月30日)
第三回【機械編】 (2021年12月6日)
第四回【全体・総論編】 (2021年12月10日)
●シチズン 前人未踏の年差±1秒の精度を実現したCaliber 0100 (延長)
(延長)第五回~【私も買いました】ファーストインプレッション編 (2021年12月14日)
(延長)第六回~【私も買いました】1ヵ月年末年始インプレッション編 (2022年1月18日)
(延長)第七回~【私も買いました】四半期のズレ測定プログラム編 (2022年3月28日)
(延長) 第八回~ 【私も買いました】1年後の精度を確認&インプレッション (2022年12月16日)
(延長) 第八回~ 【私も買いました】 シチズンオーナーズクラブ1年点検体験レポート (2023年3月13日)
●シチズン 年差クオーツ技術を探る~ 「クリストロン・メガ」からCaliber 0100への道
【第一回】伝説の「クリストロン・メガ」の時代 (2022年7月11日)
【第二回】32KHzの躍進「IC内蔵温度補償技術」 (2022年8月12日)
【第三回】 電波時計の台頭「電波時計と年差技術」 (2022年10月4日)
【特別編】初代IC内蔵温度補償1930を追う(温度測定編) (2023年2月12日)
●その他
シチズンのルーツをミュージアムで探る (2020年3月20日)
2021年を無軌道に振り返る 個人的にはCaliber0100に大満足 (2021年12月31日)
WATCH MEDIA ONLINEという媒体の、CC Fanという記者さんによる記事です。記者さんの精度への偏愛ぶりが素晴らしいと思います。
多くの記事は、2019年に発売された年差±1秒のCaliber 0100に関する内容となっていますが、その仕組みに迫る過程で他の時計の方式との違いが仔細に紹介されており、大変興味深かったです。
自分の所有しているザシチは年差±1秒ではありませんが、その技術的位置づけに対する理解がとても深まった気がします。
怖いのは、この手の情報を収集していくと、その先にはCaliber 0100のモデルが欲しくなるという未来が予想されることです。それをするとなったら清水ダイブの覚悟が要ります。自制せねば。